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給食は世界を救う!


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:三木 幸枝(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「おかーさん! 今日の給食もカレーだったよ!」
「あー! ほんと? ごめんごめん!」
献立表を毎月見ているはずなのに、給食のメニューと夕食がかぶることがある。
 
緊急事態宣言が解除され学校が再開した。我が家の三人の子どもたちも毎日元気に学校に通っている。
学校再開に伴い、給食も始まった。……やったー!!!
 
学校休業中も働きにでていた私は、子どもたちの昼食を準備しておかなければならなかった。子どもが残さず食べ、そして栄養バランスの良いものでなければ……。料理が得意ではない私は頭を抱えた。
 
家で食べないものも、給食だと好き嫌いを言わず残さず食べるらしい。
家庭では、できる限りバランスに配慮したとしても、「あれいらんこれいらん」と、結局偏った食事内容になってしまう。なだめたり機嫌をとったりしてなんとか食べさせるが、毎日毎日うまく機嫌がとれるわけでもない。短気な私、「もう食べなくていい!」と激高したり、また、逆に心が折れてしまって、「もう、食べられんのなら残しとき……」とあきらめたり。
 
休業中の途中からは、児童クラブに通わせることとなった。が、それには弁当を持参しなければならない。料理の引き出しが少ない私はまたまた困った。
いつもより30分早く起きなければならない。寝坊したらどうしようというハラハラした気持ちも常につきまとい、体力的にも精神的にも消耗する。へろへろになりながら弁当を作る日々……
 
そこへ、待ちわびた学校再開のおしらせが飛び込んできた。ばんざーい!
正直、まだ小学生だし、まあ勉強はどうにかなるかなと思っていた。しかし毎日の食事だけは! 朝夕に身長が伸びたかも? と思うくらいの成長期の子どもたち。私の適当な食事ばかりで成長を滞らせるのがつらかった。
 
登校し給食を食べるようになって、滞りがちだった子どもたちの便通もすっかり良くなった。
生活リズムが戻ってきたこと、また毎日の給食の影響が絶大なのではないかと思う。家であれば、200CCもの牛乳を毎日きちんと飲ませることも難しい。
子どもたちも体調が整ってきたが、私の精神状態も同じだ。気持ちが安定し、おかげで毎日機嫌良く過ごせている。
 
たとえば、朝寝坊して、朝食がトースト一枚しか用意できなかったとしても、私は思う。
「お昼に給食を食べるから大丈夫! 栄養バランスばっちり! ありがとう給食!」
そして、はれやかな気持ちで仕事に出かける。仕事もはかどるというものだ。
 
給食って、いままで当たり前だと思っていたけれど、こんなにありがたいシステムはない。諸外国では当たり前ではないということも最近知った。
子育て中、一番気を配りたい栄養面を大きくカバーしてくれている。
そして、家でそれらをカバーできない私の罪悪感をぬぐい去ってくれる救世主だ。たとえ、栄養バランス的にお粗末な朝食、夕食しか用意できなかったとしても、子どもたちについては、「給食でフォローしてくれるからいっか」と落ち込むこともない。
 
私が追い詰められずに機嫌がよいと、子どもも楽しそうだ。
給食は、家庭の外のものだけど、家庭円満に大きく寄与している。個々の家庭が円満だと、みんな外でも力が発揮できる。心が安定していると仕事も学業もはかどる。経済も活発にまわるだろう。
 
そうだ、給食は世界を救うのだ!
 
給食が苦手な子もいる。しかし、学校へ行けばオートマチックにありつける、というシステムの偉大さよ。非常事態にさらされ改めて、その秘められた力を目の当たりにする。
 
長引くステイホームでDVが増加しているとのこと。辛い思いをしている子どもたちもたくさんいる。その中には、食事を作ってもらえない子どもたちも。学校がよりどころとなり、そして給食は、セーフティネットの役割も果たしている。
 
うちの町の給食センターは、一年前に新しく建て替えたばかり。オープンに先駆けてPTA向けのお披露目会に参加したことがある。
衛生管理を徹底していることや、心を凝らして、地元の旬の食材を使ったメニューを作っていること、また、徹底したアレルギー対応のなどの説明に感心し、とてもありがたいと思った。
試食もあった。ウン十年ぶりの学校給食。メニューはさわらの味噌マヨネーズ焼き(これ私の子どもの時にもあった!)菜飯、春野菜の煮物。手作りプリン(これは給食センター内で作っているものだそう)。
馴染みのある味も、はじめて出会う味もあった。
 
そういえば、私が子どもの頃も、学校での一番の楽しみは給食だった。苦手な食材でもみんなと一緒なら食べられた。ミルメークやソフト麺、また冷凍みかんや揚げパンなどなど、給食ならではのメニューは、世代共通の文化となっているように思う。思い出を彩る大きな共通体験だ。
 
「おかーさん! また給食と晩ご飯がおんなじ!」
ごめんごめん! と子どもに謝りながら、でも、実はあまり悪いと思っていない。
給食センターのスタッフの皆さんと私、子どもを思う気持ちがシンクロしたんだなと、勝手に思う。
そして、子どもたちを健やかに育み、私を、そして世界を救っているであろう給食のことを思い、明るく楽しい気持ちになる。
 
 
 
 
***
 
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2020-06-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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