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メディアグランプリ

独りよがりの正義感が束になった時、鋭いナイフより人を傷つけるかもしれない


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記事:花倉祥代(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「俺の授業をはじめる」
これは、「3年A組-今から皆さんは、人質です-」というドラマの主人公「柊一颯(ひいらぎいぶき)」のセリフです。
先日、年末一挙放送で、全話一気に再放送されていて、大掃除をしながらも私の意識は100%テレビにいってしまったのでした。
 
このドラマのストーリーは、一言で言えば学園ドラマ、でもいわゆる熱血教師系の学園ドラマではなく、自ら命を落とした『ある一人の生徒の死の真相』について卒業までの10日間で探っていくといったサスペンス的なドラマです。
俳優、菅田将暉さん演じる教師「柊一颯」が、担任をしている3年A組の生徒全員を人質にとるところからドラマは始まります。
「俺の授業を始める」でスタートする毎回の授業はどの授業も大切な気づきを与えてくれるものでした。
中でも、投稿されたSNSを見てそれを鵜呑みにし、その情報が本当なのかを自分で確かめずにSNSにアップしようとした生徒に、柊一颯が激怒したときの言葉は、私の心にずっしりと重く響きました。
 
「お前の不用意な発言で、身に覚えのない汚名を着せられ、本人が! 家族が! 友人が!傷つけられたかもしれないんだ」
「お前は取り返しのつかないことをやろうとしたんだ! なあ? 分かってんのかー!
本質から目を背けたらダメなんだよ!」
「お前たちはもう感情に任せて、過ちを犯せる歳じゃないんだよ! それが許される歳じゃないんだよ。考えて考えて考えて答えを出すんだよ! だからもっと自分の言葉に、自分の行動に責任を持てよ」
「いいか、お前のたわいのない言葉一つで、誰かを救うことができるかもしれない。その一方で、傷つく誰かがいるかもしれないってことを忘れるな。お前の言葉一つで! 簡単に命を奪えるってことを忘れるな! いいなっ!」
 
何度聞いても涙が溢れます。
私は毎回毎回、このドラマを見て心を震わせていました。
そして、ふと思うのでした。
なぜこんなにはまってしまったのだろう……。
 
「自分で考える」
 
私は常々「自分で考えること。物事の本質を見ること」を、わが子たちに伝えたいと思っています。
このドラマで起きる出来事を通して、視覚で聴覚でビンビン伝わってきた柊一颯の生徒たちへの教えはまさに「自分で考える」でした。
授業の最後の決め台詞は
「Let’s think!」
これだ! と私は深く共感したことに気づきました。
 
今の世の中は、情報が簡単に取れてとても便利です。
でも、その情報が真実なのか自分で確認しなければならず、鵜呑みにして拡散などしてはいけないのです。SNSなどで拡散されたものは、たとえ発信した人が削除したところで消えることはなく、取り返しのつかないことになってしまう可能性があるのです。
例えば「え? マジで?」と思うようなことを知った時、思わずみんなにも知ってもらいたくて拡散したくなるけれど、ここで「本当なの?」と自分で調べてちゃんと確認してからでないと、事実ではないことを拡散してしまうかもしれません。
もし自分でちゃんと確かめていない不確実なことを、独りよがりの正義感でSNSに投稿したとして、それがどんどん拡散されてしまったら……。
その独りよがりの正義感が束になったとき、時に鋭いナイフより人を傷つけるかもしれないのです、
SNSは世界中の人と出会えるすばらしいツールだと思いますが、時に鋭いナイフのように危険なものになってしまうことを知る必要があります。
 
考えてみれば、昔からそうだったのです。
人のうわさなど、自分が見たわけではない出来事をどう判断するかは自分が確認をしなければいけないことだったのです。
ただ、今は当時に比べて圧倒的に情報量は多く、伝わる速度も早い。
そして何よりSNSだと匿名でこれが行えてしまいます。
「言論の自由」という人もいるかもしれませんが、決してなにも言ってはいけないということではなく、その前提として「配慮」が必要で、その行動や言動は、誰かを傷つけてしまわないか、嫌な思いをする人がいないか、こういうことに気を配る、注意を払いながら発信する。ということです。この配慮がなければ、それは自分勝手な行動で、ただの無神経です。
 
世の中は進化し、どんどん便利になり、いろんなことが合理化され、たくさんの情報を早く簡単に入手できて、すごく良い時代であるはずなのに、合理化された分だけ人は豊かになっているのでしょうか?
情報に踊らされ、その内容に一喜一憂してしまう。
合理的にいろんなことを済ませ、忙しく日々の生活をこなしていると、しっかり見なければいけない自分の「今」に目を向けられていなかったり、目に見えない大切なことを見落としてしまいそうです。
こんな時代だからこそ、なんとなくこなす毎日にならないよう、ただ日々が過ぎていかないよう、じっくり考える時間を持つ努力をしなければいけないのではないか……。
その時にいろんな情報を鵜呑みにするのではなく「それ、本当なの?」と疑ってかかりたい。
たくさんの情報から真実を見出し、本質から目を背けず今を生きる! 常に「なぜ?」と自分に問いながら、感情に任せて過ちを犯さないよう、考えて考えて行動したい。
そして、子どもたちにもそうあってほしいと私は願うのです。
 
だから私も言いたい。
「Let‘s think!」
 
 
 
 
***
 
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2020-01-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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