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好きなものを「すきだ」と伝えること


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:藤原 千恵(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
明日の洋服は何を着ようかな、と迷っているときは、大抵の場合ワクワクしていることが多い。
例えばはじめてのデート、久しぶりに友人と会うとき、ちょっとおしゃれなレストランに食事に行くとき。
その場所にぴったりで、そして何より、好きなものが着たい。
それを身にまとっている自分が、いつもよりもちょっぴり「いい感じ」だと思える洋服を選びたいと思うはずだ。
 
私は以前、アパレルショップで販売員として働いていた。
洋服が好きなのはもちろん、お客さんと話しながら要望に沿った洋服を選んでいくことがとても楽しくやりがいがあった。
 
様々なお客さんと話す中で、気がついたことがある。
それは、好きな洋服を選ぶより、自分に似合う洋服を選ぶ人が圧倒的に多いということだ。
もちろんそれは大事なことだと思う。自分に似合う洋服を身につけているだけで、いつもの自分よりバージョンアップした気持ちになれる。
ただ、もしその洋服が自分の好みではなかったら……
例えば、好きな色はピンク色なのに、何かの本や診断などで「あなたにピンク色は似合いません」と言われたら、果たしてもうピンク色の洋服は着てはいけないのだろうか。
知らない誰かや、何かの本に決められた洋服を妥協して着ているとき、それは果たして「自分の好きなじぶん」でいられるのだろうか。
 
店頭に立っていた時、印象的だった出来事がある。
「発色のいい綺麗な色(ビビットな青や赤)が好きなんだけど、でも年齢的にもう落ち着いた洋服を着なきゃいけないと思って」
と相談してくださる方がいた。あまり派手な洋服はもう着られない、でも好き。
気持ちはとてもわかるし、「好き」はやっぱり大事にしてほしいな。
その思いで提案した色物、それは綺麗な青色の小ぶりなバック、カジュアルなパンツスタイルの時にちらりと見える赤い靴下、麻素材のシャリっとしたピンク色のブラウス。
「ベーシックな色の洋服に、例えばこんな小物を合わせるだけで気分がぐんとあがりますよね」
と伝えたら、
「そうね、好きは諦めたくないわよね」
と笑顔で言い、その色物の小物たち、派手になりすぎないピンク色のブラウスを購入して帰られた。
 
また、ある日のお客さんとの出来事。
「今度デートなんですけど、彼は緑色が好きなんです。だから緑色のものを探していて、なかなか見つからなくて悩んでいて……」
と言われた。なんて素敵な悩み事なんだろう!
「素敵ですね! 緑色のものですね!」
と嬉々として答えた。が……
緑色の洋服はその時店頭には置いていなくて、しかも季節が秋だったからか、緑色というよりはカーキ色のものが目立っていた。
それでもデートに好きなものを身につけて欲しくて、洋服のこと以外にも色々なことを聞いて、話した。(彼との出会いや好きなところまで教えてくれた)
その時ふと、あれ? 洋服でなくてもいいのかも、と思い、
「緑色のもの、お洋服でなくてもよろしければ、こちらはいかがですか?」
提案したものは、緑色のビーズで装飾したピアス。髪も短めでスッキリとしていたから、このピアスはとても似合うだろうなと思った。
「そうか、洋服だけじゃなくてもいいんですね!」
そう言って、これ、デートにつけていきますと言って手にしてくれた。
 
洋服にまつわる話は、10人のお客さんがいればそれぞれ違う10通りのエピソードがある。
スタッフとの会話を苦手としている方ももちろんいるだろうから、無理に要望を聞き出そうとはしない。
ただ、その人の隠れた要望を見つけた時は、お客さん本人も気がついてなかったりするから、それが面白い。
ぽろっと口からこぼれた言葉に、その人の本心が隠れていたりする。(好きだけど似合わないと思っていたり、誰かに好きになってほしいと思っていたり)
 
洋服以外でも、人でも物でも自分の好きなものを相手に伝えるのは恥ずかしくて勇気がいることかもしれない。
「こんなこと好きって言うのおかしくないかな?」と思ってしまう。
だけどそんなおかしいことなんて、少しもないのだ。
好きなものや要望を伝えると、洋服ならスタッフが合わせる方法を教えてくれるかもしれないし、人やものなら周りに集まってくるかもしれない。
案外周りの人がそれに応えてくれるものだ。
 
好きなものを好きと伝えること(洋服を選ぶことに限らず)、好きなものに自信を持つこと。
身を置く環境、部屋の家具や雑貨、友人や恋人、そして自分の中から湧き上がる言葉たちも、好きなものを選んで暮らしていきたいと思う。
無理だと諦めずに、身の回りを「すき」で満たしていくことは、これからの暮らし方の大切な基準になるのではないだろうか。
 
 
 
 
***

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2020-06-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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