自分を責めないと、習慣化できる?
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記事:赤木 広紀(スピード・ライティングゼミ)
「中々、決めたことが続かないんです……」
20年に渡ってライフコーチングのプロとして300人を超えるクライアントさんの目標達成や課題解決のサポートを1対1の面談(セッション)で提供してきた。
5000回以上のコーチングで、クライアントさんからよく相談されるテーマの一つがコレ。
「習慣化」だ。
新しいことを始める。
やりたくないけど続けていることを止める。
一人で頑張ろうとするけれど、どうしても続かない、やめられない。
何とかしたい! 次こそは! と意気込むが、1週間続いたら良いほうで、ほとんどはもって3日。中には一日しか続かないこともある。
正直、この習慣化がクライアントさんのテーマになるときは、ちょっと苦手だった。
というのも、僕自身、中々うまく習慣化できなかったからだ。
「え、でも、日記や家計簿を30年近く続けているんですよね」
僕のことを知っている人は、意外そうな顔をする。
そんなとき、
(確かに、その2つはそうなんだけど、それ以外もできているかと言うと、そう全部が全部、うまく習慣化できているわけじゃないんだよね……)
と内心、ため息をつく。
そう、習慣化がうまくいくときと、そうでないときの違いが、よく分かっていなかったのだ。
だが、ここ最近、習慣化の精度が上がってきている。
どうやら、嬉しいことに習慣化のコツをつかんだらしい。
自転車に乗れたり乗れなかったりしていた状態から、デコボコ道では、ハンドルを取られてこけたりするけれど、普通の道では、まっすぐ乗れるようになった子供みたいなものだ。
では、そのなんとなく上手くいったり、いかなかったりというところから、習慣化の精度が高まってきた要因は何だったのか?
それは、「習慣化が上手くいかないときも自分を責めない」ということ。
今までは、「よし、明日からこれをしよう!」と決意したことができなかったりすると、「また、決めたのにできなかった。オレはやっぱり意思が弱いんだ。なんでいつもいつもそうなんだ。続いた試しなんて何もないよね……」と自分で自分を責めてばかりいた。
あるとき、「そうだ、上手くいかなくても自分を責めることを止めてみよう」と思い立って、決めたことができなくても、「なんで自分は……」と責めるのを止めてみた。
すると、面白いことが起きた。
そう、少しずつ習慣化ができるようになってきたのだ!
では、どうして自分を責めるのを止めただけで、習慣化ができるようになってきたのか?
自分を責めるのも、「次こそは!」と自分を発奮させることで、ヤル気を起こさせようとする、言わば「愛のムチ」のつもりだったのだ。
だが、実際は、単に自分で自分を傷つけて、ヤル気という血液が出血多量で貧血になっていただけだったのだ。そりゃ、継続する力なんて残ってない。
自分にムチ打つのを止めたことで、ヤル気の出血がようやく止まったのだ。
ヤル気の貧血が治まったら、何かを続ける体力も気力も回復する。
そして、続ける回数が増えれば増えるほど、習慣化しやすくなるのは間違いない。
習慣化の精度が上がってきたことで、もう一つ気づいたのは、自分はものすごく完璧主義だったということだ。
だから、一回の決意で上手くいかなかったら、「自分はダメだ」と強烈なダメ出しをしていた。
でも、赤ちゃんが、1回のチャレンジで自分の足で立てるようになるだろうか?
当たり前だが、そんなことはあり得ない。
何度も何度も立とうとしてはコケて、また立とうとしてはコケる。
この、「立ってはコケ、また立ってはコケ」を、それこそ数えきれないほど繰り返し、だんだんとコツをつかんで、あるとき、フッと立てるようになると、今度はコケることのほうが珍しくなる。
習慣化も全くこれと同じだ。
一回でそもそも習慣になんて、なるはずはない。
大事なのは試行錯誤しながら、改良し続けること。
そう。新しい習慣を身につけようとするのは、赤ん坊が立とうとするようなもの。
親は、赤ちゃんが何度コケても「頑張れ、頑張れ!」と励ますように、新しい習慣を身につけるのに必要なことは、ダメ出しではなくて、やり続けようとする自分を励まし、応援し続けることだったのだ。
続かない自分を責めることを止め、新しい習慣を身につけようとする自分を応援する。
例え、すぐに上手くいかなかったとしても、温かく見守る。
あなたの中にも、習慣にしようと頑張っている小さな赤ちゃんが必ずいる。
どうか、その小さな赤ちゃんを虐待せず、暖かく見守って、応援してあげてほしい。
きっと、その赤ちゃんはすくすく育って、あなたに「習慣化」という喜びを与えてくれるだろう。
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