人生のルール
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記事:山本 和宏(ライティング・ゼミ通信コース)
「山本さんも第二関節派ですか?」、
「えっ」 何のこっちゃ?
とピンと来なかった。
たまたま、エレベーターに同僚と一緒に乗った時、僕が行先階のボタンを人差し指の第二関節で押したところを見て、そう言ったのだ。
自分では余り意識していなかったけど、なんとなく「ふぅ〜ん」 という感覚だけが残った。
人生のルールと言われると、結構かしこまったイメージを持つ方も多いと思う。
そこまで、仰々しくはないが人生のルールについて、この日に思ったことを書いてみる。
話は、最近の新型コロナウィルスからである。
その同僚が手を洗う頻度が増えたと言っていた。 結構洗うので、手が荒れるとも言っていた。
見せてもらったところ、本当に手が荒れている。
元々潔癖性でよく洗っていたらしいが、新型コロナウィルスの影響でマスマスその頻度が増えたらしい。
ウィルスや汚れ、そして手荒れに大変気を使っており、皮膚に負担をかけず洗浄力の高い洗剤を調べて使っていると言っていた。
僕もそのスペシャルな石鹸を教えてもらった。 はたしてどんなものなのかとネットで調べたが、在庫無しとなっていた。 多くの人が同じことを考えているのだろう。
さて、この同僚はエレベーターに乗る際には人差し指の第二関節で行先の階と閉まるボタンを押す。
理由はウィルスが指に付くと、その手で使ったスマホに付着して家に持ち込まれ、食べ物や食器に移り、自分や家族の体内に入って感染する、そんな事を連想しているらしい。
「なるほど、 まぁわかる」
僕はどちらかと言えば、「可能性は否定しないけど、本当にそんな……」 と思うタイプの人間だ。
面白かったので他に無いかと聞いてみると、以前は週5日の頻度でスポーツジムに通っていたことがあり、仕事が終わった後、何時であろうと通ったらしい。
そのために24時間営業のジムを選んだと言っていた。
そのころは、きょうスポーツジムに行かないと、昨日まで頑張ってきた自分に申し訳ないという想いが湧いてきたという。 このルールに縛られ日付が変わる時間になろうが5年間もジム通いを続けてきたらしい。
しかし年齢と共に、段々と体の負担も大きくなり辛くなり、
とうとう、たいそうな理由をつけて、ある年齢を区切りにそのルールと決別することにしたとのことであった。
このルールを聞いて、ぼくにもルールがあるなぁと思った。
例えば、些細なところで言うと、我が家に壁掛けカレンダーが2つあるが、僕のルールは月が明けるその直前に2つのカレンダーをめくることである。
数日前から「今日めくるか、明日めくるか 」 なんとなくザワザワしてきて、タイミングをはかり出す。
めくるのは直前でなくてはならない、月をまたいでもダメなのだ。
そして、家族ではなく、僕がめくらなければいけないのだ。
めくると、「ああ、今月もやったぞ」というような安堵感と充実感を得られる。
僕はコーチングなるものを学んでいるのだが、コーチングの中でこのルールを扱うことがある。
僕が学んだコーチングの流派では見方とか視点って呼んでいる。
時々、僕もこの見方に囚われたくは無いんだけど、無意識にここからの見方にハマってしまっていることがある。
例えば、「カレンダーは月末にめくらなくてはならない」 とか、「カレンダーは自分がめくらなければならない」とかである、めくれない時には後悔とか残念感が湧いてきて、なんとなくブルーになってしまう。
必要のない感情である。
そういうルールを持っている人は意外と多いことに気づいた。
第二関節の同僚も同じように指にウィルスが付着すると、
色々と経由して体に入って「健康を害する」そんな見方から、
エレベーターのボタンには指で触れてはならぬという見方があり、 自分の行動や心理
が窮屈になっているのでは無いか?
もし、人差し指で行先階を押してしまったら、不快な気持ちになりどれだけ手を洗うのだろう。
人生にはだれかれ皆んな色んなルール(見方)を持っているのではなかろうか?
もしかすると新興宗教もこのルールをたくみに利用して信者を縛っているのかもしれない。
第二関節の同僚レベルだとまだ良いのかもしれないけど、人生においても自分で決めたルールによって同じようにドン詰まりになっている人は多いと思う。
例えば、仕事は一人でやり切らなくてはならないもの、
あるいは、人生を楽しむ為には、お金はたくさん稼がなくてはならない、
こう考えると、仕事が大変な時でも同僚や先輩に相談ができなかったり、深夜までの残業で心身を壊したり、お金第一で家族を顧みなかったり、自分の人生に悪影響を与えてしまうこともあるのではなかろうか。
もちろん、ストイックという呼び方もあるだろう、もしくはゲン担ぎもあるだろう、
イチロー選手のような人物に憧れはあるが、自分の人生を楽しく生きるためにルールを見直してみるのも軽やかに生きる秘訣のような気がする。
僕はコーチングを通して、人生のルールに浸っている人たちに軽やかな人生を届けたい。
***
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