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真っ暗闇に灯りをともす


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:早川愛(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「ちょっと相談に乗ってもらえます?」
その一言が私に緊張をもたらすことを、きっとあなたは知らないに違いない。
 
「イヤだ」
なんて言えるはずもなく。
 
にっこり笑って
「どうしたの?」
と言うしかない。
 
相談に乗ることが苦手だ。だって、どうしろというのか。
今ちょっと話を聞いただけの私が考えを述べたところで問題は解決しないだろうし。
求められているのと違う返答をして「この人は私のことわかってくれないな」と思われるのも嫌。
 
聞いたところで解決できない。応答を間違えてもいけない。相手が欲しい言葉を返さなければ。
疲れる。緊張する。エネルギーが奪われる。
できれば相談なんて乗りたくない。
 
それでも、前置きもなしに突然相談される状況はやってくる。
仕事、恋愛はテッパンで、親のこと、お金のこと、旅行先のこと、その他諸々。
あーあ。もうほんと、誰にも相談とかされない気軽な人生を送りたい。
 
そんなことすら考えていたのに。
 
あろうことか、キャリアコンサルタントの資格を取ってしまった。
よりにもよって相談に乗ることを仕事にする人が持つ国家資格を取ってしまった。
何を血迷ったのか。
でも、資格を取るための学習を進めているうちに、道具を手に入れた。
「相談」という大きな壁に対峙するための心構えと道具。これは使える。
 
私は問題を解決しようとするのをやめた。
 
何かを相談するとき、人は暗闇の中にいる。
右も左も、前も後ろもわからない。真っ暗闇にいる。
何も見えない。不安でどうしたらいいかわからない。
こんな暗闇にいる私はおかしいのではないか。
私だけがこんな暗闇にいるのだろうか。
助けを呼んでいいのだろうか。
助けてくれる人はいるのだろうか。
 
そして、相談に乗ることは、暗闇に灯りをともすことなのだ。
灯りがつく。それだけで勇気づけられる。
周りが見えるようになる。自分がどんな場所にいるのかがわかって安心する。
進むべき方向が見え、歩き始められる。
 
こっちだよ! と手を引く必要はない。
何も見えない真っ暗闇で突然手を引かれても、動けない。動きたくない。
手を引くあなたが進むべきだと思う道と、手を引かれているその人が進みたい道は、違うかもしれない。
 
話を聞いたからには手を引いて出口まで案内しなければならないと思っていた。問題を解決しなければ、と。
けれど、そうではなかった。
 
話を聞くこと。聞こうとすること。その心構えが大切だった。
 
「人間は本来成長しようとする生き物で、問題は自分で解決できる」という立場を、カウンセリングの理論ではとる。
つまり、「相談しにきているけど、本当はその人自身が解決できる」という前提がある。
話を聞いているあなたが解決するわけじゃない。その人自身が解決できるはずなのだ。
暗闇で不安になっているだけ。現在地を見失っているだけ。
だから手を引く必要はない。今いる場所がわかるように、前後左右がわかるように、灯りをともす。
 
そして、話を聞くときには三つの大切なことがある。
「受容」
「共感的理解」
「自己一致」。
言葉は難しいけれど、やることは単純だ。この道具を使いこなせれば、暗闇に灯りをともすことができる。
 
「受容」は、その人の話をありのままに受け止めること。
「いい・悪い」とか、「好き・嫌い」とか判断せずに聞くこと。どうしてそう考えるのか、その背景にまで関心を持って聞く。
 
「共感的理解」は、その人が見ている世界を、その人が見ているのと同じように捉えること。
私だったらこう思う、とか、それはおかしくない? などの思いを抜きにして、あなたはそう感じるんですね、その出来事をこんな風に捉えたんですね、と理解する。
 
「自己一致」は相手にも自分にも誠実に向き合うこと。
「よくわからないな」と思っているのに「わかります!」と言うようなことはしない。「今の話って、こういう理解で合ってますか?」と確認する。
 
つまり「うんうん。そんな風に感じるんだね。それってこういうこと?」と聞ければOKなのだ。
実践するとなると難しいのだけれど。
 
まず、まどろっこしい、と思う。
こうしたらいいのに、それってこうじゃない? と、物申したくなる。
解決策を思いついたら、言いたくなる。
でも、その提案は後にして、ぐっと我慢して、話を聞いてみてほしい。
 
経験はないだろうか。自分から相談したくせに、気が済むまで話していないうちにアドバイスをされると「そういうことじゃないんだよな」とか「この人は私のことわかってくれないな」とか勝手に思ってしまう自分。逆にモヤモヤしてしまう自分。
 
聞くことが上手な人に話を聞いてもらうと、話すだけで励まされるような気がする。
それは、その人が暗闇に灯りをともしてくれるから。
私がいるのはこんな場所だったんだ、と気づかせてくれるから。
手を引いてくれたわけではない。でも、周りが明るくなって元気が出る。なんとかなりそうな気がしてくる。
 
解決しなければならないと思うことをやめればよかったのだ。
手を引いて先導する必要はない。とにかく話を聞く。
そうすれば、相手が勝手に解決の道筋を見つけてうまいことやってしまう。
 
もう、相談に乗ることに怖気づかなくていい。
手を引かなくてもいい。灯りをともせる人になればいいのだから。
 
 
 
 
***

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2020-07-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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