ノイズキャンセリングヘッドホンは、本気で世界の平和を作ろうとしている
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:タカシクワハタ(ライティングゼミGW集中コース)
地下鉄大江戸線のドアが開くと、ベビーカーを押した家族づれが
よっこらしょと乗り込んできた。
僕の背中に緊張が走る。
電車が走り出すと、ベビーカーの男の子が不安な表情になる。
あ、ヤバイぞ。
やがて僕の不安は的中し、男の子がぐずり始めた。
来た。どうしよう。
僕は両眼を瞑って観念した。
あ、そうか。大丈夫だった。
僕には強力な味方がいる。
S社のノイズキャンセリングヘッドホンだ。
僕は大きな音が苦手だ。
苦手というよりも体調が悪くなってしまう。
昔から犬に吠えられると立ち竦んでしまったり、
ひどい時にはサイレンを聞いて倒れ込んでしまうこともあった。
特に苦手なのは地下鉄の音だ
そんな僕にとって地下鉄での通勤はまさに地獄である。
まず地下鉄のドアが閉まり、走り出すと、
「ういいいいんんきいいいいいいいいん」
という車輪の音が耳に突き刺さる。
やがてトンネルに入ると、今度は
「どどどどどどごごごごごごごご」
どいう音が頭の中に響く。
そして駅が近づくと
「きゅいいいいいんしゅううううううう」
というブレーキ音がまた僕を襲う。
「ういいいいんんきいいいいいいいいん」
「どどどどどどごごごごごごごご」
「きゅいいいいいんしゅううううううう」
一駅ごとにこれが繰り返される。
この繰り返しが35分間続くのだ。
職場の最寄駅に着いた頃には
心身ともにぐったりとしてしまい、
始業前なのにもう疲れ切っているという
訳のわからない状態で仕事を開始しなければならない。
もう一つ、苦手な音がある。
子供の泣き声だ。
「ぎゃあああああああああああん」
この声を聞いただけで頭が痛くなる。
特に電車で泣かれると大変だ。
「ういいいいんんきいいいいいいいいん」
「どどどどどどごごごごごごごご」
「きゅいいいいいんしゅううううううう」
「ぎゃあああああああああああん」
いけない。文字にしただけでも気分が悪くなってきた。
電車と子供の泣き声のタッグには何度もKOされている。
もちろん子供が電車で泣くのは仕方ないと思っている。
子供とはそういうものだ。
また、泣いている子供のお母さんの気持ちもよくわかる。
申し訳なさそうな顔をしておろおろしているお母さんは、
大変だろうなと思っている。
だけど嫌なものは嫌だ。
でも今は
「電車の中で子供が泣いているお母さんも困っているんだ。配慮しろ」
という風潮もありうかつに注意もできない。
かと言って我慢してしまうと今度は僕の体が持たない。
どうしたらいいんだろう。
そう思っていたときに出会ったのがS社のノイズキャンセリングヘッドホンだった。
この頼りになる相棒は、シャンパンゴールドのスタイリッシュな見た目をしている。
オーバーヘッド型のヘッドホンだが見た目よりもずっと軽く、
お母さんの掌でそっと包まれたような優しい装着感がある。
もちろんワイヤレスなので、何にも縛られない自由さも与えてくれる。
でも何よりも彼の最大の魅力は
そのノイズキャンセリング機能だ。
音が、消える。
本当に消えるのだ。
例えば先ほどの地下鉄での
「ういいいいんんきいいいいいいいいん」
「どどどどどどごごごごごごごご」
「きゅいいいいいんしゅううううううう」
という音が
「サーッ」という小川のせせらぎのような音になる。
つまり何やら小川の辺りで優雅に音楽を楽しんでいるように感じるのだ。
そして、何よりも子供の泣き声だ。
「ぎゃあああああああああああん」
あれだけ悩まされたあの音が
流れる音楽の向こう側へと消え去ってしまっている。
それだけではない。
あの子供連れが来たときの緊張感。
泣き出してしまったときの絶望感。
自分の身体を心配する気持ちとお母さんを気遣う気持ちの葛藤。
それらのネガティブな感情もスッと消えていくのだ。
やがてそうしているうちに
子供もどうにか落ち着きを取り戻し、お母さんの腕の中で眠り始める。
お母さんもほっとしている。
僕もほっとしている。
そこには誰も傷つかない、優しい世界が存在している。
僕の相棒の仕事はノイズを消すことだけではない。
優しくて、平和な世界を作っているのだ。
大江戸線のベビーカーの家族づれが、電車から降りて行った。
さっきの男の子はもう笑っている。
きっとこれから家族での楽しい1日が待っているに違いない。
そして僕も穏やかな気持ちで仕事に取り掛かれる。
僕の相棒は今日も平和な世界を作り続けているのだ。
もし、あなたがどこかで
このS社のノイズキャンセリングヘッドホンを見かけたら
ぜひ手に取ってみてほしい。
きっとあなたは驚くに違いない。
そのノイズキャンセリング能力と、目の前に広がる優しい世界に。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
★10月末まで10%OFF!【2022年12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《土曜コース》」
天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
天狼院書店「プレイアトレ土浦店」 〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。