部屋を広くしたら習慣化が急激にうまくいった話
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:高橋 共子(ライティング・ゼミ日曜コース)
毎日きちんと自炊をする。
洗濯物を毎回きれいに畳んで収納する。
定期的に家でも運動をする。
人生を豊かにするべく、よりよい習慣を身につけたいと思い、これまで何百冊と本を読み、ネットで成功者のメッセージを見て、書かれていることを実行してきた。
しかし、面白いくらいに継続できなかった。
「よし、明日から毎日自炊するぞ」「よし、来週から毎日筋トレとストレッチをするぞ」と決意しては3日坊主の罠に掛かる。
なんなら小学生くらいの頃の方が、毎朝ラジオ体操に行ったり、宿題を欠かさずやったり、健全に成長していたんじゃないか。
大人になってまで、こんなことも習慣にできないなんて、なんて私は意思の弱い人間なんだろう。
そんな自分が嫌いだった。
ところが、だ。
33年間何度も決意しては挫折してきたこれらの習慣を、「たった1度引越しをしただけ」で、すべて自然と身についてしまったと聞いたら、あなたは驚くだろうか。
部屋を広くすると、あらゆる習慣化はうまくいく。
この気づきを得たのは2ヶ月前、1DK(35m2)から2LDK(57m2)に引っ越してきたのがキッカケだ。
たとえばクローゼット。
ひとり暮らし時代は、1つのクローゼットに夏物も冬物もかまわず服を押し込んでいた。
モノによってはいざ着ようとひっ張りだしたとき変なシワがついていたり、結婚式のお呼ばれドレスを1年ぶりに出してみると、気づかぬ汚れがついていたりした。
また、あまり普段開くことのない引き出しの奥には、いつ買ったかさえ記憶にないような、時代錯誤のトップスや下着が息を潜めていることだってあった。
今の部屋のクローゼットは大きさが縦横ともに1.5倍になったうえ、4つもあるので夫と私で2つずつだ。
一人当たりの容量が前の家の3倍になった。
夫婦でお互いの衣類や布団をどさっと収納しても、3割くらいのゆとりが生まれている。
服と服の間に生まれるすき間。
自然とまっすぐ掛けられていても隣と触れることのない空間で過ごせて、服たちもどことなく心地よさそうだ。
これまでは多少のシワは見て見ぬ振りで、ぎゅうぎゅうに服を詰めてしまっていたが、もう隙間に服をねじ込むストレスはない。
いつも面倒で後回しにしていたはずの洗濯物畳みの時間が、「自分の衣服を大事に扱う豊かな時間」に変化した。
洗濯物を取り込んだらすぐに畳んでしまう、という習慣が、決意もしていないのにあっという間に築かれたのだった。
もうひとつ大きく変わったのが、家での過ごし方だ。
キッチンが手狭なのでほとんど凝った料理は作れず、ごはんに納豆とキムチ、インスタント味噌汁が定番メニューだった以前の暮らし。
さらに食後はそのままソファにぐでっと寝転び、テレビを流しながらスマホ。疲れてうたた寝してしまうことも多かった。
たまに気合を入れて「筋トレやヨガをしよう」などと思おうものなら、スペースが狭くてほかの家具にぶつかってしまう。
狭い箇所でなんとか筋トレできても、窓の数も少ないので、空気の流れもほとんどなく、すぐに息苦しくなっていた。
さらに3月から始まった我が社の在宅勤務も、ソファとちゃぶ台の前ではどうしても腰が痛くなるし、気を抜くとそのまま後ろのソファにのけぞって、夜を迎えていることもあった。
いっぽう今の家。
まずキッチンが広く作業しやすくなったことで、家事が格段にしやすくなった。
流しが2倍の広さになり、もうまな板を洗うときに1回1回流しの外に出して裏返す必要もない。
洗い物にかかる時間とストレスが半減、いや、100が3くらいになった感覚だ。
お鍋も炊飯器もぜんぶまとめて流しで洗えることのうれしさったら、たまらない。
自分でもいちばん驚いたのは、寝室のスペースが広くなったことにより、運動する機会が増えたことだ。
以前の部屋では、とてもヨガマットを敷いて広々とヨガをできるスペースはなかった。
いまはヨガマットを広げて、その上に両手を開いて寝そべってもゆとりある広さなので、ヨガの時間が心地よくてたまらない。
さらに寝室には窓が2つあるので、晴れた日のヨガ中に吹き込む風が、とても心地よいのだ。
これは、実際に住んでみて初めてわかる感覚だった。
一度この心地よさを味わうと、「またアレを味わいたい」となって、毎朝のヨガや瞑想の時間が自然と習慣になっていった。
洗濯物を丁寧に畳んで、すぐしまう。
自分や家族のために自炊を心がけ、洗い物を溜めずに行う。
心身の健康のために、家での運動を日々少しでも行う。
部屋を広くすれば、よい習慣はあっという間に身につく。
そして、それは自分の人生を豊かにすることにつながる。
もしこれを読むあなたが何かの習慣化に苦労しているのだとしたら、すぐに部屋を広くはできなくとも、モノを減らしてスペースを作ってみるのもいいかもしれない。
ゆとりある部屋の数と、広さ。
次に引っ越すときにも、大切な住まいの判断基準になりそうだ。
***
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