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メディアグランプリ

つまらない日々の中で、わくわくする世界への扉が見つかる身近な場所


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:渡辺悠香(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「つまらない」の反対の言葉が「つまる」だとしたら、とにかくつまりたい。
昨日も仕事、今日も仕事、明日も仕事。誰かに不快感を与えない身だしなみを完成させ、始業10分前には職場に着くように家を出て、いつものデスクに向かう。しょうもない話に笑ったり、誰かの旅行のお土産を美味しく食べたり、全身をバキバキに硬めながら光る画面を睨んだり、今日の夕飯を考えながら雑務を処理したりする。
毎日の展開は大体同じ。でも時間は進んでいて、確実に年を重ねている。
特に不自由はないのだが、このまま同じ展開が続くかと思うと、少し息苦しい。
何かいいことないかな。つまりたい。
 
つまりたいのだ。
 
面白い展開を待ちながらもつまらないと呟きながら繰り返す日々は、詰みかけているテレビゲームの様だ。次のダンジョンへ続く扉が見つからない。既に通った道を行ったり来たりして探すけれど、見つからない。でもプレイ1巡目は攻略サイトに頼りたくない、謎の意地。
やたらとプレイ時間は増えるが先に進まない。
何をしたらいいのかわからない。したいこともない。
確実なのは、このままでいるのは嫌だということ。
そんな時、あなたはどのようにして過ごすことが多いだろうか。
 
筆者はなんだか最近つまらないなと感じることが増えたら、手持ち無沙汰で近所の本屋さんに行くことにしている。特に目当てがあるわけでもなく、ただあらゆる分野の書棚をのんびり見回しながら歩く。
そうすると、出会うことがある。表紙でも背表紙でも、販促の帯やポップでもいい。ちょっと過激だけれど共感してしまう言葉、目を奪われるような美しい写真、心がきゅんとするような可愛いイラスト……。毎回ではないけれど、いったんその場所を離れても何かが頭に残ることがある。
個人的な経験だが、先日近所の本屋さんの文庫コーナーでジェーン・バーキンの表紙写真と目が合い、衝撃で硬直した。(ジェーン・バーキン:フランスに拠点を置く女優・歌手。エルメスの高級バッグ「バーキン」を創った女性。)なんだこの美人は。初めて見た。その場は通り過ぎていったん別のコーナーを見て回ったが、あの写真が頭に残って離れない。再度戻って中身を覗いてみる。章別に写真も沢山ある……。なんてこった、若い頃の派手なファッションも可愛いけれど、年齢を重ねてからのカジュアルスタイルもこんなに美しいなんて! 同じ時代にこんな素敵な人が存在しているなんて、知らなかった……。
なんだか新しい世界を知ったようで嬉しくて、わくわくする。ファッションに詳しい友人に、自分から彼女の話題を振る。お互いに彼女の可愛い画像をインターネットで探しまくっては見せ合って盛り上がる。ファッションの話題となれば聞き手になることが多かったけれど、ただ聞き手になっているときよりも断然楽しい。一度興味をもつと、関連する他のトピックスも気になってくる。今、この人はどこで何をしているのかな? この人に限らず、最近のファッション業界でホットな傾向は? 有名なデザイナーは? デザイナーが多い街、憧れるなあ。現地にも、行ってみたいな……。
興味が広がると、インターネットで探す情報や本屋さんで探す本が具体的になる。今までは縁がなかった場所への旅行を計画してみる。ついにあのへそくりの出番か? 欧州に行くなら長期休みを取らなくちゃ。長期休みをとるには職場での信用も必要だから……もっと仕事の質は良くできないかな? あのセミナーに行ってみようかな。先輩に相談するのもいい。他には……。
したいこと、してみようと思うことが少しずつ出てくる。
楽しい。わくわく。
 
あれ? これって、ちょっとつまってきたんじゃないの?
 
こんな風に、後から振り返ると本屋さんで偶然出会った本がきっかけになって自分の世界が広がったり、もはやつまらなかったことを忘れていたりすることが度々ある。視界に入ってくるものの中で共感する言葉、美しい写真、可愛いイラストなど、いったんその場所を離れても頭に残って離れないもの。もしそういうものがあったら、それは自分がわくわくするきっかけを心が教えてくれているのかもしれない。
時流やブーム、時期によって並ぶものが変わる本屋さんは、身近な場所でもその出会いが起こりやすい場所だと思う。
行くことに何の準備もいらない。だいたいどこの街にもある。年齢制限なし、全世代対応。
この身近さが、良い。
 
もしも最近なんだかつまらなくて、「つまりたい」と感じているなら。
今日の帰り道、ちょっと本屋さんに寄り道してみませんか。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
 

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2020-04-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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