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メディアグランプリ

タイトル:大きな夢なんて必要ない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:大西 栄樹(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「大げさな夢とかって、誰しもが必要ないでしょ?」
 
不意に妻に言われたこの言葉が最近頭から離れない。
 
お正月のSNSの投稿などを見ていると、その一年の目標や夢などの書き初めなど、決意表明をよく見かけた。そういう私自身も、今年の目標を立てようとするタイプだ。
 
2年ほど前から、「やりたいこと100連発」を書いているくらいだ。
これは、やりたいことを100個書いてみるという単純なものだ。仕事のこと、家庭のこと、趣味のこと、実家のことなどなど。「毎月映画を見に行く」などの軽いものから、「これまでやっていない新しい仕事を一つ企画してチャレンジする」などまで様々だ。
 
これを基本的には昨年のものを更新する形で、やれたことを消して、まだやっていないこと、新たにやりたいことを追加していく。この方法は、尊敬する方から教えてもらったのだが、100個書くことがミソだという。
 
やってみると100個書くことがなかなか難しい。50個くらいでネタ切れをおこすのだ。それでも書いていくと自分の潜在意識というか、深層心理というか普段は意識していないことがふと見えてくるのだ。
あとは、視野が広くなる。仕事だけでなく、趣味、家族など様々な観点でのやりたいことが出てくるのだ。
 
書いてもできないと思っていたのだが、半年、一年経つと意外とできていたりするものだ。一度書いていると潜在意識に入っていて、突然思い出したり、書いたことに関係のある情報に触れていたりする。
新しいスマホを買おうと思って、色々と探しているときに、やたらとスマホに関するものが目に入ってくるような感じだ。このような意識しているものが不意に目に入ることを「カラーバス効果」というらしい。
 
こうしてやっている「やりたいこと100連発」なのだが、その先にどんな将来像を描いているかというと、実は明確にはないのが現状だ。
 
今年もこの100連発を更新しようとしたときに、妻とこんな会話をした。
 
「働き始めたら何したい? 将来やりたいこととかないの?」
 
「やりたいこと? 私は特にないよ」
 
私の妻は、通院の関係で今は働いていないが、将来的には働きたいという気持ちはあることは知っていた。ただ、「夢」というまでのやりたいことまではないという。
 
「夢とかさ、これはやってみたいとかないの?」
私はもう少し聞いてみた。
 
「自分でこれをやりたいとかは、あんまりない。それよりも、あなたがやりたいことを応援することがやりたいこと。みんなが、自分のやりたいことだけ持って、そればっかりやっていたら世の中成り立たないでしょ」
 
自分のやりたいことは、応援することだと言ってくれた。私は嬉しかったのだが、それと同時に「夢」ということについて疑問を持った。
 
「夢」というは、自分で成し遂げたい目標やゴールのことだが、いつの間にか、自分が主体となり、自分が何か事を成さないといけないように思ってしまっているように思う。
 
スティーブ・ジョブズがAppleで世の中を変えたように、何か自分が社会の中で何かを成し遂げることを「夢」と呼ぶことが一般化しているように感じる。
その裏側で、スティーブ・ジョブズをサポートしたメンバーがいる。製品のデザイナーや設計者、工場の職人がいる。
 
誰かのために一生懸命応援する。サポートする。そして、その人の夢を一緒に叶えることも十分立派な「夢」だ。このような夢の方が社会の中ではよっぽど現実的で、多くの人に当てはまる。
イチローのバットを作り続けた職人が有名であるように、支える人がいるから大きなことができるのだ。
このような縁の下の力持ちの仕事はなかなか表にでない分、社会の中で目立つことは少ない。しかし、社会を支えるのはこのような仕事だ。
 
「私の夢、目標は、旦那の仕事を応援し続けることです」
とても具体的で素敵な目標だと思う。
 
「夢はいつか、なんか世の中を変えることです」なんて言う人よりよっぽど明確で「夢」らしい。
 
多様性が広まる一方で、夢を持たないといけないという社会的なプレッシャーも働いているように感じる。夢は主体的な目標ではあるが、自分だけで何かを成し遂げることではない。
 
そう考えられたことで、私の将来の夢に対しても気楽に考えられるようになった。今はまだ決まっていなくてもいいや。今のポジションでできること目標が夢だ。それの先に徐々に次の夢が見えてくるはずだ。
 
私の小学生の頃の夢が「プロ野球選手」で、中学生が「パティシエ」、高校生が「教師」だったように、その時々で変わっていくものだ。
私は自分自身で絶対にこれを成し遂げたいというものはないので、人との出会いの中で夢が出来上がっていくタイプなのだろう。
 
将来の夢や目標に悩む人は多いはずだ。しかし、目先のやりたいことで目標を立てて、「カラーバス効果」に期待してみるといいかもしれない。その先にワクワクする出会いが待っていて、自然と夢が出来あがる気がする。
 
これを書きながら考えていると、
今、とても「やりたいこと100連発」が書きたくなってきた。
 
 
 
 
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2020-01-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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