メディアグランプリ

あなたに見て欲しい2.5次元作品3選


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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すえはる(ライティング・ゼミ平日コース)
 
目の前がだんだんと暗くなる。
パッとライトが見えたかと思うとそこに立っていたのは漫画で見たあの子だった。
自分の目の前に画面の向こうで何度も見た景色が広がっていた。
息遣いも、熱気も、涙も、汗も漫画やアニメでは感じることの出来なかったリアルがそこにあった。
2次元にしてはあまりにもリアルで、3次元にしてはあまりにも現実味が無い。
そんな2.5次元という世界に私は浸ってしまった。
 
そもそも2.5次元作品とは、二次元の漫画・アニメ・ゲームを原作とする3次元の舞台やミュージカルだ。
実写と何が違うの? と思う人も多いだろう。明確な線引きは難しいが原作にいかに忠実に再現するか、キャラの持つ個性を編集せずに体現できるかという面は大きい。
実写化では時間の都合や世界観の不自然さを無くすための改編が行われることがほとんど。ビジュアルも漫画よりオシャレになっていたり髪の色が変わっていたり、キャラクターの性格や立ち位置も原作とは違ったり。
その点2.5次元は原作の漫画やアニメに忠実に沿う。重力を考えても無理がある髪型も、ギャルもびっくりの濃い化粧とカラフルな眼も、時代を考えても無いであろう衣装でさえ再現する。声色や立ち振る舞いも原作から手を離さない。舞台ゆえにカット割りもコマもないので原作に描かれていない動き、立ち振る舞いをせざるをえない時がある。そんな時でさえキャラクターらしさをにじませ続ける。
 
あえて編集して新しい層を取り入れたり、わかりやすく誰でも楽しめるように見せるのが実写化だとすれば、原作ファンの持つ答えを具現化し、さらにファンがまだ持たない答えさえも提示するのが2.5次元作品だと思う。
 
この世界に足を踏み入れてまだ浅い新参者だが、これまでに観た作品から2.5次元が存分に活かされた作品を紹介したい。
 
① 舞台『弱虫ペダル』シリーズ
熱々のスポ根ならこれ!
 
少年チャンピオンで連載中の、高校自転車競技部を描いた大ヒットスポーツ漫画が原作。アニメ化もされた近年のスポーツ漫画の名作。昨日、夏にジャニーズの永瀬廉さん主演での映画実写化が発表されたばかり。
舞台版で自転車走らすのか〜と思ったそこのあなた! なんとこれ自転車乗りません! ハンドルだけを持ち自転車を漕ぐように足を動かすのだ。ロードレースの道も役者がフォーメーションを変えながらカーブや速度を表現する。正直私も「こんなん無理があるでしょ笑」と思った。見終わればどうだ。ハンドルだけしか無いのにそこには自転車があり、道があり、ゴールに向かいただただ前に進んでいく高校生が見えた。
舞台上の装飾はほぼなく、可動式の台とハンドルのみで表現し、メインの役者も道具を動かしたりと、舞台ならではの少ない装置で最大限に世界を魅せる作品。
夏の映画公開は2.5次元と実写の違いを実感できるチャンスかも。
 
② 舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice
情報技術の進歩と人の人生は相入れるのか? 哲学や推理好きにオススメ!
 
踊る大捜査線シリーズの監督、作家冲方丁による渾身の近未来SFアニメ「PSYCHO-PASS」シリーズが原作。人間のあらゆる心理状態や性格の傾向を分析、数値化できるようになった未来の日本が舞台。シビュラシステムという国全体を包括するシステムに管理されるようになった社会で、「人間とは? 自分とは?」に翻弄されながら正義を問われる刑事たちの話。
2.5次元界には当たり前に使われるプロジェクションマッピングが存分に活かされた作品。原作では描かれなかった刑事課三係に焦点を当てたストーリー。原作には無い物語なのに世界観は完全に再現されている。
こんな舞台の見せ方もありなのか!と気づかせてくれる作品。
 
③ 舞台「刀剣乱舞」シリーズ & 映画「刀剣乱舞」
歴史のifに迫る超大作。歴史SFで重厚な2.5次元作品。刀や歴史好きにオススメ!
 
5周年を迎えた大人気ゲームが原作。ここ何年か一番チケットの取れない舞台だろう。登場人物は国宝指定や偉人たちが所持していた刀剣たち。私たちが知る日本の歴史を刀剣たちの視点で描いていく。
殺陣も本格的で役者たちの所作や演技も神がかって迫力がある。
何より2.5としての可能性を感じるのは「ストーリーの多くが原作に無い」という定義をひっくり返すようなもの。これは原作ゲーム自体に細かいストーリーや設定が盛り込まれていない事、プレイヤーごとに刀剣たちを所持するのが前提になっているため、「舞台は別のプレイヤーの物語である」と原作に対する解釈違いの争いが生まれにくい作品をうまく利用している。世界観の余白を使い、原作、アニメを通ったファンをも唸らす納得度。それでいてキャラクターはしっかりと確立されていて隙がない。何作も作品が出ているが新作が出るたびに深さが増していく恐ろしい魅力である。
「物が語る故物語」というセリフが痛いほどわかるだろう。
 
映画は舞台版のキャストが出演しており、衣装やキャラクター等に改編が見られないため今回は2.5次元作品として紹介する。
足を踏み入れるなら、事前知識なしでも楽しめ著名な俳優さんも出演している映画版からにすることを推奨!
 
どの作品もDVDや有料配信で映像化されているので、舞台まで足を運ばなくても観れるのです。もちろん生で観劇する迫力にはかないませんが……
 
漫画やアニメ、ゲーム。そこには3次元に引っ張れば崩れてしまう世界観やキャラクターがいる。だからこそ2.5次元という次元の狭間でキラキラと輝く。
 
 
 
 
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2020-01-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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