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カービィに学ぶ、愛されキャラの作り方


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:近藤佑子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
5年前の夏、私は表参道でとある行列に並んでいた。
クレープでも、パンケーキでも、エッグベネディクトでもない。
 
70分並んでたどり着いたそこは、雑貨屋のキディランド。
「カービィのプププなピクニック」フェア、である。
 
私はこのカービィがたまらなく好きなのだ。
 
「星のカービィ」は、任天堂とハル研究所が開発するゲームシリーズで、1992年に第1作が登場した。
敵キャラを吸って吐き出して攻撃し、ふわふわと飛ぶことができる独特な操作性が特徴だった。
私は小学生のときに初めてプレイし、シンプルなドット絵で表現された、カービィの愛らしい動きやステージの世界観に魅了された。
 
カービィが好きだというと「まだカービィってあるの?」と聞かれることがあるが、これまでにゲームは33作が世の中に出ている。平均すると1年に1作以上のペースだ。
 
大人になり、ふとゲーム実況でカービィのゲームを見たことがきっかけで、昔のカービィのゲームがやりたくなり、どんどんと買い集めた。
シリーズに共通するのは、愛らしいカービィの姿に、のんびりと平和な世界と、胸熱なグッと来るシリアス展開が混じり合う世界観。子供でも簡単にプレイできるゲーム性に、奥深い設定。
やればやるほど、カービィにハマっていった。
 
さて、ゲームが好きになってくると、欲しくなるのはキャラクターグッズだ。
自分のなかでのカービィのリバイバルブームが来た2013年当時、カービィのグッズと言えば、クレーンゲームの景品のぬいぐるみくらいで、頑張って取ったり、秋葉原のレトロゲームを扱ったショップで買ったりするくらいだった。
自分にとってカービィは「ちょっとマイナーだからこそいい」なんて思っていた。
 
そして、5年前の夏のキディランドのフェア。
Twitterでその情報を知った私は、「カービィと写真撮影ができる」というその日に行ってみると、70分という待機列に心底びっくりしてしまったのだ。
「私も大好きだけど、カービィってそんなに人気だったの?」って。
 
おそらく、その5年前のキディランドのフェアを一つの契機として、カービィのフェアがいたるところで開催されるようになった。
 
日本で最もカービィを愛する店舗の一つは、上野にあるおもちゃ屋ヤマシロヤだろう。
3Fには、常設のカービィコーナーを設置。フェアともなれば6Fのイベントスペースをジャックして、オリジナルグッズ販売、ぬいぐるみやパネル展示、寄せ書きコーナーなど、カービィ愛の詰まったイベントを定期的に開催している。
 
東京ソラマチには、コラボカフェとして、カービィカフェという夢のようなカフェが登場した。
あまりの人気ぶりで、月に一度の予約解禁日に1時間何度もアクセスし続けて、やっと予約が取れるというほどだった。
 
実際、「カービィがカフェをはじめました」という世界観で彩られたカフェの内装、カービイやその仲間たちのストーリーが見えてくるようなメニューには、苦労して予約を取る価値があるものだと思わせるものだ。
 
2017年の星のカービィ25周年には、アニバーサリーオーケーストラコンサートが開催された。
 
東京駅では、駅や電車をテーマにしたカービィフェアが開催され、ピーチジョンとコラボしたときには女性用の下着が販売され、ローソンでは、カービィを模した肉まん「カービィまん」が発売された。
 
なぜほんの7年前にはほとんどグッズも出ていなかったカービィが、ここまでメジャーになったのだろうか。
 
それは、各フェア・各グッズに対する、オーバークオリティすぎるほどの担当者の愛が込められているように思われる。
 
ゲームのグッズというと、ゲームのパッケージに描かれているビジュアルをそのままグッズにしたものをイメージするだろう。カービィにももちろんそういったグッズはある。
 
しかし、カービィがすごいと感じるのは、フェア毎にコンセプトや世界観を作り、グッズやビジュアルを新規に生み出しているのだ。それも年に複数シリーズも、である。
 
たとえば、2019年3月に開催されたマルイでのフェア。
カービィの1日をテーマに、朝は朝食や身だしなみ、昼はお買い物、夜はバスタイムといった3種類のタッチの異なる描き下ろしアートを制作し、そしてそれぞれグッズ展開しているという力の入れようだ。
 
カービィへの愛が、これでもかというほど感じられる。
その愛が伝わるからこそ、私は毎フェア足を運び、グッズを買い続けるのだ。
 
ところで、ここ7年くらい「カービィが好きだ」と言っていると、カービィを見るたび私のことを思い出す、という人が何人も出てくるようだ。
 
私にカービィグッズ情報を送ってくれる人、カービィを写した写真を私と一緒にタグ付けしてくれる人。世の中にカービィが広まれば広まるほど、私のことを思い出してくれる人が増えてほしいし、私に興味を持った人が、カービィのことを好きになってくれたらいい。
 
「何かが好きだ」という熱量は人をポジティブにさせる。
カービィフェア担当者の尋常でない熱量が、カービィをこんなにも愛されるキャラにまで成長させたし、おそらく私がカービィを愛する熱量を、私の身近な人がニコニコして見てくれているに違いない。
 
私も誰からも愛される存在でいたい。部屋にある、まんまるピンクの仲間たちを見ながらそう思うのであった。
 
 
 
 
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2020-05-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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