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メディアグランプリ

病気から学んだ、自分の環境を整える食事法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:和田 誠司(ライティングゼミ 日曜コース)
 
 
「お腹がいたい、死ぬもしれない」
月曜日の深夜に、僕はありえないほどの腹痛に襲われて、目が冷めた。腹痛は朝になっても言えることがなく、僕を苦しめ続けた。気力を振り絞り、会社に有給休暇の申請をして会社を休んだ。
「会社を休んだので、優雅な休日を過ごしたい」と思う気力もなく、病院に行くことすらできず、ひたすらに寝続けた。起きている時はトイレに駆け込むくらいで、お腹から出る茶色水を透明な水で流し、寝る。これをひたすら続けた日だった。
その間も僕のお腹の中にいる何者かは暴れまわり、僕に腹痛というプレゼントをし続けてくれた。「痛い、助けて、ご飯もなにもいらない。とにかくこの腹痛よ、消えてくれ……」そう願うばかりであった。
 
腹痛は二日目になってもまだ続いていたが、なんとか歩ける気力が出てきたので、医者に向かうことにした。病院で症状を伝えるなり、僕は早速隔離された。
「コロナか?」一瞬不安がよぎった。
先生は問診をすませると「ウィルス性胃腸炎ですね」と症状を伝えてくれた。僕はコロナではなかったことに、一安心をした。よく考えれば、腹痛がコロナと関係するなんて報道を見たことがなかったことに、先生の一言で気がついた。
続けて先生は「ご飯は食べたいと思うまで食べないでください。食べたいと思ったら、うどん、おかゆから始めてください。肉、魚、お酒は絶対ダメ、卵やチーズなどの動物性のものもだめ」とあらゆる食事のだめを教えてくれた。おもわず「僕が普段食べていることはほとんどだめやん」と脳内でツッコミを入れてしまった。
 
家に着くと安心したのか、お腹がすいたので、早速うどんを茹で始め、食すことにした。何も入っていない本当の素うどんだ。私の家では、乾燥した麺しか使わないので、家庭のうどんと言っても、コシがある。素うどん、これが意外に美味しい。麺にもしっかりと味があり、噛めば噛むほど味が出てくるのである。それが汁と絡み合い、鼻と口に全体を包み込んでくれた。また薄味の汁のおかげで、だしの味がしっかりとしていることに気がついた。昆布からしっかりとだしを取っていたおかげである。
素うどんを食べて、普段はうどんを食べているようで、味付けの濃いおかずやら、汁を楽しみにしていたことに気がついた。病気になったおかげで、食事の楽しさや本来の素材を味わう喜びに気がつくことができたのだ。
 
一日一日と回復するにつれて、食事をレベルアップしていった。その都度、食材の持つ味に気がついた。
うどん、ごはん、そばといった炭水化物だけの状態が初期に食して良いものである。
炭水化物だけでも十分にうまいのだ。特に、ごはんとめんつゆとのりだけの食事が良かった。ごはんの甘みとめんつゆとのりの相性はよく、さすがは弁当の代名詞であるのり弁と言われるだけあるなと感じた。
 
そこから、野菜だけのおかず、魚だけのおかずとレベルを上げた。野菜は蒸してポン酢で食べると、野菜の甘味やうまみとポン酢の酸味が絶妙なバランスで、飽きずに食べられることができた。一番美味かったのは豆腐である。豆腐は味の階層が厚く、またあらゆる調味料との相性もよくすべてを包み込んでくれる母のような存在であることに気がついた。
魚もうまかった。驚きはイワシである。焼いてよし、煮込んでよし。脂が乗っているが、いやな脂ではない。しつこくないのである。お腹がもたれることのない、脂だったので、飽きずに食べることができた。
 
最後にお肉や卵などの動物系のおかずとレベルを上げていった。動物系の美味しさは直球ストレートといったところだろうか。美味しさが少し噛んだだけでもわかるのである。ただ、病気になる前に比べて、食べたときの喜びは薄かった。
 
病気になる前の僕は噛むことを面倒くさがり、簡単に美味しさがわかる肉類ばかりを食べていた。噛んでいる回数が少ないので、食材を味わう喜びを忘れていた。濃い味でごまかされたものを好んで食べていた。今思うと食材にあまりにも失礼な食べ方をしていた。
 
僕は今回の病気を通して、食事に対して自然とありがとうという感謝の気持ちが芽生えた。
病気になる前の僕は漫画ワンピースの主人公である、ルフィーの食べ方に憧れていたのだ。たくさん肉を食べるルフィーの姿は、どこかかっこよく見えていた。しかし、ルフィーの本質はそこではないことに気がついた。彼は食材に感謝しながら、楽しみながらいつも料理を食していたのである。僕は大いに誤解をしていた。早くたくさん食べることが食事を楽しむことであると思っていたのだから。
 
今、病気は治ってはいるが、病気中の食事の仕方は続けている。食材に感謝し、ゆっくり食べて、食事を楽しむ食べ方だ。おかげで食事の量は減り、体重も減少傾向にある。
食事を楽しむことは、自分の環境を整える上で大切なことだと、今回の病気を通して学ぶことができた。
 
みなさんも、この記事を読んで、何か食べたくなって来たのではないだろうか。僕自身これを書きながら、夜だというのに、困ったことに腹がぐーぐーとなり始めた。
もし何か食べるときには、その食材自体の味を確かめながら食べてみてほしい。すると今まで感じなかったや美味しさや喜びを知ることができるのではないだろうか。
それが実は、自分の環境を整えることにもつながるのである。
 
 
 
 
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2020-04-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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