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しんどい子育ては、しなくていい


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記事:隅倉 文子(ライティングゼミ・日曜コース)
 
 
「母乳が赤ちゃんの成長に一番大事ですから、できるだけ母乳でそだててくださいね」
妊娠中にある母親教室で言われた言葉である。
 
でも、出産して看護師さんにこういわれた。
「母乳だけで、育てようと思わないでくださいね。」
なぜなら、私が、双子を産んだからだ。
 
37週で産んだのだが、その時、1900gと2300gの赤ちゃんだった。
あわせて4200gだから、そのくらいの体重の新生児は、いるらしい。
けれど、身長は、44cmと45cmであわせて89cmだから、そんなに大きい新生児は、たぶんいない。
彼らにとって、私のおなかの中は、狭すぎた。
だから、多少、小さくてもこの世に出すことになった。
結果、一人は、未熟児でNICUに入院することなったし、もう一人も入院こそ、まぬがれたが、新生児のなかで一番小さい赤ちゃんだった。
 
小さく生まれたから、看護師さんは、母乳だけで育てようとかんがえないでねと言われたと
思う。
 
まず、大きくすることが大事らしい。
二人ともミルクは、よく飲んでくれたので、順調に育ってくれていた。
 
小さく生まれた長男とちょっと大きく生まれた次男を比べて、同じくらいになったらいいなと思い、長男にミルクをあげすぎたことあった。
 
地域の保健婦さんが自宅に訪問してくれたときに、体重の増え方をみて、
「ちょっと増えすぎじゃない」
大きくなってほしいと与えすぎると、肥満因子ができて、結果肥満児の子どもに育つらしい。
 
次男の成長曲線と同じでいいらしい。
 
二人とも、すくすく育ってくれたのに、検診へ行って、他の子よりも、できてないことに
残念に思っていた。
小さく生まれた長男は、首がすわるのも、寝がえりするのも、おすわりも、ハイハイも遅かった。
保健婦さんは、双子で小さく生まれていることを知ると
「仕方ないですね。もし、心配でしたら、来月また来てくださいね」と言われた。
 
ちょっと時間がかかるだけで、時間がたてば、いつのまにかできていた。
だけど、保健婦さんに「大丈夫」と言われたくて、再検診に行っていた。
母子手帳に発達発育良好と書かれて「よかった」と胸をなでおろしていた。
 
こんなことを繰り返して、余裕のないわたしとは違い、夫は、時間があれば、写真を撮ってくれた。
今、見ると、とても、申し訳ないが、私と子どもたちの写真は、たくさんあるが、夫の写真は、数えるくらいしかない。
 
今だったら、もう少し、かんたんに写真を撮れるけど、数年前までは、「写真を撮る」って余裕がないとなかなかできなかった。
 
息子たちが、1歳を過ぎて、歩き始めてから、ますます育児がしんどくなってきた。
ダイエットなどしなくても、体重が減っていくのである。
と同時に体力が落ちていく。
「しんどい……」
私は、母に相談した。
母の返事は、
「○○保育園は、一時預かりしてくれるみたいよ」だった。
 
ちょっと、びっくりした。
やっぱり「預かる」とかは、ないんだなと思った。
 
でも、後日、この事を聞いたとき、
「最初、相談したとき、どうして保育園をすすめたの? 」
「だって、一人だったら、預かろうと思うけど、二人は無理って思った」と言われた。
母にも、無理を言わずに済んだことによかったと思っている。
 
早速、保育園に行って、いつなら、一時預かりしてもらえるか聞いてみた。
園の行事のない日は、予約可能だそうだ
 
保育園に行って、私が帰るとき、大泣きするかと思ったけど、二人でいるせいか、二人とも泣かなかった。
 
その上、保母さんに
「お母さん、美味しいもの食べに行ったり、買い物したりして、ゆっくり自分の時間を過ごしてくださいね」と言われた。
 
私は、用事があって、やむを得ずではなく、自分がしんどいから、という理由にちょっと罪悪感をもっていた。
でも、保母さんの一言に救われたような気がした。
 
しばらく預けて、一時預かりではなく、入園することにした。
面接のとき
「仕事してないですね」と言われたけど、
「預ける先もきまってないのに、仕事探せませんよ」と言った。
 
双子じゃなかったら、仕事も決まってないのに、「保育園に入園させたい」なんて思わなかったかもと思う。
そもそも、仕事もしてないのに、保育園にいれる必要ないだろうと言われるだろう。
 
結果、双子だったおかげで、ちょっとラクな道を選ぶことができた。
そして、2歳児クラスから通うことになった。
 
双子であるからこそ、選んだ道だったような気がする。
逆に、一人だったら、耐える育児をしているかもと思った。
 
最近、ある人からこんなことわざを教えてもらった。
日本では、
「他人に迷惑をかけてはいけない」と教えられる。
でも、インドでは
「人は迷惑をかける生き物なのだから他人のことも許してあげて」と教える。
 
私は、双子だったから、大目に見てもらえたような気がする。
 
でも、多くの母親たちが、もう少し、楽になれたらいいのにと思っている。
 
 
 
 
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2020-02-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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