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My little teacher

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:和田 誠司(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
子供は実に面白いし、本当に良い先生だ。
 
保育園の参観日に行ってきた。
保育園の先生は私にこういった。「保育園に来てから、子供は仕事をずーっと続けていますから、ぜひ見てあげてください」「ただ、お父さんがいるとわかるとソウちゃんが仕事ができなくなるので、声を出さず、マスクと帽子をしていてくださいね」これが参観の条件だ。
「仕事? どういうことですか?」頭の固い私は、先生の言葉に引っかかった。
「ほら、子供たちがもう仕事を始めていますよ。見に行ってみましょう」
私は半分疑いながら、外に行ってみた。すると。
 
「これなんに見える」
「うーんなんだろう、有楽町線っぽいよねー」(おいおいおニッチだな。我が息子よ)
「いやいやケーキだよ」
私が、ほうほう、何でしょうかねとのぞき込むと、なんとそこには! 一枚の木の皮が、その子の手にあったのだ!!
はー、子供の想像力とはすごいものだな。私は、なんと頭が固いのだ。先制パンチをもらった私の心はウキウキしていた。
別のところに目を向ければ、かっけっこしている子たちがいた。「きゃははは」かけっこと言っても、争わず、一緒に笑って走っているだけ。それでも、とても楽しそうだった。
もう一発パンチをもらってしまった。
一緒に体験をしているだけで、素晴らしいことではないか。仕事での考え方が違うとか、仕事ができるできないとか、随分と私は人を受け入れないようにしているな。子供は本当に受け入れる力が高いな。何よりも、子供は今を全力で生きている。一つ一つに真剣だ。その真剣さの中で、自分たちを成長させている。
だから、遊びを仕事というのか! 楽しそうに見ている私を見て、先生もニコニコしていた。
子供たちの姿を見て、嬉しさがあったが、一つの疑問が生まれた。
「あれ、私はどうだっけ。どこかで時間が無限にあると思っていないか。こんなに自分の成長に貪欲・・・・・・・・・?」
 
「さーみんな教室に戻ってー!!今度はお部屋で遊ぶ時間ですよー」元気な先生の声が聞こえてきて、私は現実世界に呼び戻された。いそいそと教室に戻っていく子供たちに続く私。
「かーみんなしっかりと言うこと聞くもんだなー。我が子もちゃんとしているよ。強く言わなくても、必要なことが伝わっていれば、ちゃんと言うことを聞くんだなー」と感心すると同時に、ふと自分のことを考えた。
「あれ、私は人に伝わらない時、ちゃんとその人に理由を言っているか、その人に必要と思われるように努力をしているか」もう一発パンチをもらった。
 
教室に戻っても子供のエネルギーは変わらない。自分たちのやりたい仕事をしっかりと続けていた。一人で遊ぶ子もいれば、チームプレーで一緒に遊ぶ子もいた。みんなそれぞれ楽しそうで笑顔が絶えなかった。
ガーン。私はもう一発パンチをもらった。「私は一体感、一体感っていつもいっているけど、それってぜんぜん相手のことを思っていないじゃん。相手のことを認めていないじゃん」
 
少々グロッキー状態の私をよそに、給食の時間がやってきた。子供たちのテンションは一段と上がっていた。
ガーン、ガーン。立っていることがやっとの私に、息子は追加のパンチをくれた。ちゃんと自分で手を洗い、いただきますと言い、エプロンをつけて食べ始めたのだ。家では一度もやってくれていないのに!! さらにさらに、野菜をパクパクと食べ始めているではなないか!? 思わず「えー! 野菜食べているよ!」と声を出してしまった。
私の頭は混乱の極みに陥った。もう完全に頭の上に星が回っていた。ただ、私は、困ったことに嬉しさを覚えていた。
子供の成長とは知らないうちに進んでいるものだ。
 
混乱と嬉しさを行ったり来たりしている私の横に、気がつくと園長先生がいた。
「子供たちはね、なんでも吸収しようとしているんですよ。そのために、頭と体を全力で使っているんですよ。だから、大人が知らないうちにびっくりするくらい、成長をしているんですよ」ニコ。この人は私の心を読めるのか!と同時に、締めのパンチをもらった。この園長先生の言葉で、カンカンカンカーン。ゴングがなった。ノックアウトされた私は天井を見上げながら自分のことを考えた。
 
子供たちはスポンジだ。仕事を通して、どんなことでも一度は受け入れて、不要なものは吐き出し、残すものは残していく。
私は軽石だった。どんなことも吸収しているようで、実はなんにも受け入れないようとしない。頑なに自分の考えを守ろうとしていた。私も子供たちの姿勢を見習って、スポンジになりたいと思った。自分で自分の可能性を信じ、全力で成長していこう! 保育園を後にした私は、そのことを強く心に誓った。
 
 
 
 
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2020-02-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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