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働くことに向いていないと自覚した日、僕は投資家になろうと決めた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:近藤泰志 (ライティング・ゼミ特講)
 
 
突然の告白だが僕は働くことに向いていないようだ。
 
まず、かなりの低血圧(上が100あるかないか)なので、朝早く起きるのが大の苦手だ。
朝の通勤もほとんど電車の中で寝ていた。歩いているときはかろうじて起きてはいたが、時々それも怪しい時もあった。よく今まで車に轢かれることも、駅のホームから転落せずにいれたものだと我ながら感心してしまう。
 
それならば出社前、もしくは始業前に眠気覚ましのコーヒーを飲んでから……という対策もあるのだが、胃腸が弱いためコーヒーを飲むと高確率でお腹を下してしまい、下手すると出勤早々トイレに直行してしまう恐れもあってそれも出来なかった。
 
では、夜勤のような夜型のお仕事スタイルに……と思って変えてみたのだが、低血圧のくせに夜はしっかり眠くなり、挙句の果てに腰痛を悪化させてしまい休職をする羽目になってしまった。結果、夜型のお仕事も僕には出来ないということが判明した。
 
いっそのこと今までのIT系の事務職から思い切って接客や営業職に職種ごと変えてみようとも思ったのだが、極度の人見知りのため知らない人と話ができない僕に務まるのだろうかと思うとなかなか一歩前に踏み出せないでいる。
 
人には向き不向きがあるとよく世間では言われているが、そもそも働くことに向いていない僕のようなタイプは一体どうすればよいのだろうか。僕にとって『働く』ということは息継ぎをせずに水泳をすることぐらい苦しいことだった。
 
……無能。
 
僕は自分が無能な男だと悟った。
 
しかし、困ったことが一つある。僕はお金が大好きなのだ。
 
『働かざる者、食うべからず』という格言があるように、お金は労働の対価として支払われるのが世間一般のルールだ。大人になった僕におこずかいをくれる奇特な人はいない。どんなに空を見上げてもお金が降ってくることもない。たまに購入する宝くじも、サッカーくじも当たるどころかかすりもしない。
 
僕は無能なくせに誰よりもお金が大好きで1円でも多く懐に入れていたい。我ながらなんとも無茶苦茶なことを言っているなぁと呆れてしまうが事実なので仕方がない。
しかしこのままではお金は増えるどころか減る一方だ。これでは船底に穴の開いた船で航海をするようなものだ。そのぐらい危険ことだということは無能な僕でも十分わかる。なんとか僕のような人間でも生計を立てていくことはできないものだろうか……。
 
そうだ……投資だ、お金に働いてもらおう。
 
僕は自分が無能だと自覚した日、投資家になろうと決めた。
 
幸いお仕事をしていた頃にこつこつと貯めていたお金に余裕があったので、僕はそのお金を軍資金として証券会社に口座を開き、株式投資を始めることにした。
 
そして数ヶ月が経った。
 
僕は新米投資家としては出来すぎといっていいほどの利益を上げた。
 
……と言いたいのだが、そうは問屋が卸さない。
 
昨今のコロナショックで株式市場も大混乱で、昨日上がった株価が今日は暴落する……の繰り返しだ。僕のような個人投資家は毎日終わりのないジェットコースターに乗せられている気分だ。景気回復の切り札になるはずの東京オリンピックも延期になり、それに携わる建設、観光などの会社の株も軒並み下がってしまった。もはやこの先の景気については誰にも予測できない。
 
僕もいままで勉強してきた株式投資の知識が全く通用しなくなり、たった5分で30万円を失った失敗を皮切りに、いまは資産を増やすどころか減らさないことが精一杯の状況になってしまった。
 
しかしそんな悪戦苦闘の状態の中、僕には一つだけ判ったことがあった。
僕は株式投資をわりと楽しんでいるということだ。
 
元来、「信長の野望」や「三国志」のような戦略ゲームが大好きだった僕は自分が投資する金額が兵士の数のように思えてきた。僕にとって株式投資は今まで遊んできたどんな戦略ゲームよりも楽しく、そして緊迫するゲームなのだ。
 
例えば『1円=1人』だとすると、20万円で購入した株は20万人の軍隊ということになる。
この20万人の軍隊を僕は自分の才覚や判断力を駆使して増やしていく。しかし一瞬の判断力の遅さが命取りになり、わずか数分で半減どころか全滅……なんてこともある。軍隊の人数を増やし、かつ1人も減らすこともなく無事に1日を終える。僕はこのミッションに悪戦苦闘しながら毎日を過している。
 
自分の無能さに絶望して途方に暮れていた僕はもういない。
 
ここにいるのは株式投資という戦場にたった一人で戦を仕掛けた漢(おとこ)なのだ。
決して後ろは振り返らずに、花も嵐も踏み越えてただひたすらに勝利のために進む。
 
僕は間違いなく今を生きている。
 
これが僕の生きる道なのだと信じて……。
 
 
 
 
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2020-04-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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