笑顔はごはん
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:田中柚衣(ライティングゼミ日曜コース)
落ち込んでいるとき、元気を取り戻すことは、とても難しく感じます。
笑顔になりたいと思っていても、そう簡単に気分を切り替えることってできません。
沈んだ心を浮上させることは難しくて、笑顔を取り戻すには時間がかかります。
そんな人ってきっと多いのではないでしょうか。
でももしかすると、自分を笑顔にすることって実は簡単なのかもしれません。
笑顔ってごはんみたいなものなんです。
それを教えてくれたのは、一つの動画でした。
外出自粛が続いて、ゴールデンウィークでも「あれもこれもできないなぁ」なんて、なんとなく元気がなくなるような今日この頃。
その日の私は何もする気が起きなくて、ボーっとYouTubeを眺めながら、いろんな動画をつけては消してを繰り返していました。
その時見つけたのが、「ぼよよん行進曲」の合唱動画です。
この動画、NHK「おかあさんといっしょ」内で人気のある「ぼよよん行進曲」と言う曲を、番組を卒業したお兄さん、お姉さんたちがリモートで合唱するというものなのですが、私の心は一瞬で、この動画にくぎ付けになりました。
楽しい音楽にのせて、画面の向こうに語り掛けるように歌うおにいさん、おねえさんたち。画面には、とても元気で楽しそうな皆さんの笑顔がいっぱいに映っていました。こんなに明るい笑顔を見たのは本当に久しぶりでした。
動画が終わった後も、私は何度も何度もこの動画を再生しました。なんだかこの歌からは凄く元気がもらえるような気がして、もっと聴きたいと思いました。この動画を見ている内に私の頬は自然に緩み、手は振り付けを真似するようになっていました。私は頭の霧が晴れたように感じて、ふと、ある考えが頭を過りました。
「もしかしたら、私は人の笑顔が見たかったのかもしれない」
曲が素晴らしい、歌が上手い、この動画が素敵な理由は沢山あります。
でも何より私が心を奪われたのは、おねえさん、おにいさんの明るい元気と笑顔だったのではないか、私は人の笑顔を求めていたのではないか、そう思いました。
最近は、テレビを見ても周りを見ても、誰かの元気な笑顔を見つけにくかったような気がします。どちらが先かは分からないけど、どうしようもない不安の中で、私の気持ちが沈んでいくのと同じように、周りの人たちの気持ちも沈んでいるように感じます。
「人間関係とは鏡みたいなものだ」「相手の表情は自分の表情を反射している」なんてどこかで聞いた気がしますが、今までは「相手の感情を変えるには自分から」という意味しか受け取れなかった言葉からも「自分の感情も他人によって変えられる」という意味があったのではないかと思うようになりました。
もし本当に相手の表情が自分の表情を反射するのならば、自分で笑顔を作れないときは無意識に人の笑顔を求めているのかもしれません。
笑顔はまるでごはんのようです。
おなかがすくと、元気もやる気もなくなっていきます。
でもごはんを食べると、体に栄養が巡って、体に力が入るようになります。
それを知っているから、お腹がすいたらご飯を食べます。
きっと笑顔も同じように、足りなくなったら元気が出なくなってしまいます。
でも、心が沈んで自分では立ち直れなくなっても、笑顔を見つけることができれば、その栄養は体を巡って、再び体に元気を届けます。
気づきづらいけれど、笑顔もごはんと同じように、生きるために必要なものなのかもしれません。そして、自分の心の元気を取り戻すことは、空腹を満たすことと同じように、実は簡単なことなのかもしれません。
そのことを、わたしは「ぼよよん行進曲」とNHKのおにいさん、おねえさんに教えてもらいました。
楽しいことや嬉しいことがあるとき、人は自然に笑顔になります。その笑顔はもしかしたら誰かの栄養になって、誰かの心を元気にするかもしれません。なにか悲しいことがあっても、笑顔をくれる友人や家族、その笑顔の場所を知っていれば、きっとまた元気になることができます。大切なのは、「笑顔は生きるために必要な栄養」だということを忘れないことだと思います。
私たちは体の不調には敏感でも、心の不調には鈍感です。
今は笑顔を見つけること、笑顔になることは少し難しいかもしれないけれど、こんな時だからこそ、笑顔はきっと必要です。
お腹がすけば何かを食べるように、心が沈んだ時も、同じように何かを行う必要があるはずです。気分が沈みやすい時こそ、自分の心の不調に耳を傾けて、心に栄養を与える必要があるはずです。その栄養の一つは笑顔になること、笑顔を見ることなのかもしれません。
人と人との物理的な距離が離れていく、離さなければならない時こそ、人とのつながりを大切に、互いに笑顔の栄養を送りあう必要があるのではないでしょうか。
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