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メディアグランプリ

靴磨きは自分磨きだ

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:濱林伸匡(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「シュッシュッ……」
靴を磨くと気分が気持ちいい。磨いているときは無心になれる。また、磨き終わった後の靴をはくと背筋が伸びる感じだ。私はサラリーマンなので、毎日の通勤で革靴を履く。平日は5日あるから革靴は5足ある。毎日違う靴を履いている。靴を休ませるためだ。なお、そのうちの1足は雨用のスエード靴だ。社会人になりたての頃は1万円以下の安い合皮の革靴を履いていた。しかし、8か月の新潟倉庫への左遷から2014年4月にまた元の部署に戻った時に、自分を振り返って足元を見てみると、靴は汚かった。
靴はその人の心を表す。当時の私は左遷に心痛し、自らを嘆いていた。自暴自棄の気配もあったのだろう、手につかない状況だった。そのため、靴はボロボロのものを履いていた。ある日、地下鉄の構内を歩いていたら、右足の靴底が「ぱこーん」と外れてしまった。合皮の安物なので、靴本体と靴底を接着剤でくっつけてあるだけだった。このままでは歩くのに難儀するし、気が滅入っていた状態から気分転換することもかねて百貨店へ行った。靴を買う時は夜に買うのが良い。足がむくんでいるからだ。そのため、会社帰りの夕方は都合がよかった。もちろん足のサイズにあったものがもちろんよい。だから試着は必須なのだ。ネットでも靴は売っているがやはり売り場に行くのが良い。
百貨店だけあって、いい靴がたくさんある。売り場の店員にはジャランスリワヤを勧められた。価格は3万円、日頃は1万円以下の安物だったので、3万円はそこそこいい値段だ。他のメーカーも履いてみる。エドワードグリーンの20万円の靴を試着してみる。履き心地はまるで、革靴が私の足を包み込んでくれるような感じだ。さすが高い靴だけある。しかし、身分相応という言葉もあるし、そもそも予算オーバーだ。私の月収の手取りより多いではないか、無理だ。とりあえず、革靴を店員の言う通り、黒のストレートチップのジャランスリワヤにした。しかし、新しい革靴を買ったからといっても使用していくと、汚れる。1か月に一度は磨かねばならない。定期的なメンテナンスは靴の寿命を延ばすことになる。合皮の革靴は確かに安いがメンテナンス不要で、使い捨てだ。しかし、高い本革の靴はメンテナンスすることで、10年は履くことができる。1年に1度に安い靴を買うと5000円×10年=50,000円、高い靴だと5万円÷10年=5,000円/月、どちらがお得だろうか。本革の靴は10年履くとその間に靴底がすり減るので交換する必要がある。そのため修理費を含めるとその値段以上はかかってしまう。しかし、その分、愛着がわく。どちらがよいかはその人の価値観によるところだろう。
さて、新品の革靴は固いので、一度クリームをつけて柔らかくしたほうがよい。また、残念ながら新品だからといっても汚れはあるので、一応、磨いておく。まず汚れをとるために馬毛のブラシでほこりをはらう。この作業でつやが戻る。そのあとに汚れ落としをつけて、ネルという布で磨いていく。よごれを取っていく際に本当は靴ひもをほどくのだが、私はずぼらなので取らない。また、本来なら靴の中に手をつっこんで、靴先にたまったほこりをとらねばならないが、新品だからこの作業はない。汚れ落としの作業が済んだら、靴墨をつけていく。指でぬりこんでいくのだ。まんべんなくつけたらあとは豚毛のブラシで伸ばしていく。磨いていくと靴が艶々していくのがわかる。これが汚い靴ならその違いは一目瞭然だ。しかし、新品なのでその差はあまりない。磨いたあとはネルでもう一度靴をなでる。余分な靴墨をとるためだ。これで終了かと思いきや。シューシャインという靴の先をワックスでピカピカにする作業がある。先ほども申したように私はずぼらなのでこれは省略。ピカピカにしたら本当にかっこよくなるが、これで充分だろう。もう片足の靴も磨く。この一連の作業でだいたい10分少々かかった。この間は無心だ。一種の瞑想のようなものだろう。磨き終わった靴はぴかぴかでまるで芸術作品のようだ。見ていて新品の靴はやはりきもちがよい。履いてみるともっと気持ちがよく、背筋が伸びる。これをはいて歩くと、姿勢が良くなる感じがする。また、大事に履きたいと思う気持ちは他の生活にも影響する。じだらくな感じが無くなり、生活にメリハリが出るようだ。例えば、靴もピカピカだからワイシャツもアイロンをあててぴしっとさせたりする。気持ちが変われば行動も変わるということだ。
やはり足元を正すことは、自分を正すことであり、結果、生活を正すことになる。
 
 
 
 
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2020-06-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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