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運命の赤い糸は、なぜ赤色なのか?


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記事:石川サチ子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
運命の赤い糸ってありますよね?
 
その由来は、中国の「太平広記」という伝説に記載されてお話だそうです。
 
「いつか結ばれる男と女は足首を赤い糸(赤い縄)で結ばれている。この赤い糸をつかさどるのは月下老人という老人で、結婚や縁結びの神だという(引用元:ウィキペディア)」
 
しかし、なぜ運命の糸は赤色なのか。ピンクや黄色ではダメなのか。
 
見えない糸なのに「赤色」だどうして分かるのか。
 
ずっと疑問でした。
 
そもそも運命の糸というものが、ホントに存在するのかどうか、ということすら怪しいのに。
 
だけど、私は固く信じていた時期がありました。夢見る結婚前ですが。
 
「結婚するなら、運命の糸で結ばれた人としたい」
 
当時は、本気で考えていたんですね。
 
しかし、親や親類たちからは、お見合い結婚を強くすすめられました。
 
「どこそこの、誰々の家で、いい人を探している」
 
親たちは、私が何の資格も持たず、いつクビになるか分からない仕事をしていましたから、将来の行く末を心配して、縁談をいくつも持ってきてくれました。
 
会社の先輩上司からも、「こんな人がいるから一度会ってくれませんか?」という紹介もあり、私にはもったいないようなお相手と実際にお見合いをしたことも何度かあります。
 
ただ、当時はすごく頑固だったんです。
 
「一度しかない人生なのだから、結婚するなら運命の人と一緒になりたい」
「生まれる前から定められていた、運命の赤い糸で結ばれた伴侶と一緒になりたい」
 
結婚前は、結婚というものをすごく神聖なものだと信じていたんですね。
 
その点、お見合いは、作為的で人工的なイメージを持っていました。なぜなら、お見合いは、運命の結びつきという天からの計らいを人間の手で操作するものと考えていましたから。お見合いを運命の遺伝子操作と密かに名づけておりました。
 
私自身が思いっきり、何代にも渡る運命の遺伝子操作で生まれた子であり、両親、祖父母、その先の代まで運命の遺伝子操作(お見合い結婚)なのですが。
 
だからこそ、運命の赤い糸に強いあこがれを抱いていたのかもしれません。
 
運命の糸で結ばれた相手を探せば探すほど、恋愛はうまくいきませんでした。
 
ビビビーと雷に打たれるほど強烈な印象を持った人と出会うと、
「とうとう私にも順番が回ってきたか」
「この人が運命の赤い糸で結ばれた人なのかもしれない」
 
そんな邪念が沸き、そわそわ浮き立って、声のトーンも高くなり、仕草や言葉遣いも意識して動きがぎこちなくなってしまうのですね。
 
それはあたかも、練習不足なのに、本番の舞台に立たされた役者みたいな感じでした。
 
私は、一般的な男性が好まれる女性になりすまし、優しくおしとやかなフリをして、普段使わない言葉を使い、品格の本でにわかに品性について学び、女性アピールを全開にしておりました。
 
そんな演技、続きません。すぐにボロが出ます。本性はがさつな女です。私の正体を知るや否や、お相手は一気に冷めて、音信不通、もしくは消息不明になってしまいました。
 
そんなときはこう考えてため息をついたものです。
 
「私は、運命の糸にもてあそばれた操り人形ではないのか」
「運命はなぜ私をこうも翻弄するのか」
 
それでも、親からは「早く結婚して安心させてくれ」という圧力がかかり、その度に運命の赤い糸をずいぶん恨んだものでした。
 
そんなある日。
 
鍼灸の先生にお灸をしてもらっていた時のことでした。
 
うつ伏せになりながら、背中にお灸を当ててもらい、ポロリと吐露しておりました。
 
「親には結婚を迫られる、私は運命の人と結婚がしたい、だけどなかなか結婚できない」
「結婚って、難しいですね」
 
そんな悩みを打ち明けると、先生は、さらりとおっしゃったのでした。
 
「結婚なんて、もの好きが一人いればできるから」
 
この一言、効きました。
 
確かに、結婚相手は一人で充分です。
 
その一人が、「もの好き」であり、私のような「がさつな女が良い」と言う人が出現すれば、縁談は成立します。
 
「縦食う虫も好き好き」というように、そんな「もの好き」がたった一人いたら結婚なんて別にそんなに難しいことではないのでは。
 
考えてみれば、ごく当たり前のことに気づいたのでした。
 
それから、ビビビーて恋に落ちるような出会いを期待せず、ただただ「もの好き」が現れてくれるのをひたすら待つ、というスタンスにしました。
 
あとは、私自身が「もの好きが」現れたときに、その「もの好き」を受け入れるだけのキャパがあれば話はまとまるはずです。
 
そうしたら、肩の荷がスッと降りて、結婚に対して楽な気持ちになりました。
 
自然体にして、ただの「がさつな女」丸出しでいたら、現れたんですね、「もの好き」が。
 
それが、主人です。
 
結婚して子供が生まれ、10年ほどした頃。
 
たまたま、心斎橋にある前世を見れるという喫茶店のオーナーに私と家族の前世を見てもらう機会がありました。
 
そのオーナーが言うには、
 
「あなたは前世で、あなたの娘さんと夫婦だった。ご主人はその二人の間の子供だった」
 
これを聞いたとき、衝撃でした。
 
「娘と夫婦だった?」
 
最近まで私の乳を吸い、一緒に寝ていた娘ですが、まさか夫婦だったとは。
 
「主人が子供?」
 
私は、前世で自分の子供だった人と結婚してしまったのか。
 
思わず、そのオーナーに質問しておりました。
 
「そんなことって、あるんですか??」
「それって、きんしんそうかん…」
 
そのオーナーは、真剣に答えました。
 
「大抵は、前世で家族だった人が、現世でも縁を結ぶんです」
「だから、運命の糸は、血縁関係を表す赤なのよ」
 
ほー、なるほど。
 
運命の糸が赤色なのは、前世での血のつながりを表しているようでした。
 
諸説あると思いますが、妙に納得した次第でございます。
 
それにしても、結婚前に勝手に思い描いていた、あの神聖なイメージ。あれはいったい何だったんでしょうか。
 
 
 
 
***
 
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2020-05-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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