メディアグランプリ

天狼院ライティング・ゼミには手を出すな


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:瓜生とも子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「あのことは忘れて下さい」
 
私は絶句した。
 
慌てるな。ここは落ち着いて聴こう。
 
何とか気を取り直したところで、男は続けた。
 
「あれも要りません」
 
……ひどい。
 
初めて出会ったときの笑顔はそのままに、男は今、こんなにも冷たい言葉を浴びせかける。信頼できる人の紹介だからと、油断した私がバカだったのか。
 
悪いことは言わない。天狼院ライティング・ゼミには近づかない方がいい。
 
私は天狼院書店で月2回の講義を受けている。店舗に行かなくても、YouTubeでの受講もできる。日時も場所も自由のきく習い事。まさに私が望んでいたものだった。
 
もともとは知人がこのゼミを受けていた。知的で、行動的で、信頼できる人だ。天狼院Webに掲載された彼女の記事は、どれもとても面白かった。
 
わー楽しそう! 私もやってみたい!
 
単純な動機でゼミの案内を読んでしまった。
 
ひとつだけ、不安なことがあった。毎週2000字の課題を提出することになるが、大丈夫か。4ヶ月、合計16回。それでも申し込んでしまったのは、うっかりゼミのサンプル動画を見てしまったからだ。
 
「課題を出さないからといって、誰も、あなたのことを、責めませんから〜」
 
あ、そうなの。何かユルそう。講師の笑顔にすっかり騙された。
 
昨年12月某日、第1回目の講義。一体どんな楽しい内容なのか。ドキドキしながら講師の登場を待った。
 
「いいですか」
 
挨拶もそこそこに、講師は本題を切り出した。
 
「起承転結は忘れて下さい。あれは漢詩の発想です」
 
……絶句。
 
落ち着きを取り戻そうと、心の中で大好きな漢詩を一首、板書した。
 
慌てるな。はじめから分かっていたことじゃないか。これはWeb記事ライティングのゼミだ。漢詩の重厚さは似合わない。
 
起承転結、さよなら。心の板書を一気に消した。
 
男は続ける。
 
「四字熟語も要りません」
 
何……だと?
 
「使った途端、例のアレが発動されると思って下さい」
 
ひ、卑怯千万。不倶戴天の敵の名を出すとは。
 
私は自問自答した。
 
こんなひどい仕打ちを受けてまで、受ける価値があるのか、このゼミ。
 
……不本意だが、仕方がないだろう。アレにやられちゃ、ひとたまりもない。てか、死ぬ。
 
そう、ここはゼミとはいえ、戦場なのだ。講師自ら断言してるじゃないか。
 
「編集学校や文学部でプロとして食べていくためのスキルを系統立てて習ったわけでない」
 
「死ぬほど書いていく中で、いわば、戦場で本当に使える技を体得していくようにしてライティング・スキルを身につけた」
 
机上の理論より、現場の実践。反論の余地がない。
 
というわけで、四字熟語、さよなら。
 
起承転結や四字熟語とお別れした後は、全く新しいお題目が与えられた。
 
「ABC、ABC、ABC」
 
は?
 
何だこれ。靴屋か? 放送局か? クッキングスタジオか?
 
ベタなツッコミと呆れないでほしい。このうちのひとつは、あながちハズレじゃなかったのだ。
 
それだけじゃない。
 
ライティングに効くのだ、これが。ハズレなしに。味をしめた私がABC依存症になるまで、時間はかからなかった。
 
ABCの他にも、意外なキーワードが次々と出てくる。
 
例えば、マーケティング。
 
マーケティングについての講義で聞いた、講師自ら5000字で1000冊売った話は衝撃だった。
 
天狼院書店には「秘本」という商品がある。著者やタイトルは伏せたまま、5000字の記事でその本の魅力を発信し、販売するというスタイル。
 
講師が書いた記事の効果で、ある本を30時間で1000冊完売したという。返品不可にもかかわらず。しかもその5000字、そこらへんのカフェでアイスコーヒー片手に40分で書き上げたそうだ。
 
マーケティング重視の四字熟語NGだからって、侮ってはいけない。講師はガチの文学オタクだ。講義中は、明治から現代までの作家の名前がポンポン飛び出す。
 
文学少年少女くずれも、ビジネスパーソンズも、いっしょくたにして面倒見てくれるのが、このゼミだ。居心地良すぎて、普通の「ゼミ」じゃ物足りなくなりそうで怖い。
 
講義1回終わるたび、すぐに書きたくなる。書いて提出した後は、客観的なフィードバックをもらう。思ってもみなかった指摘に、目からウロコがボトボト落ちる。ウロコが落ちた目で見る世界は新鮮だ。それを伝えたい衝動に駆られる。また書かずにはいられなくなる。
 
結局、これまで12回欠かさず、2000字書いて提出している。典型的な中毒症状だ。私のようになりたくないのなら、申し込まない方がいい。
 
この記事の下にあるライティング・ゼミ案内のリンクなんか、絶対に見ないと約束してほしい。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
 
http://tenro-in.com/zemi/103447
 

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2020-04-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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