メディアグランプリ

育休中の今こそ天狼院ゼミ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:yokon(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「痛いところ記入してくださいね~」
整体院でのこと。問診表の人型が丸だらけ。痛いところだらけだ……。
1人目、2人目を産んだ後は、余裕はなくても20代。産後整体に行く発想がなかった。ところが3度目の出産後、身体にガタが来ている、と感じた。骨盤は左右非対称な感じがして、寝るときも生後間もない子を上2人につぶされないように守りながら、寝返りも打てず、授乳しながら、抱っこしながら、朝が来れば肩や腰はガチガチだった。
 
すべては赤子のために……。
そうやってお母さんは身を削る。
 
身体が痛くても心が病んでも、不健全だということに気が付かない。
お母さんだから仕方ないよ、そういう空気が蔓延している。
 
「今だけだから」
「子どもとの時間はあっという間だよ」
そんなことはわかってる。違うんだよ、子どもと一緒にいられる「あっという間」といわれるこの時期を、噛みしめる心の余裕が欲しい。
 
3人産んで、やっと一歩踏み出せた。
育休中、やりたいことをやってみよう。
出来ない理由は山ほどある。それでも自分の心に正直に。
 
天狼院書店のライティング・ゼミを受けてみようと思ったのは、そんなとき。3番目の子が生後2ヶ月になるころだった。たぶん育休は最後の機会だ。2、3時間おきの授乳で手はあかないが、頭は暇だ。日常に物足りなさを感じていた時だった。
 
12月開講のライティング・ゼミ。
ちゃんとした理由はなくて、なんとなくやりたくなった。
12月3日、講義が始まるぎりぎりのタイミング。恐る恐る店舗に電話してみる。
「まだ、受付してますか……?」
 
「大丈夫ですよ! 子育て中の方もたくさん参加されていますよ」
 
物腰の柔らかな男性スタッフだった。
オンライン受講のつもりだし、大丈夫なことはわかっていた。でも、どうぞどうぞ! って、電話口で言ってもらえたことが、どれだけ私の背中を押してくれたことか。
 
出産祝い金が入ったタイミングで、振込完了した。自分へのご褒美とチャレンジだった。
4ヶ月で4万円、ちょっと高い気がしたけれど、自分の身が自由なら1ヶ月1万円のお稽古に通うくらいできるはず。1ヶ月に2回飲み会に参加していたら、お酒とともにすぐに出ていく金額だ。今、飲みに行くこともお稽古に出かけることもできないけれど、それを嘆いてできる人をうらやましいと思うくらいなら、この1ヶ月1万円で、「やりたいことをやったぞ」と思える最後の育休を過ごしたい。
 
やってみて、わかった。
天狼院のライティング・ゼミは、心の整体院だ。費用対効果抜群だ。
身体の痛いところを痛いと感じるように、心の気になっていることを文字に起こす。整体の施術一回で治るところは限られているけれど、そのときのアドバイスで姿勢や寝方、歩き方に気を付けて身体が整っていくように、天狼院のゼミを受けながら、ライティングの課題を毎週提出することは、受け身になりがちな講義をよりアクティブにアウトプットしようと日々意識をするきっかけになる。これがお母さんの心に効く。かなり効くと思う。
 
子育て中のお母さんの頭は、常にたくさんのタスクが同時進行だ。保育園の準備、洗濯、予防接種や健診のスケジュール管理、月齢や年齢に合わせた調べもの、次のお出かけの準備に、1ヶ月先、2ヶ月先の予定の調整など、ひとつひとつは些細なことなのだけれど、常にパソコンのウィンドウがたくさん開いている状態である。子ども3人いれば、1つのウィンドウで処理できるときもあるし、3つタブを開くときもある。電源を切らずにスリープ状態のままにして、またすぐに動けと負荷をかける。(たまにフリーズしてバグっておかしくなることもあるけれど、これだけ開いていたら仕方ないよねって思っていただきたい。)
 
逆に言えば、子どものことしかウィンドウが開いていない。そんなときに、自分のためにYouTubeで講義を聞く。各地の店舗とつながる。子ども関係のウィンドウは全部閉じる。まっさらのWordファイルを開く。静寂の寺で写経するような心の落ち着きと、隣にも同じ方向を向く人がいる安心感。
 
テーマも人それぞれ。私の場合、心の気にかかっているところを文字に起こすと、まるで施術を受けたかのようにスッキリする。なんでもない日常がネタだらけだと気が付く。子どもとの時間を噛みしめる余裕は、時計に求めちゃいけなかった。書きながら記憶を反芻し、しみじみと浸る機会と、その成果物としての課題提出こそ、遠回りのようだけど目の前の幸せを噛みしめるのに必要だった。ネガティブな話になりそうなところを、良い方向、良い方向、真っ青な空の下、水面に映るキラキラした感じ……そんな風に意識しながら書くと、だんだん心が澄んできて、元々こんなにポジティブに思っていたのかもしれない、と上書き修正されるから不思議だ。
 
もちろん、子どものことをおろそかにしてはいけないし、毎週提出が厳しいときもある。上の子2人が元気に保育園に行ってくれて、3番目が機嫌良く昼寝してくれるときは、集中して課題に取り組める。この状態が「日常」だと思うと、きつくなるが「奇跡」だと思えば、上の子が熱出して保育園に行けず、ひたすらべったりの時にも課題ができないからといってイラつくこともない。(2回くらいフリーズしてダメになったことは認める。)
子どものことを差し置いてまで書くべきものではない、と割り切ってからは気持ちが楽だ。
宿題を出さなかったからって怒ってくれる人はいないんだなぁ、と寂しさもチラつく。
 
ただ、子ども達のことから離れて、自分のやりたいことに没頭したら、自分と子どもだけのモノクロな世界の足元に小さな色とりどりの花が咲いていることに気が付く。その小さな花は、めぐりめぐって自分と子どもの心を豊かにしてくれるはず。
 
満足感って、自分で動いて獲得するものらしい。
幸福感って、目の前にあるけどわかってなかっただけらしい。
 
そういえば、ライティング・ゼミを始めてから、肩の痛みが和らいだ気がする。肩の力が抜けて、いい状態。
 
心と身体ってつながっているんだなぁ。
最高のデトックスだ。
 
よく晴れた青空の下にオオイヌノフグリを見つけた日、そんなことを思うのだった。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 
http://tenro-in.com/zemi/103447
 

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2020-03-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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