メディアグランプリ

感情移入からのコロナ断捨離


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記事:渡辺 彩加(ライティング・ゼミ 通信コース)
 
 
毎日イライラする原因は自分でもわかっている。
やることリストを毎日こなせていないこと、
家事がおろそかになっていること、
ちゃんと食事ができていないこと、
でも一番の原因は、この散らかっている部屋が大嫌いなことだ。
 
昔から、ドラマでも映画でも舞台でも、人一倍感情移入しやすい。
すぐ主人公の悲しい気持ちに共鳴して、涙が出てしまう。
感情が振り回されるとわかってから、ホラーやバッドエンドの物語を見ることを避けてきた。ハッピーエンドの物語を見た後だと、その後の生活にも影響が出る。
 
感情移入しやすいのは、物語だけではない。物にも、感情移入してしまう。
手紙や、プレゼントでもらった物、思い出の品などだ。
その品物を見るだけで、感情が湧き上がってきてしまう。
 
ああ、20XX年、XX月XX日にあの人とあんなことがあったなぁ。
これは、あそこの角のお店で見つけたんだっけ。
 
いろんなことを思い出すきっかけになる。
手紙は特にそうだ。感情がリンクしてしまい、手放すことができない。
 
感情が揺さぶられてばかりだから、部屋にはものが溢れている。
服だって、
これはあの人に似合っていると言われたもの、
これはあの人にプレゼントされたもの、
いろんな思い出が蘇って、手放すことができずに、山になっていた。
 
部屋の机の上、椅子の上、床にも収納に入りきらないくらいのものが溢れかえっている。
トイレに行くだけでも、大股で物の山を2回乗り越える必要がある。
 
これは、集中して作業できるスペースが、家の中にはないということだ。
やることリストがあっても、服の山が目に入る。
左を向けば、本の山が目に入る。
ああ、片付けてから、作業に取り掛かった方がいいかな……。
しかし、数十分で片付けられるわけもなく、疲れてしまい、やることリストもこなせず、
1日が終わっていく。悪循環である。
 
そんな時、新型コロナウイルス感染拡大、緊急事態宣言、自粛。
家での作業が余儀なくされた。
 
ええ、まじか。いやいや無理だって。
カフェも、無料事務スペースも閉鎖。うわぁ。
 
最初の数日は、段ボールの上にパソコンを置いて、正座で作業をしていた。
足痛い。お尻も痛い。
ミーティング中は足をくずすこともできない。
一回やってみたけど、ビデオ会議中に膝ががっつりうつってしまった。
これは、作業に向いていないと痛感した。
 
いや、他の選択肢はない。
机と椅子の上は物で溢れているぞ……。
片付けは果てしないぞ……。
 
いつもだったら、必要な書類だけ持ってカフェに逃げたり、
作業スペースに行くことができるのに。
 
片付けしている時間がないまま、やることに追われていく。
 
ついに、その時は訪れてしまった。
ボコン。
ダンボールが耐え切れず、蓋が開く形で、穴が空いた。
 
一瞬、何が起きたかわからず、固まる私。
数秒後。
よし、今週末、部屋の掃除をしよう。
 
掃除のやり方、分別の仕方、モチベーションの上げ方。
色々調べていくうちに、「コロナ断捨離」が流行っているらしいことがわかった。
家にいて、部屋の掃除が進むのだろう。
もしくは、私みたいに今まで汚い部屋を放置していて、片付けをせざるを得ない人たちが大量発生したか。
 
「フリマアプリで使わないものを24時間以内に売るコツ」
「汚部屋だった僕が、ミニマリストになるまで」
 
おお、結構記事も動画もある。
再生回数が多いということは、みんな見ているんだなぁ。
 
週末で全てを片付けるのは結局無理だった。
机の上のもの、椅子の上のものを全て床に置いて、
机で作業をすることには成功した。
代わりに、少しずつ、少しずつ片付けをすることにした。
ビデオ会議だと、背景みせられないけど。
 
モチベーションを上げるために見ていた記事が動画の中で見つけ、
私に一番影響を与えたのは、
「365日のシンプルライフ」という映画だ。
主人公は、部屋の中のものを全て倉庫に預け、裸で生活を始める。
1日に1つだけ倉庫から出していいというルールだ。
 
流石に、人は裸では生活できない。
服を取りに行き、食料を保存しておくための冷蔵庫を取りに行き、
空っぽで始まった主人公の部屋は、少しずつものが戻っていく。
しかし、1日に1つしかものは取れない。
何が必要か吟味して物を取り出している。
主人公は何を取りにいくか悩むが、ものが少ない生活を楽しんでいるのである。
 
その映画を観た後、私の掃除は加速した。
これは、私の生活に必要なものかどうか。
映画に出てきたかどうか。
判断基準が明確にできたからである。
 
これがなくても、生活には困らない。
それらの品物は、24時間以内に売るコツを使って、フリマアプリに出品した。
売れたのは、48時間後だったけど。
アプリにもなれ、いくつか売ることができた。
 
映画には出てきていないが、今の私に必要なものは残した。
写真や、置物も生活には必要ないかもしれないが、心を豊かにするものとして残した。
 
机や椅子の上だけではなく、本棚、洋服ダンス、キッチンまで、少しずつだが、
確実に整頓されていき、綺麗になっていった。
 
コロナ断捨離、多くの人が取り組んだのではないだろうか。
自分に必要なものを見極め、生活を整えていく作業。
この作業は大切なものだと痛感した。
一方で、フリマアプリなどに溢れている大量のもの。
これだけのものに溢れ、囲まれて生活しているのかと気づくきっかけでもあった。
 
ものに生活も感情も支配されないよう、
家から出られるようになっても、生活を見直す片付けを続けていこうと思う。
 
 
 
 

***
 
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2020-05-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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