毎日充実したいなら、「作り置き」はいかが?
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:神岡麻衣(ライティング・ゼミ日曜コース)
毎週末、私は大量に食事を作る。
肉料理や魚料理を数品、付け合わせの野菜も数種類用意する。
食材が余れば味噌汁やスープも。
薬味を切って小分けに冷凍保存も済ませたり。
ご飯は5合も炊いている。
家族は私と夫の二人だ。土日で全部食べ切れるような量ではない。
来客の予定もない。
出来上がった食事のうち、その日は数品だけを食べる。残りは冷蔵庫へ。
それぞれの料理がガラスの容器に収まり、積み重なっている様子は圧巻だ。
何を隠そう、私は土日に「作り置き」を実践している。平日に食べる分をあらかじめ用意しているのだ。
私にとって、作り置きはペースメーカーである。
これを済ませておかないと、私の平日は始まらない。サボると気分が落ち着かないくらいに。最早アスリートのルーティンに相当するといっても過言ではない。
私も夫も正社員の共働きだ。
仕事から帰ると21時をまわっていることもザラにある。ヘトヘトになって帰ってきて、そこから料理をする元気なんてない。「仮にも主婦なんだから、料理ぐらいしろ!」と言われたらきっと発狂するだろう。
つまみ食いをしながら料理をしている私の姿は、簡単に想像できる。きっと完成するときには満腹になっていることだろう。
さらに厄介なのが、私の性格だ。「超」がつくほどの面倒くさがり屋だ。
「家に帰る、チンする、食べる」の3ステップで気軽に済ませたい。実は最寄り駅にはスーパーもコンビニもある。「ここで買って帰ったら楽じゃん」というツッコミが聞こえてきそうだが、それすら私はまどろっこしいと感じてしまうのだ。
「何食べようかな~」とお店で迷う瞬間すら惜しい。
土日にあらかじめ大量に用意したほうがいい、そう判断して作り置きを始めた。
「ああ、1週間がまた始まるなあ」と感じさせる、私にとって都合のいいペースメーカーでもある。
たまに、週の後半で足りなくなってしまうことがある。想像以上に消費してしまうときもある。
そんなときは、パスタが救世主となる。
茹でてソースをかける。または、あらかじめ買っておいた冷凍パスタをチンしたり。
非常事態に備えた策も万全だ。
私は仕事柄、出張で全国に出かけることもある。もちろん、その間は夫はひとり。彼の仕事は出張があまりない。
そして、彼の口癖は「男子、台所に入るべからず」だ。まったく料理をしない。本当は料理が苦手で、私に振舞いたくないらしいのだが。
そんな彼は、私の不在中は夕食を満足に用意することができない。
コンビニで買ってくることもできるが、お小遣い制をとる我が家では不可能な日もあるらしい。
こんなとき、作り置きが効果を発揮する。私は出発前に準備をする必要があるのだが。
あらかじめ食べる分だけお皿にうつして、冷蔵庫に保管している。
夫は帰宅してチンするだけで夕食にありつける。私がいなくても大丈夫だ。
そもそも、夫自身がコンビニ弁当は好きではないらしい。結婚当初、駅前で夕食を買って帰ったことがある。その時の夫はあまり満足そうではなかった。
義理の母がいつも振舞ってくれる手料理を食べれば、それがわかる気がする。
「仕事と家事を両立させる奥さんでよかった」と、しきりに話す夫。
もともと料理が大好きな私。
お互いの考えが、ちょうどよくマッチする。
作り置きこそ、夫婦円満の秘策だと思う。夫婦の助け合い精神を再確認する手段でもある。
「おいしそうに食べてくれる表情」を見るのは好きだ。
しかし、実は、「料理って理科の実験みたいで好き」とも思っている。大量に料理を作ることで、私のオタク心も満たされている。
作り置きは、私にとっていいことづくめだ。
実は、作り置きの新しい活躍場所を発見した。
帰宅後の夕食以外にも、効力を発揮することに気付いた。
私は週に1日、リモートワークを行うようにしている。業務に集中するためだ。
途中でランチ休憩をとるのだが、この時こそ、作り置きした料理の出番だ。
ランチを買いに出かけなくてもいい。
わざわざ作らなくてもいい。
ランチ休憩中の1時間、できれば家や私個人の用事を済ませたいと思っている。
作り置きしたものをチンして食べれば、残りの時間を用事に充てられる。
そしてストレスなく仕事に戻る。
リモートワークを禁止されている職場だとしても、お弁当箱に詰めて持っていけば解決だ。
作り置きをすることで、私は充実した毎日を送れている。
そのためにも、作り置きをとりまく1週間のルーティンを効率よく回したいと考えている。
衛生的な保管方法。
飽きないためのレパートリー強化。
食材の買い出し頻度。
消費量の管理。
仕事でもないのに、PDCAを実践していることに気づく。なにごとも日々進歩だ。
これからも私は作り置きを続けていく。充実した毎日のために。
充実度を上げるためにも、作り置きのルーティンを向上させていきたい。
最早、趣味というよりも、生涯の研究テーマになりつつある。
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