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きもので飲みに行く


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:きさらぎ満月(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
飲み会に行くときにきものを着るようになって、10年以上たつ。
一時期は、どこに行くにもきものを着ていた。今は、ハイヒールを履くようなつもりで、ちょっとオシャレをしたいときに着るようにしている。
 
きもので出かけると、特別に得をすることはないが、いい気分になることは多い。
とにかくちやほやされるのだ。
 
多くの人にきものを着ることをお勧めしたいのだが、着ない人にとってはいくつか関門がある。
①敷居が高い
②値段が高い
③自分で着られない
④着て行く場所がない
⑤きものは苦しい
この関門についてどう超えるべきか、説明したいと思う。
 
①敷居が高い
以前は職場にもきものを着ていったが、ある時期から服装にうるさくなったため、職場で着るのをやめた。
職場の飲み会には着ていくので、ときどき「仕事にも着てくればいいのに。きものは日本の正装だから、職場で着てもいいでしょう」といわれる。
 
誤解だ。きもの=正装ではない。
 
ではここで、日本を代表する名作ドラマ「おしん」を思い出してみよう。
貧しい農村で大根メシを食べて育ったおしんは、丁稚奉公に出るため、雪の中、筏で川を下っていく。そのときおしんが着ているのはなにか。きものだ。
ほら、正装じゃないでしょう?
 
きものにもTPOがあり、フォーマルな正装からカジュアルなものまでグラデーションになっている(これを「格」という)。
ごく簡単に分類すると
フォーマル:留袖(とめそで)、振袖、訪問着、付下げ(つけさげ)
カジュアル:小紋(こもん)、紬(つむぎ)、浴衣
というかんじだ。
 
私がよく着るのは、格が低い小紋や紬で、普段着として気軽に着ることができる。
 
②値段が高い
とはいえ、普通の人はきものに縁がないので、お値段を考えると恐ろしくなるだろう。
 
時代劇や古い日本映画が好きな私は、以前から日常的にきものを着る生活に憧れがあった。しかし、着付けはできないし、そもそもきものを持っていない。
ある日商店街を歩いていたら、呉服屋さんの店頭で「きもの・帯・草履 セットで5万円」というポップが目に入った。値段に驚いた私は、その場で衝動買いした。
 
5万円という値段の理由は、素材がポリエステルだからだ。正絹(しょうけん:絹織物のこと)であれば、最低でもその倍以上かかる。
しかし、ポリエステルとはいえ、きものは反物(たんもの:仕立てる前の布地の状態)で選び、自分サイズに仕立ててもらうことができた。
 
5万円で一揃い買えるんですよ。しかもオーダーメイドで。
正確に言えば、このほか長襦袢、足袋、帯締め、帯揚げが必要となるため、あと2万円くらいかかる。でも、思ったより安いのでは?
まずは、私のように安いものを買ってしまってはどうだろう。そうすれば、「着られるようにならなきゃ」という気分になる。
お下がりを持っている人は結構いるが、自分でお金をかけないと本気にならないと思う。
 
③自分で着られない
私は着付け教室で着付けを習ったが、私のきもの仲間には動画サイトで習得した人もいる。ただし、二次元の画面から三次元の着付けを習得するのはかなり難しい。質問もできないし直してももらえない。
 
私が通った着付け教室は、プロの着付師を養成するカリキュラムが組まれていたので、自分で着るのは最初の12回くらいだった。
お勧めは、動画サイトで練習して、行き詰まったら教室に通ってみることだ。ある程度わかったらそこで辞めるもよし、その先のきものの深い世界にはまり込むもよし。
 
着付けを習得する前にどうしても着たいという人は、プロに頼む手もある。相場は5000円程度だ。
 
④着て行く場所がない
着付けを習い始めた私は、どこにでもきものを着ていくようになった。お買い物にも美容院にも、旅行や帰省にも。
自転車にも挑戦したが、太股があらわになりそうであまりお勧めしない。
 
他の生徒さんがよくいっていたのは、「どこに着ていけばいいのかわからない」というセリフだ。
きものを着ると目立つ。悪目立ちしたくないから、きものにふさわしい場所でしか着たくない。その気持ちはわかる。
 
でも目立ってなにが悪い?
いや、せっかく苦労して着るんだから目立とうよ。
どこにでも着ていけばいいじゃない。
 
⑤きものは苦しい
苦しいのは、他人に着付けてもらうからだ。着付師は、お客さんが自分では修正できないことを考慮して、崩れないようかなりきつめに着付ける。
自分で着付けをすれば締め具合の加減ができるので、別に苦しくない。
 
不便なことはいろいろある。
準備に時間がかかるし、動きが制限される。
 
でもね、デートのときにはハイヒールを履くでしょ?
痛いし走れないし動きが制限されて不便だけど、オシャレのためだったら多少我慢してハイヒールも履く。
きものの不便さも、それと同じくらい。
 
でもきものによって得られる効果は、ハイヒールの比ではない。ハイヒールを履いていても目立たないし、ちやほやされることもないのだ。
だから、ちょっとオシャレをして出かけようというときに、きものを着ることをお勧めしたい。
 
動作に気をつけるので、動きが美しくなる。
きものを着た自分が誇らしく、シャッキリしていい気分になる。
みんなに喜ばれる。
まずは、きもので飲みに出かけてみてはいかがだろう。
 
なお、きものに興奮する殿方もおり、勝負を挑まれる機会もあるが、応戦するのは自分で着付けられるようになってからにしておこう。
 
 
 
 
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2020-03-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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