メディアグランプリ

料理動画は魔法の鏡


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:さとう(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「おかえりなさい!」
家に帰れば妻が美味しい夕食をつくって夫の帰宅を待っている、世の男性が理想とするであろうシチュエーション。私もそんな理想を実現すべく、結婚して早々、夕食づくりを頑張りました。しかし、独身時代から外食ばかり。そもそも自炊の習慣がなかった私が、その理想を実現するのは程遠く……。食卓に出るのは、出汁の味がしない味噌汁や、中が焼けていない鶏肉の炒め物などなど。料理教室に通って少しは上達したが、つくれるのは、片手で数えられる程度。夫もまさか、妻をキッチンに出入り禁止にさせる日が来るとは思わなかったことでしょう……(本当にごめんなさい)。
 
きっとここまでではないにしても、料理に苦手意識を持っている方は多いのではないでしょうか。私の場合、料理が原因で、早々に結婚生活終了の危機(!?)を迎えましたが、そんなピンチを救ってくれたのが「料理動画」でした。
 
料理動画というのは、料理が完成するまでの行程を映した動画のこと。30秒〜1分程度の長さにまとめられていて、短時間で調理の要点をつかめるのが特徴です。文字だけのレシピよりも、はるかに多くの情報量を伝えられることから、初心者にもわかりやすいと言われています。
 
例えば「塩少々」「炒めた野菜がしんなりしたら」と言った、料理のレシピでよく登場する、初心者泣かせの曖昧ワード。これも料理動画にかかれば、あら不思議。望ましい分量や、しんなりとした状態を、映像でわかりやすく教えてくれます。今までは「少々」が出て来るたびに「何グラムかで教えなさいよ!」と腹を立てていた私も、これに助けられ料理で失敗することがぐっと減りました。
 
そして何より大きかったのは、難しい料理に挑戦しなくなったこと。動画だと、その料理を作るための行程を一通り映像で見せてくれるので、難易度が一目瞭然なんです。以前はレシピの完成品を見て「美味しそう!」と思ったら、即チャレンジ。半熟卵や肉汁溢れるハンバーグなど、いわゆるインスタ映えする料理に惹かれていました。しかしそういう料理に限って、調理器具の違いが結果に影響したり、完成までの行程が多く、どうしても失敗する可能性が高まってしまったりと、落とし穴だらけだったんです。
 
今は料理をつくる前に動画を見て、どんな食材を使って、どの程度手をかけて準備しなければならないのかをしっかり確認しています。それによって、自分につくれる料理なのかどうか、冷静な判断ができるようになりました。「大切なのは“映え”じゃない。自分の身の丈にあった、美味しい料理がつくれることだ!」と今日も自分に言い聞かせています。
 
このような料理動画を掲載しているサイトは、実はたくさんあります。有名なものは「KURASHIRU」「DELISH KITCHEN」「mogoo」など。どれも料理が苦手な人でもわかりやすいと評判です。他にも、身長、体重など体の情報や生活情報などを入力すると、自分に合った1週間分の献立を提案してくれるサイト(「eヘルシーレシピ」)などもありますので、料理プラスアルファの知識を求める方は、活用して見てはいかがでしょうか?
 
さて、すっかり料理動画に味をしめた私は、気づけば通勤時間帯も動画を視聴しています(笑)最近のマイブームは、プロかと思うほど料理が上手な方の動画を見ること。例えば有名店の味を再現する料理動画のシリーズなどを見て、そのあまりの手の込みぶりに、
「絶対自分にはつくれない……! だけど、めちゃくちゃ美味しそう……!」
と思いながら、画面を凝視しています。
 
レシピを学ぶために料理動画を見ることも大切だけど、やはり食はエンターテイメント。珠玉の一品が出来上がる動画を見つめ、お腹をグースカ鳴らすのも、醍醐味なのです。
 
ここまで書いて、私は料理動画を魔法の鏡のようなものだと思い始めました。理想とする料理が生まれるまでを映し出す魔法の鏡。映像を見ているだけで、自分だってこんな料理をつくれるんじゃないかと疑似体験させてくれる、そんな魔法もかけてくれます。
 
電子レンジを使えば簡単にケーキがつくれたり、簡単な副菜が材料を切ってタレとあえるだけで出来てしまったり、時には理想への近道も教えてくれます。
 
理想を映し出す一方で、それゆえに現実の自分の未熟さを思い知ることもあります。食材一つひとつの下処理に時間をかけたり、多くの食材を使って出汁をとったりと、初心者にはとてもではないけど真似できない、と思わされることもあります。その時その鏡は、まだまだ不甲斐ない自分自身を映し出しているのかもしれません。
 
でも、大切なのは、料理を、食を楽しむこと思います。時には料理動画が見せてくれる夢に浸って、時には理想と現実のギャップに苦しみ、そして様々な料理に触れることで、実は自分が成長するきっかけになるのではないでしょうか。私は今日もそんな気持ちで、お腹をすかせながら、料理動画を見るのでした!
 
 
 
 
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2020-03-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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