オスカーが遂に海を渡った
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【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:山田THX将治(ライティング・ゼミ書塾)
先程のことだ。
世界中の映画界が注目するアメリカアカデミー賞の作品賞に、韓国映画の巨匠ホン・ジュノ監督作の『パラサイト 半地下の家族』が輝いた。
これは、歴史的快挙なのだ。
アカデミー賞は、アカデミー会員による投票で各賞が決まる。その会員のほとんどが、アメリカ人又は、アメリカで映画の仕事をしている人だ。会員には勿論、外国籍でアメリカ以外の映画を作っている人もいる。例えば、日本人でも故・黒澤明監督が会員であった。
アカデミー会員と成るには、会員の強い推薦が必要だ。したがって、アカデミー会員であるということは、アメリカで『映画人』と承認されたようなものだ。
実際に、アメリカで映画を撮ろうとすると、アメリカ以外の国とはその習慣が大きく違ってくるらしい。例えば、アメリカの映画界では、撮影は週休2日だ。しかも、余程の事情を除いて撮影は午前9時から午後5時までと決まっている。これは、強い影響力が有る俳優協会がまるで労働組合の様に立ちはだかっているからだ。これにより、アメリカでの俳優稼業は、仕事にありつけさえすれば、ブラック企業で働くより待遇が良くなる。
また、制作側だけでなく出演する役者の勉強だって、かなりの有名大学で履修することが出来る。有名なところでは、マット・デイモンは、ハーバード大学出身だ。最近では、『ドクター・ジョーンズ』として缶コーヒーのCMに出ているトミー・リー・ジョーンズも、ハーバード大学で英文学を学んでいた。
これは余談であるが、トミー・リー・ジョーンズがハーバード在学中のルームメイトは、後の副大統領のアル・ゴア氏だった。そうなると、何か一つ間違えれば、ゴア氏が缶コーヒーを宣伝していたかも知れないし、トミー・リー・ジョーンズが、大統領選に出馬していたかも知れない。
絵空事に違いないが、想像しているだけで嬉しくなるものだ。
元々、映画、特にアメリカ映画は、観ているこちらが楽しく元気付けられるものが多い。映画が何事よりも好きな私は、そんなアメリカ映画を子供の頃から親しんできた。何度も、アメリカ映画で元気付けられてきた。
当然の様に、アメリが映画の祭典であるアカデミー賞、特に作品賞は、これまでアメリカ映画が席巻していた。例え、外国資本が入った作品であっても、全編英語で綴られるものだった。
唯一の例外が、2011年にアカデミー作品賞を受賞したフランス映画『アーティスト』だった。しかし、この作品はサイレント(セリフ無し)で仕上げられているので、作品賞の牙城は保たれていた。
しかもアカデミー賞には、海外(アメリカの)の映画向けに、外国語映画賞という部門が設立されている。日本映画でも、黒澤明監督や稲垣浩監督といった有名監督達の作品が、外国語映画賞に輝いている。最近では、2008年に滝田洋二郎監督の『おくりびと』が受賞している。
これは、外国映画を字幕上映で観る習慣が有る日本では考えられないことだが、吹き替え上映となるアメリカでは、外国映画はそのクオリティ―が損なわれることもあり、高く評価せれること自体が稀だった。
ところがだ、本日(2020年2月10日午後・日本時間)に発表された本年度のアカデミー作品賞には、韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が輝いたとの発表が有った。これは、歴史的快挙なのだ。
何故なら、『パラサイト 半地下の家族』はサイレントではないからだ。全編、ハングル語のセリフで語られているからだ。
ということは、史上初の外国語で綴られた映画の作品賞受賞となったのだ。
これは、隣国の映画であっても快挙というしかない。
残念ながら『パラサイト 半地下の家族』は、明るいテーマの作品ではない。アメリカ映画ではないからだ。しかも、物語が入り組んでいて“ネタバレ”を警戒するあまり、立ち入ったことを語る訳にはいかない。
ただ、今回のアカデミー賞作品賞受賞で、上映が継続されるはずだ。
なので、史上初のアカデミー賞作品ということだけを記憶して、是非、一度映画館へ足を運んで頂きたい。
そして、半年ほど経って“ネタバレ”を気にせずに済むようになってから、課題読書会ならぬ課題感想会を開きたいと思っている次第だ。
その節は、是非、御参加下さい。
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