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「ヤル気スイッチ」が見つからないと思ったら


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:竹下優(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「ヤル気スイッチ、君のはどこにあるんだろう」
昔、学習塾のCMで歌われていたフレーズである。
初めて耳にしたその日から、妙に脳裏にこびりついてしまい
今でも、ことあるごとに口ずさんでしまう自分がいる。
 
何せ私は、自他共に認める「尻に火がつかないと物事に取りかかれない」グータラな性格。
やらなきゃいけない、と頭では分かっているものの、ついつい後回し、そして忘却の彼方へ飛んでいくことも。
レンタルDVDを返し忘れ、公共料金を支払い忘れ……
ひとりの社会人として、他人様に迷惑をかけるのはさすがにマズいと
“最低限”には気をつけるようにはなったが、自分だけのこと、つまり家事となると、話は別だ。
 
掃除、洗濯、食器洗い……いかん、単語を見るだけでも面倒くさい。
仕事を終えてやっとこさ帰宅したのに、まだ家でも働けというのか!
“家で過ごす時間をなるべく短くして、家を汚さない”をポリシーにしてやり過ごしてきた私に、
絶体絶命のピンチがやってきた。
 
―新型コロナウイルス感染拡大を防止するため
可能な限り全員、明日より“テレワーク”としてくださいー
 
見える、見えるぞ。
書類がそこらじゅうに積み上げられたリビング、一向に畳む気配の見られない洗濯物、
“ついうっかり”出しそびれてしまった大きなゴミ袋……。
 
4月初旬、家が“死の森”と化すのではないかと身震いしたが
意外や意外、まもなく2ヶ月が経過するテレワーク生活は順調そのもの。
むしろ以前よりスッキリ片付いた住空間に我ながら驚きを隠せない。
 
秘訣は“ヤル気”の正体を突き止めたことにある。
ヤル気というやつは、スイッチで入るものではなく
寄せては返す、波のようなものだったのだ!
 
私自身は残念ながらサーフィンをしたことが無いのだけれど、
恐らく“ヤル気”の扱い方は、良い波をとらえて乗っかるのに似ていると思う。
資料の作成が終わったあと、あるいは大量のメールを返し終えて
相手からのリアクションを待っている時なんかに
本当に“ふっ”とヤル気は顔を覗かせる。
 
「床にゴミが落ちている……今のうちに掃除機でもかけとくかな」
「そういえば、食器乾燥機に入れていたグラスがそろそろ乾くかも」
 
覗かせたヤル気はすぐさま捕まえないと逃げてしまう。
そそくさと腰を上げ、飽きないうちに家事を済ませて、再びデスクに戻る。
ちなみに、この“ヤル気”の波は毎回大きさが異なるので、
思いついた事柄を済ませる頃にはすっかり引いてしまっていることもあるし
ビッグウェーブがやって来て、排水溝のヌメリ取りや蛇口の水アカ掃除にまで乗り出すこともある。
 
いつ、どのタイミングで、どの大きさがやってくるのか分からない。
待ちぼうけを食らう時もあるけれど
うまく波を乗りこなすことができた時は、最高に気持ちが良い。
 
この“ヤル気サーフィン”を繰り返すうち、
良い波はテレワークの最中、特にweb会議が終わった後と
仕事相手からのリアクションを待っている時にやって来がちなことも分かってきた。
 
ポイントは、どちらも“アイドリング”状態であること。
仕事をしているので、集中力や判断力は高まっている。
しかし、タスクとタスクの間なので実際には手が止まっている。
そんな時にふと、「そうだ、家の中にも仕事があるじゃないか」と思いつき
ヤル気の波が押し寄せてくる……のではないかと推察している。
 
思い返せば、近年、私の人生における“ヤル気のビッグウェーブ”は
どれも仕事の内容や働く環境に慣れ、アイドリング状態になった時にやってきた。
 
恋人もいない、1人で夜毎ハシゴ酒に繰り出すのを至上の悦びとしていた3年前。
それなのに突然「そうだ、結婚しよう」と思い立ったのは、
日々の仕事は充実しているものの
「同じことの繰り返しになっているのでは?」 と感じ始めた頃だった。
 
「やっぱり私、“人柄”が透けて見えるような文章が書けるようになりたい!」と
ライティング・ゼミの受講を決めた昨年末。
仕事や勉強といった“努力”が求められる事柄を
プライベートに持ち込むのは大嫌いなのに、
それでも「自分の時間を使って勉強しよう」と思い立ったのは
大学卒業から同じ会社で働き続けて間もなく10年、
仕事は好きだけれど、刺激や変化が足りていなかったのかもしれない。
 
どちらの“ヤル気の波”も、あまりに大きすぎて
前日までは考えもしなかったような、突拍子もないことを思いついた上に
それをすぐさま実行に移してしまったのだ。
いずれも“乗りこなす”というよりは“必死に立っている”というのが現状だが、
ビッグウェーブを見逃さなかったという点においては、非常に満足している。
 
そう思えば、今のテレワークも外出自粛も、悪いものではないのかもしれない。
 
「この時期をどう過ごすかで、これからが変わる!」
「こんな時こそ、皆で頑張ろう!」
力強く、前向きに努力している人たちを見るにつけ
気乗りしない自分のグータラさが恥ずかしく、
「私のヤル気スイッチは一体どこにあるのだろう」と焦って探したりもした。
 
けれど、在宅テレワークのおかげで
私のヤル気はスイッチシステムじゃないことに気がついたし
この期間は、長い目で見たら、ひょっとすると“アイドリング期”かもしれないじゃないか!
 
しばらくしたらきっと、自分でも驚くような思い付きを携えて、ビッグウェーブが来てくれるはず。
そう信じて今は、小さな“ヤル気の波”をキャッチして、
せっせと家仕事にいそしむのである。
 
 
 
 
***
 
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2020-05-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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