メディアグランプリ

「Twitterという時間泥棒を愛しすぎた僕が求めているもの」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:小林 克秀(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
僕がTwitterを使い始めたのは3.11の震災の年。2011年なのでもう9年目になる。
始めた動機はあの震災の時でも情報収集がしやすく、連絡手段としても有能だったこからだ。
そして他のSNSと比べて気軽に使えることも僕としてありがたかった。
 
あれから9年が経った今、あの時ほどのことは幸い起こっていない。
なので日々の出来事とともに知り合いのツイートを見ながら楽しんでる。
フォロワーさんのツイートを見るとその人が何を考えていて何に興味があるのかがすぐ分かる。
車や電車、カメラ、音楽、芸能人、旅行、面白動画など見てて飽きない。
 
例えば電車遅延が起きていたらTwitterの検索で山手線と検索すれば何で遅延しているのかもすぐに分かる。何よりその状況下にいる人がツイートしているのが面白い。
会議に遅刻しそうな人もいれば、トイレを我慢している人もいる。遅延していることに気付いていない人もいる。同じ当事者達なのに沢山の人間模様がある。
 
トレンドをみれば今話題になっているニュースもすぐに見れる。しかもニュース番組以上にリアルタイムに情報が分かる。これは普段テレビを見ない僕からしたら本当にありがたい。
 
なによりFacebook、Instagramのように綺麗事抜きの本音が見えるからいい。
Facebookは実名だから変なことは言えない。実名というメリットはもちろんあるけれど、本音を隠した自分やリア充な自分ばかりが目立って僕は好きではない。Instagramは匿名だけど見ためが良ければいい傾向が強い気がする。そこから生まれた文化がインスタ映えだ。自分はこんな映えるる写真も撮れるんだよ。すごいでしょ! 僕には意味不明でしかない。
 
Twitterでもバカッターと言う世間を賑わせた人達がいる。そんな人達は100%叩かれ、炎上騒ぎにもなった。場合によってはニュースにもなるほどだ。
 
それでも綺麗事は少なく本音でつぶやいていることが多い。嫌な気分になることもあるけど見ていて悪い気はしない。僕は回りくどい言い回しが嫌いだからズバッと本音で言っているのが、見てて爽快に感じているのかもしれない。Twitterの常に「リアル」なことが僕は好きだ。
 
それでも最近思うこともある。
それはあっという間に時間が過ぎることだ。
僕は歳を取ったから? とかではない。Twitterは見ている僕らの時間を奪い続けている。
気付いたら30分も過ぎていた。なんて日常茶飯。
休みの日にボーと眺めているだけで1時間なんてあっという間に過ぎてしまう。
 
僕はTwitterを「時間泥棒」と思っている。
 
だから見る時間を決めたり、少しだけ見るなどを決めないと気付いたらもうこんな時間! と言うこと結構ある。
人は集中していると時間が過ぎるのが早いと言うが、別に集中しているわけではない。ただボーとみているだけで時間が過ぎてしまう。
 
時間泥棒のTwitterを辞めたいと何度も考えた。スマホからアプリも消した。でも3日ぐらいで少しだけなら……。という気持ちが芽生えて結局またアプリをスマホにダウンロードしていた。
もう中毒と言ってもいい。世間を騒がせたバカッターはいたが、自分を上手くコントロールできないバカッターが僕である。炎上しないだけまだマシだ。
 
そこまで分かっていながら自分がTwitter中毒者である自覚を捨てきれないでいた時にあることを思い出した。
 
それはノルウェーの公共放送局が暖炉で薪が燃えるだけの動画を延々と12時間を流して、なんと20%の高視聴率を叩き出した。視聴率の高さも驚いたけど、12時間延々と薪が燃えるだけの動画を流した公共放送もスゴイと関心した。
 
人の行動心理は僕には分からないけど、僕も焚き火や暖炉の燃える火を見るのは好きだ。あったかいのもそうだけど落ち着くというか、心が穏やかになる。
 
最近はキャンプがグングン人気が出てきていると聞くようになった。ソロキャンプというお一人様キャンプも人気らしい。都会に疲れた人は自然を求める人が多い。僕もその一人だけど都会人はマイナスイオン、オアシスと言う名前に弱い生き物だ。断言できる。
 
人は自然の中で生かされる。だから焚き火に心を奪われるのかもしれない。
旅行のパンフレットで海岸で焚き火をしている写真を見たことがある。なぜかそんな1日を過ごしてみたいと思ったりもする。
 
夕方近くに浜辺でゆっくりしていると、太陽が海に飲み込まれるように沈んでいく姿を見ることができる。それまで青かった世界がオレンジ色に変化して1日が終わる。その時間の赤、オレンジ、黄のコントラストの世界がマジックタイムと言われる日没後わずかしか見れない貴重な時間。
 
その時間を静かに眺めていられる。そっと涙を流す人もいるかもしれない。
その一瞬を嫌いな人を僕は知らない。
 
静かに、穏やかに過ごせる時間はとても大切だ。それが焚き火なのか、夕陽なのか、Twitterなのかは人それぞれだと思う。そして毎日忙しく働く中で、無意識のうちに没頭できる時間、心穏やかに何も考えないでいられる時間を僕はTwitterに求めていたのかもしれない。
 
 
 
 
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2020-03-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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