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自分という名の楽器を磨け


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:稲垣憲治(ライティング・ゼミGW集中コース)
 
 
「私、人前で話すの苦手なんです」
「私はとっさに自分の意見を言うことができないんです」
「私にとって、論理的に考えるってことが難しいんです」
 
私のところには、よく学生が相談に来る。
大学教員をしているので、相談に来てもらうのは良いのだが、自分ができないと思うことばかりを山のように抱えてくる。
 
その表情は不安でいっぱいだ。
自分はこんな状態で就職できるんだろうか?
就活で他の学生との戦いに勝ち残れるんだろうか?
何とか今見つけてしまったこの穴の数々を埋めてしまいたい。
なんとかなるんだろうか?
 
はっきり申し上げて、その不安な表情で面接に臨めばどこからも内定は出ないだろう。
自信のない、おどおどした人を欲しがる企業はないのだから。
 
でもそんなことは言わない。
笑顔で、こんな感じで返事をする。
「そうですか。では、あなたのできること、得意なことは何でしょうか」
 
そんな問いに、虚を突かれたような、きょとんとする学生がほとんどだ。
 
あなたも一度くらいはオーケストラの演奏を見たことがあるだろう。
演奏会に出向いてでないにしても、たまたまテレビCMで、映画のワンシーンで、Youtubeでとか。
 
その場面では、一つの曲を奏でるために、小さなオーケストラで40人くらい、大きくなると100人を超える人たちが集まっていただろう。
 
それぞれのメンバーが持っている楽器の種類も多種多様だ。
まず、ヴァイオリンに代表される弦楽器、
次にクラリネットやオーボエなどの木管楽器、
そしてトランペットやトロンボーンなどの金管楽器、
さらにシンバルやティンパニなどの打楽器、
何も楽器を持たない指揮者なんて役割もある。
 
ひとつ一つの楽器はその音色も違えば、出せる音の高さ(音域)も違う。
演奏方法だって、弓で擦ったり、息を吹いたり、バチで叩いたりと様々だ。
 
当たり前のことだが、一つの楽器のプロだからと言って、別の楽器も同じとは限らない。
例えば、プロのクラリネット吹きがヴァイオリンを同じようにプロフェッショナルなレベルで演奏できるわけではない。
 
そんなクラリネット吹きに、あなたは音楽家なんだからクラリネットだけじゃなくて、ヴァイオリンももっと弾けなくちゃいけないでしょ! などと言う人はいない。
 
もっと当たり前のことだが、低音楽器、例えばベースの受け持っている楽譜をヴァイオリン奏者に渡しても、彼はそれをベースのように弾くことはできない。
なぜなら、ヴァイオリンという楽器はベースの音域の音を出せない楽器だから。
 
誰もそれを責めたりはしない。
ヴァイオリン弾き本人だって、それを恥じたりはしない。
だって元々そういうものなんだから。
 
じゃあ彼らがプロフェッショナルとして日々行なっていることは何か。
それは、自分が選んだ楽器の特性をとことんまで理解し、その楽器の持つ多彩な音色を極限まで引き出し、持てる音域の隅々まで響かせるように工夫をし、自らのコンディションを整え、最高のパフォーマンスを出せるように日々鍛錬し続けているのだ。
 
あなたもまずは自分という楽器をよく見つめてみよう。
他の誰かが簡単にできることが、今のあなたには難しいかもしれない。
良いじゃないか。
その分、誰かにできないことで、あなたにできることもある。
だってあなたは他の誰でもない、あなたなんだから。
他の人と楽器が違うんだから。
 
こんなことはないだろうか。
自分としてはちょっとしたこと、当たり前のことをしただけ。
でも、人から、すごいね! とか、やるじゃん! って言われたこと。
 
自分にとって自然にできでしまうこと、当たり前のこと、なんの苦もなく出来てしまう事。
それこそがあなたという楽器の音色であり、音域だったりする。
 
それとなく人を気遣って声をかけてあげられることかもしれない。
じっくりと相談に乗ってあげられることかもしれない。
夢を追いかけている人のサポートをしてあげられることかもしれない。
 
まずはそれらを意識してみよう。
 
ああ、そうか、私はそんなことが出来ていたんだ。
 
そう、あなたには出来ることが元々あったんだ。
ただ気づいていなかっただけなんだ。
 
まずはそれを十分味わおう。
自分という楽器が奏でられる音楽を。
 
そうしたら、その自分という楽器の魅力を極限まで伸ばしてみようじゃないか。
それは、別の楽器を練習するより、違う楽器のための楽譜を練習するより、格段に楽なはずだ。むしろ楽しいことかもしれない。
だって、そもそも基礎は出来ているんだから。
 
そうやって、自分の楽器の音色を磨き、音域を美しく奏でる努力を続けていると、ある時気づくはずだ。
 
あれ? できることが増えてきている。
 
あの頃より人前で話すのが苦痛でなくなってる。
ある程度は自分の意見を言えるようになってる。
人にうまく伝えられるようになってる。
 
どうしてそんなことが起こるのか。
それは、自分の特性を知ったからだ。
 
私は、前に出てグイグイ引っ張っていくことは得意ではないかもしれない。
でも、そんな人を支えてあげることはできるってことを知っている。
 
私は、自分のためには意見は言えないかもしれない。でも、意見をいうことで人を助けることができるなら、勇気を出すことができる。
 
私は、人に寄り添ってサポートをしたい人だ。そして、より多くの人をサポートしようとしているうちに、伝える力が伸日てきたんだ。
 
自分の特性を知ることで自信(まさに自分を信じること)を強め、苦手だ、出来ない、と思っていた壁を徐々に乗り越えていったのだ。
 
自分という、世界に一つしかない楽器を大切にして、それを周りの人のために磨くこと、奏でること、そんな取り組みをコツコツと積み重ねていくこと。
 
それが社会に出て、組織という、多くの人が集うオーケストラで、仲間として受け入れられ、美しい音楽を一緒に奏でるための準備になるってことを知っておいて欲しいと思う。
 
自分らしく、自分を磨け!
 
 
 
 
***
 
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2020-05-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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