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仕事はもらいに行ったほうが楽になる! 「君は1人で仕事をしているんじゃないんだよ」の本当の意味


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山田 智弘(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「君は1人で仕事をしているんじゃないんだよ」
 
なんていうことは、学生時代のアルバイト先などで飽きるほど聞かされてきた言葉で、それを改めて聞いた時もそこまで深く意味を考えていなかった。
だからそれはお互い助け合おうだとか、辛くても頑張ろうだとかその程度の精神論の類だと思って聞き流してしまっていた。
その本当の意味を知ったのは就職してからで、それは精神論というよりも、むしろ個人の働きやすさを確保して自分の身を守る為の言葉でもあったのだ。
 
✳︎
 
激務だった。覚悟はしていたが、それを超えてきた。聞きしに勝るというやつだ。
大学院を卒業して入社した会社はコンサルティングの企業で、そこで初めて配属されたプロジェクトはまるで津波のようで、僕は簡単にそれに溺れてしまった。
配属された初日からプロジェクトの説明もそこそこに、僕は議題も知らない会議の議事録を書かされ、使用用途のわからない設計書の確認をさせられ、誰に向けたものかもわからない資料を作成させられた。
配属されてからの一週間、右も左も分からず、ひたすら上から頼まれる仕事をこなして深夜タクシーでフラフラになりながら帰る日々を過ごして分かったことは、このプロジェクトのクライアントのこと、そしてこの仕事がめちゃくちゃ忙しいということ、ただそれだけだった。一体クライアントは何のために弊社にこの仕事を依頼し、弊社はどのようにクライアントの抱える問題を解決するのか、何より僕に任される仕事は一体どこからきてどこに行くのか、それらのことが全く分からなかった。社会の歯車なんて言葉があるが、その時の僕は紛れもなくなんかしらの歯車ではあった。しかし、自分がどんな機械のどこにはめられた部品なのか分からず、ただ伝えられた動力を他の部品に伝えるのみで、それに何の意味があるのか、自分という部品があるということで機械全体にどのような効能があるのか全くわかっていなかった。
 
そんな状態が一月ほど続いた時、僕に最も近い上司、つまり僕に機械の動力を伝える隣の歯車、から言われたのがこの台詞だった。
 
「君は1人で仕事をしているんじゃないんだよ」
 
“1人で仕事をしていない”
そんなことは分かっている。何せここには少なくとも僕という歯車があって、僕に意味不明な仕事を押し付けてくるあなたというもう一つの歯車があるんだから。そう思った。正直言って今更自明であり、それ故に今このタイミングで言う意味が分からない上司の台詞に一瞬キレかけた。僕が資料作りの締め切りに追われていて手が離せなくてよかったな。そうも思った。
そんな釈然としない僕の表情を見てとったのか、その晩僕は上司に飲みに誘われる。そこでは仕事の話は特にせず、お互いのプライベートの話をして終わった程度だが、そのことによりその晩僕はお互いが歯車ではなくお互いが人間であることを悟る。
 
「君は1人で仕事をしているんじゃないんだよ」
 
その言葉の真意も悟る。
僕は上司と同僚と話すことができる、人と会話することによって歯車には分からないプロジェクトの全体像を把握することができることに気付く。
自分が巨大なプロジェクトのどこを担当していて、一体誰と仕事をしているのか、自分から一歩踏み出して聞くだけで知ることができる。僕らはチームで仕事をしている。そのことをその時自覚した。
僕は今まで仕事は任されるものだとおもっていた、受動的な態度だ。そして受動的な態度で作られた成果物は誰に対する思いやりもなく、その成果物を受け取った次の担当者は、次の歯車は、その思いやりの無さに苦労することになる。
僕はもっと仕事の性質を理解するべきだったのだ、議事録や設計書だったら誰に参照されるものなのか、会議資料は誰が誰に向けてプレゼンするものなのかそれを能動的に知り理解しその理解を成果物に反映させるべきだったのだ。その能動的な動きが結果として次のチームの担当者の仕事を楽にする。そう当たり前のことだ。僕らはチームで仕事をしているのだ。
 
そして逆説的だが、仕事を任されることを待っているのではなく自分から仕事をとりに行くことによって仕事は楽になる。なぜなら能動的に動くことによって、引き受ける仕事をあらかじめ予測、あるいは選択することができるからだ。その結果、仕事をコントロールできるようになる。本当に仕事は自分からもらいに行ったほうが楽になるのだ。
 
今までの僕の受動的な働き方は例えるなら目隠しをしてパズルゲームのテトリスをしていたようなものだ、当然予測不能なブロックは見当違いなところに配置され、それを修正するために無駄な仕事が発生する。能動的に仕事をするということはテトリスなら既に積まれているブロックを把握し、次に落ちてくるブロックを把握、場合によっては選択するような働き方だ、それには自分1人の力では無理で自分に仕事を任せる人物が、僕の仕事の成果物を受け取る人が、僕に何を期待しているかを理解する必要がある。次のブロックを知っている、あるいは選択できるゲームとそうでないゲームどちらが楽か一目瞭然だ。
 
僕はかつてプロフェッショナリズムを勘違いしていた。受動的に構え、与えられた仕事を完遂し次の仕事を待つ自己完結した存在。それをプロだと思っていたのだ。だがしかし組織におけるプロ、チームで働くプロは違う。それは単純な入力と出力のみを行う歯車ではなく、より有機的に思いやりを持って自分の周りに目を配り自発的に動くような存在だ。そしてそれは結果的に受け身のプロよりも高い成果をもたらす。
 
✳︎
 
その後も相変わらず仕事は激務だった。けども今は溺れていない。自分から仕事をもらいに行くことによって、ちゃんと仕事を乗りこなせている。
仕事の荒波の中でまずすべきは目の前の仕事に手をつけることではない。全体像を把握して自分に求められていることを自覚し、能動的に仕事を引き受ける態度を身につけることが、まず必要なのだ。
そうすることによって歯車として受動的に働いていた時に生じていた、仕事を引き継ぐ時の摩擦のような無駄な仕事は激減し、より滑らかにプロジェクトは進行する。
他人とチームで良い仕事をするとはそういうことで、僕は1人で仕事をしているわけではないのだ。
 
 
 
 
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2020-07-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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