メディアグランプリ

継続のこつ


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記事:奥村洋介(ライティングゼミ平日コース)
 
「5年日記って良いよ」友人に勧められたのは3年前の事である。5年といえば短いように感じるが、1年は365日ある。×5倍の5年にすると1800日になる。そんな回数を毎日書き続ける事なんで出来るわけないと思った。
 
私は過去にダイエットの為にマラソンをしようと決意したことがあったが、雨が降ると終わってしまう。ランニング用に買ったシューズはそのまま靴箱の奥深くに放置されてしまう。早起きして本を読もうなんて考えたときも、寒いと布団から出る事が出来ずズルズルと二度寝してしまい、ギリギリの時間になってしまう。英会話の勉強をしようなんていうのも教材の購入まではやるが、その教材が最後まで終わった事がない。
いままで数限りなく最後までできず途中で終わってきた。そんな私が得意でない文章を毎日書き続けることができるのだろうか。
 
あまりに友人が進めるので、とにかくやってみることにした。まず書く時間を決めた。朝の始業まえの準備の時間だ。5年日記は会社のデスクの引き出しの中にセットした。始業前の5分であれば、毎日ちょっとの時間で良い。会社に置いておけば家族に見られることはない。家族の悪口も思いっ切り書くことができる。例えば飲み会のレシートを机の上に置きっぱなしにして週末に妻に「会社ではこんなに使うのに、私はどこにも連れて行ってもらってない」と文句を言われることもないのである。
 
始業前の5分間で記入する作戦はうまく行った。毎日の習慣にしてしまえば、モチベーションがいらなくなる。そして、職場や家族への悪口も思いっきり書くことができて、朝からすっきりするすることができる。
 
ただ、朝の始業前に記入する作戦には欠点があった。毎週月曜日に週末金曜・土曜・日曜の3日間の日記を一気に書かなくてはいけないという業務が集中することだ。これがゴールデンウイーク、お盆そして年末年始の長期休暇になるとさらに苦しくなる。そこで思い出せない時は1言でも記入すればよいというルールを決めた。
 
このやり方で日記を書きつづけて3年目になる。飽きやすい私にも継続することができたのである。3年つづけてみて、継続のやり方って、この5年日記の書き方のようにすればよいのではないかとふと思った。毎日決まった時間に少しだけでも良いので作業する。作業するのが辛ければペンを持つだけでも良い。ほんの少しだけ行動をすればよいのである。これにはモチベーションがいらない。
 
思い出せば小学生のころ、朝始業前10分だけクラス全員で本を読む時間というのがあった。本は何の本でも良く、好きな本を持ってきて良い。はじめは嫌がっていたクラスメイトも10分読むと続きが気になってくる。次の日の朝の読書の時間が楽しみになってくるのである。いつからか、その10分は静かにクラス全員で本を読む時間となり、本の楽しさに目覚めていくことになった。
 
今では、朝6時からのジム通いを習慣化して2年になる。これも最初は起きれなかったのであるが、朝起きてシャワーはジムで浴びようと決めた。今では午前6時前になると自然に目が覚めるようになった。金曜日の朝はジムが休みの日であるが、朝起きが習慣となったので6時に目が覚めてしまう。その日はジムの代わりに歩いて会社まで行く日にした。これも運動の継続ができたことになる。
 
英会話の練習も毎晩寝る前に英会話の先生とのレッスンを入れることにした。英会話を30分くらい話して、脳のいつも使わない場所を使って疲れさせてから寝るようにした。こ英会話のレッスンも3カ月間続いている。
 
毎日の時間を決めて行動しないと、行動を起こすのにモチベーションが必要になる。しかもその行動がハードであればさらに強いモチベーションが必要となってくる。いつからか、実行しなくても良い理由を作ってお休みにしまうのがいままでの私であった。
 
そこで、継続するためにはいつもと同じ時間に、負担がないちょっとだけ行動をしてみるということである。それも何かをする前とか、した後とか決まった時間にする。そしてその行動はモチベーションが高くなくても実行できるくらいのレベルの設定が良い。
 
そんなことを続けているといつの間にか日記も3年間続けることができた。まさかこの私が続けることができるとは思わなかった。3日坊主の友人がいる場合は、「いつもの時間にちょっとだけ」を試してみることを勧めたいと思う。
 
 
 
 
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2020-01-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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