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Keep on smiling! ラジオ英会話


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【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:向山彰彦(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
あなたがなにかがどうしてもつづかない、三日坊主屋さんであれば、ぜひ読んでもらいたい。三日坊主屋のわたしが、そこから脱却できた話なので。
 
これは、英語学習の話です。
 
英語の学習は、もう何年も、一日たりとも休んでいない。
たぶん、満足して終えるまでにもう何年もつづくだろう。なんなら、この英語学習の日々が終わらないでほしいと思っているくらいだ。なぜなら、やらないと気がすまないから。
いまではそういう日々のあたりまえになってしまったから。
 
話は10数年以上前にさかのぼる。
私はまったく英語ができないまま海外出張に出向いた。
通訳がいたのでビジネス自体は滞り無く進み終わった。しかしアイスブレイクのジョークや歓談のとき、私はおいてけぼりだった。私以外の全員が同じタイミングでドッと笑い出すとき、私はぽかんと作り笑いをするしかなかった。
一人だけ言葉がわからない、このものすごい疎外感。
心の中の孤独は大きく、その日ホテルに帰ってからパーティに行かずに、枕に顔をうずめて、声を出して泣いた。
ビジネスは成功だったが、私の心にはなにかどんよりしたものが渦を巻いていた。
私は誓った。
 
リベンジしてやる!
 
帰国後すぐ、さまざまな教材に手を出した。最初はどれも意気込んでやるが、なにか忙しいとか気がのらないとかで一度やらない日ができると、それから一切やらなくなり、そのうち見るのもいやになってくる。
 
きっとメソッドが悪いに違いない。新しいメソッドだの、絶対挫折しないだの、といったウリ文句を見ると飛びついて購入した。しかしやはり続かない。何度も挫折するうちに、もう諦める気になってくる。
そこで、ついに大枚と時間を費やす覚悟をして、私はそこそこ高い英語の学校の門を叩いた。
 
英語の学校は、楽しかった。そこでは日本語禁止でうっかり日本語を口にすると罰金である。この緊張感が楽しい。また生徒同士も英語で話さなければならない。この切迫感が楽しい。この環境はなにか緊張と奮起を促すものであり、私は熱心にその学校に通った。
 
もちろんそうそう簡単に語学力は上がるものではない。それでもコミュニケーションはできた。いや、日本語が使えないので、英語でコミュニケーションせざるを得ないから、できるできないのはなしではなかった。Just do it! である。あの、地獄のような孤独を味わった英語の世界の中で、今私は生きている! この環境の中に自分がいつづけられる。このままいけば私は英語をマスターできるはずだ。
そんな折……
リーマンショック。
余波で、その英語学校は、潰れた。
 
その後代わりの学校にも行ったが、最初の学校ほどのテンションとペースにはなれなかった。なんなら最初の学校は毎日でも行けたのだ。週イチでおなじテンションは保てず、いつしか英語の学習はやめてしまった。
 
そんなあるとき。ラジオ英会話を語学の達人に勧められる。調べるとレベルは中高校英語程度らしい。いままでネイティブに教わったり大勢でディスカッションしたりロールプレイとかしてきた私に、すでに英検順一級を取っている私に、いまさら音だけのラジオ英会話?
と訝しく思ったが、なにせ無料放送だし、聞き流すだけでもいいかと始めてみた。
 
すると……
 
いいことがたくさんあった。
 
まずラジオ番組特有なのかもしれないが、耳に集中する。身振り手振りがないのでわかった
気にならず、きちんと聞いて理解しようとする。
 
そして、これが一番今回強調したいところなのだが、一日一回15分。必ず15分で終わる。どんなに疲れている日でも、忙しい日でも、朝の15分くらい時間はある。それも、歯磨きや服着替えながらでも良いのだ。
 
意外と易しくて物足りないこともなかった。内容は文法や単語的には簡単なのだが、自分でそれを使って文を作るときに、意外と手こずる。基本的なものほど多様に使われているということであり、自分で使いこなすには数が必要なのだ。止まっている玉を打つだけのゴルフがうまくなるためには大量の練習が必要なように。
 
こうして毎日の英語学習は、完全に歯磨きと同じレベルの習慣となった。
ときどき一週間再放送になるときがあるが、そんなときは物足りなくて仕方がない。
 
この感覚はなんだろう。
まいにち一日15分かかさずの感覚。
そうだ、朝ドラだ。
何なら朝の支度しながらながら見たりもする気楽さ。
でも見ないとなんか気がすまない。
少し物足りない分量。だから次も見たい。
最後はそれなりの満足感。
 
そういうわけで私は朝ドラ感覚で英語を学習している。
この楽しさを広めたいと思い、SNSで人を集めて、布教活動もしている。
やっぱり多くの人は途中でやめてしまうのだけれど、続く人もいて、中学1年レベルだった人が二年経ったら高校レベルまで使えるようになるのも見てきた。
 
継続は力なり、と、昔からある言葉だけれど、むしろ、継続だけにしか力はないのではないかと思う。今思えば、英語の学校とラジオ英会話。メソッドもその価値も違うけれども、毎日のように触れる環境というところだけは同じだった。

 
というわけで、ラジオ番組はおすすめである取り季節したい。よくコストパフォーマンスが注目されるけれども、それ以上に、そのまいにち並走してくれる力に。継続の朝ドラ効果に。

ただし! 自分がついていける能力以下のものを。
実は調子に乗って、韓国語と中国語もラジオ講座を2つ同時に始めた。結果は……撃沈! 

15分で理解はなんとかおいつくけれど、ときどきさぼったら、もう挽回できなかったのだ……2つ同時に始めたので復習して追いつく余裕も取れなかった。

継続は力なり されど 二兎を追う者は一兎をも得ず
 
 
 
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2020-03-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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