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さよなら転職エージェント


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山本和輝 (スピード・ライティングゼミ)
 
 
「あなたのポジションは無くなることが決まった。だから来月までで退職をしてほしい」
会社からの三行半、用無しの烙印を押された瞬間だった。
 
2008年のリーマンショックで外資系では軒並みリストラの嵐が吹き荒れていた。
自分の会社でもきっとくるだろう、そう内心は思っていたし、会社都合で特別退職金をもらうのも悪くはないと思っていた。
 
しかし、いざその言葉を聞くと心が揺らいだ。
体の芯がズーンと重くなって、後ろに引っ張られるような感覚。
お前は必要のない人間だと言われたそのショックは、思いのほか重かった。
 
私は、それまでも何度か同じような経験をしてきている。いわゆるコンピュータ関係のベンチャービジネス畑を渡り歩いてきたからしょうがないとは思っている。
最初は90年代のバブル崩壊での会社倒産、次はライバル企業との競争に負けて企業解体、そしてリーマンショックでのリストラ、その時代の波にずいぶんと翻弄されてきた。
 
会社が無くなったり、辞めるたりすることになると、当然転職をしなくてはならない。
そのようないつ来るかわからない波乱のために、私は常に履歴書と、職務経歴書はアップデートして準備はしていた。そして当然のように転職エージェントにも登録し、機会があれば話を聞いたり、時には会社へ面談に出かけることもあった。
 
しかし、エージェント紹介の案件は、ほとんど上手くいった試しがなかった。
 
転職エージェントは、人を紹介して採用されると、その人の契約年収の40%や50%、多いときは100%など結構大きな成功報酬を得る商売だ。でも、私に声をかけてくるエージェントは、私が書いた職務経歴をさらっと目を通しただけで、クライアントにその書類を投げるだけなのだ。
要するに数打ちゃあたる方式で上手くいけばマッチングするし、だめなら仕方ないと思っている。要は私の人生なんて知ったこっちゃ無い。そんな雰囲気をプンプンさせた若造外国人ばかりだった。
 
あるエージェントが、私が前職での取り引き会社の担当者の部署を強烈に勧めてきたことがあった。私は、直接知っている相手だし、どういったニーズがあるか双方の要求を会って確かめるのであれば、面接をセッティングしてもらってもよいと伝えていた。
しかし、いざ面接に行ってみるとそのような事前情報は相手先に全く伝わっておらず「え、なんであなたがここに?」的な反応をされて困惑したことがある。
しかも、コンピュータソフトの仕入れの担当者の募集と聞いていたのだが、ソフトのカテゴリーがアダルト分野のもの、いわゆるエロゲーだったのだ。
何でもエロゲーの販売は、オンラインでは結構なニーズがあって他の分野の数倍は利益が出るのだそうだ。いわゆるECストアの稼ぎ頭ということらしい。
しかし、私はエロゲーに人生を費やすつもりは毛頭なかったし、双方のニーズがマッチしないということで、結局面接も途中で中断することとなった。実に不幸で後味の悪い面接だった。
 
また、あるコンピューターメーカーの面談を受けに行った時のことだ。面接官はアジア太平洋地区のジェネラルマネージャーと名乗っていたが、とても横柄な態度でこれは圧迫面接か? と思うような言動だった。私の望むようなお互いを理解するための会話が全く成り立たない。当然私もお断りの意思だったし、案の定相手からも不採用の連絡が来た。
 
なぜ、人は採用面接となると、人を上から目線でジャッジしようという態度になるのだろう?
私にとって転職サイトや転職エージェントで良い思いもしたことは一度も無い。
結局のところ、私の過去の転職は全て、仕事上の知り合いや取引のあった相手、昔一緒に働いていた人が紹介してくれたことがきっかけで入社している。
 
最近では、リファラル採用など過去に一緒に働いた人たちにインタビューして、採用の有無を決める恐ろしい採用方式が最先端らしい。結局のところ、日頃の人間関係と、信頼を地道に育てていくしかないのだろう。
 
私は今、57歳になり定年までついに3年を切り、用済みの烙印を押されかけている身である。そして、昨年の12月中旬には経営者から来年度は関連会社への異動を内々で宣告された。わかっていたことではあったが、戦力外通告をされたその日は、それ相応な精神的ダメージを受けひどく落ち込み、行き場のない怒りも感じた。
 
ほどなく私の心の中には、ここで終わってたまるかという気持ちが沸き上がった。
そして自分の周囲の友人に真剣に職探しの相談をし始めたのだ。
 
そうするとどうだ。
 
動き始めてすぐに、ある友人が勧めてくれる仕事が出て来たのだ。
 
それは、ここ数年積み重ねてきた私の経験と知識、人脈が生かせるポジションで、願っても無い内容だった。そして、友人はその会社の社長とも引き合わせてくれた。
社長とも話が合い、彼がやりたいことと私の望む方向性もピッタリ合っている。実に幸運な出会いだ。久しぶりに本音から、全力を尽くしてやって行きたいという気持ちなれた。
 
しかし、動き出して内定するまでわずか一ヶ月。このスピード感は一体何なのだろう?
 
やはり、今回の引き合わせにも、私の悩みを聞いてくれた25年来の友人の存在があった。
この幸運はたまたま起きたに過ぎないのかも知れない。でも、人間本当に困った時には誰かが助けてくれるものだと痛感した。私は、過去の転職を導いてくれた人たち、そして今回機会を作ってくれた友人との素敵な関係、巡りあわせにあらためて感謝している。
 
今から50台を迎えるサラリーマンの皆さんへ伝えたいことがある。
よほどの目立った功績やポジションが無ければ、50歳以上の転職はとても難しくなる。履歴書ではじかれて、面接さえしてもらえなくなるのだ。
その時、本当に救ってくれるのは社外の人間関係でしかないと思うのだ。転職サイトもエージェントも役に立たないことは無いだろう。しかし、彼らは心の底ではあなたの人生には無関心だ。遅くとも45歳以降、社外の人と仕事や、プライベートでの交流機会を沢山つくり、お互いに信頼、尊敬できる人を見つけて欲しい。きっとその中で、本当にあなたが困った時に助けてくれる人が現れるはずだから。
 
 
 
 
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2020-02-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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