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その悩みの答えは自分の心の中に


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:田中佑樹(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「ちょっと職場の上司とコミュニケーションがうまくいっていないので相談に乗ってもらえますか?」
 
「いいですよ」と言い、私は面談の日程調整をした。
 
相談者は、障害のある方である。
 
彼は、日本でコロナウィスルが拡散される前に障害者雇用で入社が決まった。
そのため、会社には一度も出社しておらず、毎日在宅勤務をしている。
 
在宅勤務をしているので、仕事のやりとりは上司とオンラインを通して行っている。
 
彼の障害特性上、この状況下では上司とのコミュニケーションで問題を抱えやすくなることは容易に想像ついた。
 
面談日当日、スカイプでやりとりをする。
彼は開口一番「OOのことがあって、△△の問題を抱えています。どうしたらいいですか?」と聞いた。
 
私は彼の「どうしたらいいですか?」という質問には答えずに、いろいろな角度から質問をしていく。
 
「OOはなぜ起きてしまったのですか?」
「逆に□□さんはなんて言っていました」
「同じような問題は以前にもありました?」
など。
 
途中で、アドバイスを求められたとしても、それに答えずに「もう少し聴いていいですか?」と質問を続けた。そこで彼が「なぜアドバイスをしてくれないのですか!」と怒りだすことはなかった。
 
これは彼に限ったことではない。大体、皆さん快く答えてくれる。
こちらの深く知りたいという欲求や相手に対する関心の高さが、相談者の承認欲求を満たすのかもしれない。
 
そして、面談では質問をしては答えてもらう、というラリーが30分ほど続いた。
 
こちらへの配慮があったからかもしれないが、最後に彼はこう言った。
「今日もいろんなアドバイスありがとうございました」
 
私は、一切アドバイスはしていない。
「〇〇さんが解決策を導いたんですよ。すごいですね」そんなことを言いながら面談をしめくくる。
 
私は、彼との面談が終わった後、彼の働いている会社の担当者とも連絡を取り、状況の確認をする。
この時、解決的に思考を働かせることもあれば、そうでない時もある。
 
****************************
 
早いもので障害者雇用関連の仕事をして8年が経った。
今まで、職場の方からも障がいのある方からも頻繁に相談を受けてきた。
 
この仕事を始めた頃20代後半で、障がいのある方の相談内容のディープさから、よくキャパオーバーになっていた。
しかし、今ではキャパオーバーになることはない。
それは仕事の経験年数が増えて来たから……というわけではない。
 
ある日を境に考え方を180度変えたからだ。
私は、何かいい助言をしたり、問題を解決しようと思うことを捨てたのだ。
 
相談をする人は、目的がある。
それは自分の目的であり、私の目的ではない。
その目的が意識化されている時もあれば、無意識の中にある時もある。
無意識の場合は、質問を繰り返していくと意識化される場合が多い。
 
相談をする人は、話を聴いてほしい、整理してほしい、感想を聞かせて欲しい、問題の解決をして欲しいと思っていることが多い。
 
とは言え、こちらが話を聴きながら、相談者の状況と目的を考えながらタイミングよく質問をしていくと、自分で解決策を導くことができてしまう。
 
相手の可能性を信じること関心を持って質問をしていれば、基本アドバイスなんて必要ないのだ。
ただし、障害特性上、解決的思考を持つことが難しい方や解決までに多くの時間や経験を要する方もいる。
 
私が話を聞く際に大切にしていることは、聴くことと質問することである。
 
考えてみれば、聴くことと質問することは、整理整頓に良く似ている。
 
小学生の頃、教師に整理整頓をしなさいと口酸っぱく言われた。
母親からも自分の部屋の整理整頓は、自分で必ずするようにと言われていた。
 
子供の頃は意識していなかったが、大人になり整理整頓の意味を調べてみると発見があった。
整理とは「いるものといらないものを分け、いらないものを捨てる」ことを表す。
整頓とは「必要なものをいつでも誰でも取り出せるよう、秩序だてて配置すること」を表す。
 
整理整頓の意味に出会った時に、これは私が面談の際に実践していることそのものなのではないのか!と思った。
 
私は話を聴く中で質問をしながら、まず整理をしていく。
何を整理するのかといえば、相手の状況、経験、感情、思考、価値観、関心なのである。
そして、いるものは残して、いらないものは捨てていく。
それをすることによって、相手は、自分の中にある解決策が見えてくるようになる。
つまり、本人的には、自然に解決策をいつでも取り出し可能な状態になっているのだ。
 
部屋の掃除するのは、状態を元に戻したい、心地よい状態に戻したいと考えるからだろう。
相談者も、同じように心地よい状態に戻したいという心理がある。
 
私は仕事を通じて学んだことがある。
 
結局、自分の問題に関する問題解決の一番のプロは自分自身である、ということだ。
 
誰かの部屋を私が体を動かして、片付けることはない。
 
自分の部屋は、自分で片付ける。
それが人生の鉄則。
 
自分の求めている答えは、自分の外には存在しない。
常に心の中に存在している。
 
 
 
 
***
 
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2020-06-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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