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「らしくない生き方」で、満たされる


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:楠田 真奈美(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「女の子なんだから、家事を完璧にこなしなさい」「女の子はおしとやかに」
小さい頃から大人になるまで、耳にタコができるぐらいずっと聞かされてきた。いい加減、ウンザリだ。
私は小さい頃、主に女性の仕事とされている家事や整理整頓が苦手だった。ままごとよりも外で走り回る方が好きで、男勝りの少女だった。
 
その性格は成長してからも変わらず、結婚した今でも家事よりも仕事が楽しいと感じている。そんな私に対して周りが投げる言葉はたいてい「旦那さん、理解あって偉いね」と冷たいものだ。
そんな言葉には動じず我が道を貫いてはいるが、言われることに対して良い気はしない。昔よりも男女平等が浸透してきたが、まだまだ個人の意識の中には男女の概念が根深く残っているなぁ……と感じていた。
 
2015年、結婚して3年目の年に夫が仕事で半年間、海外へ出張することが決まった。
期限付きの一人暮らしが始まるので、独身時代に出来なかったことをしようと決意し、英語が全く話せない中で単身カナダのトロントに留学することに決めた。
 
この決意を話すと、当然周りからは「結婚しているのに何考えているんだ!」と猛バッシングを受けたが、この機会を逃すと二度とチャンスは訪れないと確信し、反対を押し切って実行した。
 
トロントに着いてからは語学学校に通い、英語を勉強した。留学の目的は英語を勉強することだったが、本当のところの一番の目的は、日本人以外の友人を作ることだった。そのため、英語があまり出来ないことを恥ずかしがらずに積極的に話しかけて友人を増やしていった。
 
初めて話す時、お互いの生い立ちや母国で何をしているかという話題が必ず出る。その時には結婚していることや、夫が仕事で海外に行っていることを正直に話すようにした。
 
一番最初に出来たコロンビア出身の友人にこの事を話した時、正直日本で受けたような否定的な反応が返ってくると思っていた。ところが、彼女が放った一言は意外なものだった。
 
「あっ、そう」
 
予想を大胆に裏切る淡白すぎる返しに、思わず拍子抜けしてしまった。変だと思わないの?
私に興味がないの?
たくさんの「?」が自分の頭の中をぐるぐると駆け巡る。
 
予想外の事態に混乱していた私に、彼女は別の質問を投げかけた。
「あなたは何の仕事をしてるの?」「なんで留学へ来たいと思ったの?」
いろいろと質問を聞いていくうちに、彼女は私に興味がないのではなく、むしろ私という人間がどういった人なのかを知りたいと思っていることに気づいた。
だから、彼女にとっては私の夫がどういう状態かよりも、私の生い立ちや何に興味があるのかを熱心に聞いてきたのだ。
 
この経験は彼女だけでなく、ほとんど全ての外国人の友人に当てはまった。彼ら・彼女らにとって「女性は家庭を守るべき」といった「~すべき論」の概念が全くなく、1人の個人として興味を持ち、接する。つまり、「人」として扱ってくれているのだ。
 
もちろん彼らの中にも、世界的に言われている人種のステレオタイプは存在する。「日本人は自分の意見を言わない」といったようなことだ。
ただ、私たちが持っているような強い固定概念ではなく、あくまでも参考程度の感覚なので、想像と違っていても特に気にしていない。
 
長年「女性として失格」という烙印を押され続けてきた私にとって、この経験は衝撃だった。批判を受け流して気にしていないつもりだったが、どこかで「自分はダメなんだ」と思うところがあった。だから、批判してくる相手に対して腹が立ったし、出来ないことへの劣等感も人一倍強かった。
 
だから、こうして一人の人間として認め、人格を理解した上で仲良くしてくれる友人が出来た事は何よりも嬉しかった。
今まで批判されて自分を責めてきた事を特に仲が良かった友人に話すと、「私はあなたは本当に素晴らしい人だと思う。だからこうして一緒にいるし、仲良くしている。周りからどう言われても、素敵な自分に自信を持ちなさい」と言ってくれた。
帰国してもうすぐ5年経つが、彼女のこの言葉やトロントでの経験は今でも輝き続け、私の生きる指針となっている。
 
帰国後は日本で生活するため、以前と変わらず嫌味を言われ続ける。周りの環境はちっとも変わらない。が、明らかに自分の意識は変わった。
 
世間が望んでいる生き方をして褒められても、それは本当に望んでいることではないし、相手からも一人の人として見られていない……結果的に何も得るものはない!
それなら周りから非難されても、世間が思う「らしさ」の鎧を脱ぎ捨て、心が思うままに生きた方が自分も幸せだし、そんな自分を一人の人として魅力を感じてくれる人と出会うことが出来る! そう思えるようになったのだ。
 
今でも相変わらず嫌味は言われるが、それでも以前より深く付き合える友人もできた。また、堂々と自信を持って自分の人生を生きていけている。批判が多くても、心は満たされている。
 
一度きりの人生、自分の心に素直になって生きていこう! そう決めた私の未来は、明るい光が差している。
 
 
 
 
***
 
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2020-06-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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