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ワイヤレスイヤホンの意外な使い方


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:奥田陽子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「まるで宝石みたい」
去年の夏、転職の合間にできた大人の夏休みを楽しんでいた時のこと。デンマークの首都コペンハーゲンにあるBang & Olufsenというお店で、ワイヤレスイヤホンを見せてもらった時の感想である。音へのこだわりはもちろん、そのデザイン性で人気のお店“らしい”
“らしい”というのは、それまでの私はステレオにさほど興味もなく、デザインセンスもないからピンときていなかったからである。
 
「ピンクのをいただきます」
いつもは、黒や赤などはっきりした色を好むのだが、モデルさんみたいな金髪碧眼の男性店員さんとお話ししているうちに、浮かれたのか、急に冒険がしたくなり、普段選ばない可愛い系のピンクのワイヤレスイヤホンを購入してしまった。海外で購入すれば免税を受けられるのも魅力だと自分に言い聞かせて。
 
充電ができるケースに両耳のイヤホンを収めると、まるで高価な宝石をケースに収めたような感覚に陥る。閉まるときの音がまさに宝石ケースとそっくり。全体の佇まいも電子機器とは思えない。ちなみにケースは皮で出来ている。
 
「でも高いでしょ?」
その通り。ワイヤレスでないイヤホンなら100均のお店でも買えそうな今日この頃。何のためわざわざ高いものを買うのかわからない。使用したことがない人がそう考えても不思議はない。
 
「そもそもそんな高価なもの、落としたらどうするのか?」
それは本当にその通り。イヤリングでも毎日つけていると片方を落とすことは結構あり、何度必死で夜道を探し回ったことか。片方を落とすと、どんなにお気に入りの品でも使えなくなり本当に寂しい思いをする。ワイヤレスイヤホンは、その名の通り“ワイヤレス”で何も引っ掛けるものがない。命綱なしで崖を登るのと同じように感じられる。
 
そんな私なので、ずいぶん思い切って高価な買い物をしたはいいけど、最初は使い方もよく分からないし、外で使用したら落としそうで怖かった。
最初は全く使えずにいたのだが、ある時思いついて室内で使用することにした。室内ならば、落としても故障につながりにくく、紛失の危険もだいぶ低くなる。
本番前の練習みたいなものである。
 
室内で使ってみると予想以上に快適である。なぜならば、料理や掃除といった移動を伴う作業をしながらでも自由に音楽やラジオを楽しめるからである。それならば、有線のイヤホンをiPhoneにつなぎ、ポケットに入れればいいじゃないか? 確かにそれは可能だけど、掃除中はイヤホンの線が引っかかるし、ポケットからiPhoneを落とす危険もある。その点、本体は安全なところに置いて、離れたところで作業も出来るこの方式は安心である。
 
耳元で音がうるさいドライヤー使用中でも、耳に密着しているせいかちゃんと音が聞こえる。
絶対に注意しなければいけないのは、便器掃除の時だろう。もしも別器に落っことすと小さいので、携帯電話より悲惨なことになりそうだ。
 
別の長所としては、騒音対策になることである。一人暮らしで壁の薄い部屋に住んでいると、自分が聴きたい音楽が近所迷惑にならないか心配になる。素晴らしいステレオを持っていたら、音を響かせて聴きたくなり、それは隣の部屋まで伝わってしまうリスクを伴う。しかしワイヤレスイヤホンなら自分の中で完結しているのでその心配は全くいらない。耳の外に音がほとんど漏れないのである。
 
それだけでなく、人の騒音も気にならないのが面白いところ。隣の部屋の住人が大声で笑う人でも、足音がうるさくても、テレビを大音量で見る人だったとしても、ワイヤレスイヤホンを耳に入れていると全く聞こえないのだ。集中して勉強したり、天狼院の課題提出のために文章を書いている時も集中できる。
 
「集中して資料を作成したい時には辻井伸行さんのピアノを聴くとうまくいく」
というのが私の最近の流行りである。
ある時、ワイヤレスイヤホンが充電中のためにiPadからの音源を直接聞く機会があった。
あれ?いつもと音が違う…
 
何のことはない、空気を振動させて音を感じるというこれまでの方法に戻っただけである。それなのに何か物足りないような、音の美しさが十分感じられないような。
そうか!私の耳はすっかりワイヤレスイヤホンの音質に慣れてしまったのだ
確かにワイヤレスイヤホンによる「耳に直接届く」この方式は、かなり高い音質を届けてくれるのだと改めて分かった。
 
こんな高価なもの、意味があるのか?と半信半疑で使用していた私が、すっかりワイヤレスイヤホンの虜になってしまっている。 一人暮らしの部屋でも騒音を出さず、また人の騒音に悩まされずに過ごすことができる。室内であれば、紛失の心配も低い。
 
室内で十分練習したおかげで使い方もだいたい分かり、落とさないためにはどうすればいいかも体得できた。いい音を外出先でも、という欲望に負けて最近は外出先でも使用している。
いや、それが本来の使い方であるが、私の場合は総使用時間の8割が室内、2割が外出先かもしれない。
 
ワイヤレスイヤホンって線がないイヤホン、というだけなのに何か自分がとても自由な気分になれるのが不思議。
 
 
 
 
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2020-02-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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