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焼酎女子になると得する理由

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:クエ(ライティング・ゼミ GW集中コース)
 
 
「あっ、もしかして焼酎好きなクエさん?」
 
心の中で、一瞬思った。
「えっ、なんでこの人私の名前知ってるの!? 一度も一緒に仕事したことないのに」
 
たまたま用があって、その人のデスクに伺っただけだった。顔は見たことあるけど、話したことは全くなかった。私の職場は人数が多いため全員の名前を覚えることはできなかった。もちろん、私に話しかけてきたその人も「焼酎女子」ということがなければ、私の事など覚えてはいなかっただろう。後で話を聞くと、私が上司に焼酎好きの話をしたため、珍しいから聞いてみたとのこと。焼酎が好きってだけで、珍しがられて、しかも名前も覚えてもらえるのか?何だか得たなと思った。
 
私のいう焼酎女子とは、単純に焼酎が好きな女子のこと。ネットで調べて出てくるような、焼酎はカロリーが低くダイエットに良いとか、美肌効果があるとか、そんなことはどうでもいい。匂いが臭いとか、おっさんくさいとか、酒豪が飲むものと言われても、そんなことは、もはやどうでも良い。おいしさが分からないなんていう声も、何度も聞いてきた。
 
焼酎の見た目はただの水と変わらない。なのに、飲んだ時に、鼻に抜けるあの香りがとても良い。さらに、芋・麦・米などの原料によって香りが変わるし、作った産地や銘柄によって喉越しも違う。アルコール度数は20度から25度と高めだから、少し飲むだけでほろ酔いになる。私のおすすめは水割りだが、夏はソーダ割にしたり、冬はお湯割にしたり、季節によって楽しみ方も変えられる。ついつい飲みすぎてしまっても、次の日に残らないところが、また良いところ。
 
私の周りに、焼酎女子はほとんどいない。後輩でも先輩でも特に女子の間で焼酎が好きというのが珍しい。ワイン好きや日本酒好きは結構いるのに、焼酎好きは少ない。もはや最近は、みんなハイボールだ。
焼酎の魅力を話したり、お手製の焼酎ノートを見せたりしても、「へぇ~、そうなんだぁ。変わってるねぇ」と、少し馬鹿にしたような感じで見られることが、ほとんどだった。
他人に自分の好きなものを強要しても意味がないと改めて気づかされた。他人は自分の話に興味はないんだと分かった。
 
いやいや、一度も話したことのなかった職場の方は、私に話しかけてきたよ?理由は、私が焼酎好きだということが珍しいからだったような?焼酎女子という珍しい存在でいたお陰で、職場の知らない人が名前を覚えてくれたり、上司・先輩・友人が飲みに誘ってくれたりする。
 
なんか状況って、私がアメリカに居たときに少し似てないか?
アメリカ人からしたら日本人の私は珍しい存在だから目立つ。彼らとは、髪の色も、目の色も、肌の色も違うし、言葉も違うから、興味をもって話しかけてくる。私のことをすぐに覚えてくれる。そして、仲良くなると、日本食レストランへ行くときに誘ってくれたりする。焼酎女子になることは、日本にいながらでも外国人のように異質の存在になり、簡単に覚えてもらえる方法なのかもしれない。
 
私が職場で上司に焼酎が好きだという話をしなければ、「この子、ちょっと変な子だな」と思われなければ、噂なんかされなかったし、話しかけられることもなかっただろう。人と違うということを余り気にせず表に出していたから、起こったことだ。
 
話は少し変わるけど、私は、焼酎女子は若ければ若いほど得られる認知度は高いと思っている。女の子らしい、お酒など飲めなそうなピュアそうな見かけの女の子が、実は酒豪と言われるほどの大酒のみで、さらに焼酎をこよなく愛したら、完璧だと思う。
 
ある日、退勤しようとした時のことだった。
 
「くえさん、焼酎女子なんだって~、前々から思ってたけど、いやぁ本当に変わってるねぇ。 あれ、おっさんが飲む飲み物だよ?もっとさぁ、女の子はカクテルとか、甘いお酒の方が可愛いんじゃない? 一緒に飲んでる男も引いちゃうかもよ?」
 
私が大嫌いだった上司に言われた言葉だった。うっさい、うっさい、うっさーーーい!おそらく、普通の男性が思っていることなんて所詮こんなもんだろう。よくぞ、はっきり言ってくれたよ、当時のパワハラ上司!30代で焼酎女子って、もはや、女子じゃないでしょとか言いそうだし。
 
焼酎女子を公表したら、今まで避け続けてきたパワハラ上司まで、私に話しかけてきてしまった。すごい。ちょっと珍しいと、そこまで人を惹きつけるのか。焼酎女子がもっと増えると良いな。
 
 
 
 
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2020-05-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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