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源氏名由来は【サラ・コナー】

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:sara(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
わたしの副業は、占い鑑定士。
年間600人ほど鑑定している。
 
占いの種類はとても多いが、いまのトレンドといえば「電話鑑定」「メール鑑定」など、占い師とお客様が直接会うことなく、お客様がどこにいても鑑定できるスタイル。
巷の電話占いは、1分350円が相場。不倫相手との将来について2時間以上、しかも毎日のように電話相談する人は後を絶たないらしい。
または、商業施設や観光地に「占いの館」と銘打って、何十人もの占い師が常駐。10分1,000円で、お客様はその日の気分で占い師を選ぶというスタイルではないだろうか。
 
なのに、わたしのお客様は何の迷いもなく、鑑定料5,000円を握りしめてわたしのもとに訪れる。
わたしは直接お客様にお会いして、鑑定書に基づいて約2時間、対面式の占い鑑定をする。
わたしの本業は営業職で、自由に時間を操れるため、本業の合間合間で鑑定希望のお客様に面会して鑑定をする。
 
この占い稼業をかれこれ34年継続しているのだが、最初はじめた18歳のときはとても軽い気持ちだった。
「年金生活に入ったら小銭稼ぎができることをいまから習得しておきたい」と家族団欒中に話したら、その数週間後、母の知人の占い鑑定士(後にわたしの師匠)を紹介された。母は当時、その占い鑑定士に頼っていたので、自分の娘が占い師になれば鑑定料もかからず家族のことを占えるし、一石二鳥と考えたらしい。
母の事情を一切知らないわたしは、占いは無関心だったけど、将来稼げるならやる! と、門を叩いた。
 
そんなわたしに、占い鑑定士(以下師匠)からいつも言われていたことがある。
「鑑定をしたらいくらでも良いからお客様から鑑定料を受け取りなさい」
「あなたの占い鑑定士としての名前を考えてみなさい」
その2つを言われて、師匠はわたしをホントに占い鑑定士にするつもりだなと少し怖くなった。「鑑定料ということはお相手からお金を頂くことよね。今から稼げるんだ!」と単純に期待した。まだ18歳。社会性はないくせに、将来は外人と結婚して海外で生活したいとだけ考えていた。
 
わたしの師匠は、書籍の出版、雑誌のレギュラーページもあり、都内某所の占い館で決まった曜日にはお客様で満杯の超売れっ子。お客様の中には芸能人が複数いて慕われていた。
そんな師匠を恥ずかしい目に遭わせてはいけないということは分かっていたので、自分なりに努力して考えてみようと思いはじめた。
・ 鑑定料:「500円」謙遜した価格でまずはやってみる
・ 名前 :「沙羅」映画ターミネーターの主人公サラ・コナーの大ファンだったから
 
自分の鑑定料と名前を先生に告げた。
「鑑定料はいまのところは良いでしょう。まずは月2〜3人はやってみなさい。また少ししたら金額を見直しましょう。名前は漢字ではなく、サラかsara のほうがいいわね」
 
そんな会話から34年経ったいま。
わたしは書籍の出版、雑誌レギュラーはない。占いの館での鑑定もしていない。
そのかわり年を重ねる度、わたしの社会人としての素養と、占い鑑定士としての素養がいつの間にかシンクロし、通常の会話でお相手の悩みどころを掴むワザを身につけ誰にでも占い鑑定をオススメするようになった。友人、知人、仕事仲間、得意先、誰にでも言っているうちに、鑑定依頼になり、そのあとから紹介や口コミでお客様が増えて、年間600人になった。
 
500円だった鑑定料は、数年後に3,000円に変更し、6年前に5,000円にした。
この5,000円という鑑定料は「3,000円は安すぎる」とお客様からの提案により決めた価格。
 
年間鑑定人数と、鑑定料を倍にすれば、副業から本業にグレードアップできる。
とはいえ、人の占い鑑定はお金で解決できるほど甘くはないということもある。
人は弱い生き物なので、占いでは良い事しか聞きたくない、というお客様も存在する。ホントの事を言われると途端に耳を塞ぐ人はわたしが占い鑑定を習得したときからたくさんいた。
占い鑑定士は、お客様以上に鋼の心と体を持つ必要があるし、人生経験もある程度踏まないと、お客様との関係性がこじれることもある。だからこそ師匠から言われた名前を付けるということに関していえば、強い女性からインスパイアされたものが良かった。
沙羅としたのは、映画「ターミネーター」のサラ・コナーを自分の名前で使えたらゲン担ぎできるかもと思って付けた。今でも使っている。
 
わたしの元には大体が神妙な面持ちで深い悩みを持ったお客様が訪れる。
彼らに良い事も、悪い事もどうすれば聞く耳もってくれるのかを考えていたら、
お客様の喜怒哀楽が全部出るような占い鑑定シナリオを作って解説したらどうなるかなと考えはじめた。
いまは悩んで不安だけど、その数年前、または、これから楽しみや幸せがあるのは分かっている。
占い鑑定士としては、ご自分の人生を理解して、楽しんでほしいというのが本音。
 
鑑定シナリオには、
「驚愕!」「戦慄!」「妄想!」「快楽!」「期待!」「爆笑!」「号泣!」
と、お客様の運命がいちいちビックリマークがつく内容になっている。
お客様は、悶え、号泣し、その結果、幸せな笑顔になって、晴れ晴れとしてお帰りになっていくのが特徴になった。
悩み事をきちんと解決し、その上でワクワクと妄想が膨らむ2時間。
ちょっとした映画のようでビックリしたというお客様もいる。
そういうコメントが糧となって、わたしは
次のお客様の運命もきちんと驚愕させてあげたくなっている。
 
将来小銭稼ぎできれば良い、とはじめた占い鑑定。
シナリオを作るとは夢にも思っていなかった。小銭を稼ぐなら良い事だけ言っていれば何の問題もないではないか。でも、わたしがバーチャルにお客様の人生に入り込んで楽しんだり悲しんだりすることで聞く耳持ってくれることのほうが多いことも事実。ニッチな占いにはしたくないばかりに占い鑑定のエンタメ化をかれこれン10年行っている。
このスタイルのまま継続すれば、きっとわたしの老後には、
小銭以上のもっと莫大な信用と信頼が手に入るに決まってる。
カタチはないけども(笑)
 
 
 
 
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2020-01-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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