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反抗期とは母がイモムシになる時期


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記事:晏藤滉子(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「反抗期の頃、母さんがイモムシに見えた」
これは反抗期を通り抜けた大学生から聞いた、当時の素直な呟きだ。
 
以前、私の勤め先は色んな年齢層の人たちがいた。社員に加えバイトの大学生や主婦などバリエーション豊富。その為同世代の子供を持つ社員は
何気に大学生に意見を聞いたりしていたようだ。
 
「娘が彼氏のところから帰ってこない。どうしたらいいのかな?」
「息子が何考えてるのか全然わからない」
 
仕事の手を止めずに親世代の年長者は呟くのだが、それに対し子供世代のバイト君達は、子供側の視点で的確なアドバイスを真面目に返していく。それは不思議なカウンセリングの光景でもある。
 
ある時、「子供がひどい反抗期でまともに話も出来ない」という呟きが挙がった。そこで、一人のバイト君が反抗期の子供の本音を経験談として教えてくれた。
 
彼曰く、自分の反抗期の嵐は盛大だった。特に母親に対しての嫌悪感が酷い。
あの頃、母さんはイモムシにしか見えなかった。それまでは自慢の母さんだったのに……。何故だか分からないけど急にイモムシになった。
 
ひとつ屋根の下母親の存在を見るにつけ
何から何まで気に障る。
気配だけでイライラする。
姿見るのも嫌。何なら踏みつけてしまおうか。
だって、母親はイモムシだもの。
 
一見無茶苦茶な発想に私は驚いた。でも彼にとっては日常的にそのような感覚が湧き上がってきたようだ。そしてイモムシに対する嫌悪感そのものに振り回されている。
 
反抗期の嵐が5年くらい続いた頃、反抗期は無事終わったそうだ。
 
訪れた時と同じく突然の 反抗期終了。
その切っ掛けは「親と俺は全く違う人間と気づいたから」
 
違う人間だから、全部理解してもらおうと思わなくていい
違う人間だから、好まない意見を押し付けられたら断ればいい
違う人間だから、違う生き方するのは当然だ
 
そもそも全く別の、違う存在なのだから。それぞれが持つ正義も違うものだ
(当時彼はそのように表現していた)
 
そうなると、ムキになっていた諸々のことがどうでもよくなってきた。
イモムシは無事お母さんに戻った。普通に喋れるし、スーパーの買い出しも一緒に行けるようになった。祝反抗期卒業! 「お母さんは蝶になったの?」と私が聞いたら苦笑いしていたな……。
 
そうは言っても、私は気がかりなことがあった。「イモムシは必ず蝶になれるのか?」ということ。親との葛藤は反抗期が過ぎれば落ち着くものなのか。
 
彼の友人たちの様子も聞いてみると、イモムシのまんまというパターンも確かにあるらしい。わだかまりがしこりとして残るのだろうか。蝶になれずにイモムシのままか……親としては辛いだろうな。私は親世代なのでイモムシ側につい感情移入してしまう。
 
このイモムシの件、あくまでもサンプル数1に過ぎない経験談。でも私の記憶にずっと彼の言葉は残っていた。
 
反抗期の原因とか対処法の情報は多く世の中に出でている。とは言っても「大人側」「専門家側」の発信がほとんどだ。彼のイモムシ説はリアルな子供側の本音。大胆な発想だが真理をちゃんと突いている。
 
思春期の子供が親から精神的に自立すること=イモムシから蝶になること。
これを実体験として教えてくれたことはリアルな気づきだ。そして 机上の知識ではなく生きている真理だと捉えている。
 
思春期と同時期の反抗期は、3歳児の“イヤイヤ期”とは違う厄介さがある。
身体は自然と成長し大人になっていく。でも心は置いてきぼりになりがちだ。
 
彼の経験談のように「自ら気づくこと」が必須だと思う。幼少期から続く「親との一体感」を分断し健全な境界線を引き直す。「自分の世界」を自ら創造する意図がこの時期の反抗期にはあるようだ。反抗期の親と子の痛みは、大人になる為の子離れの為の、通過儀礼のようなものかもしれない。
 
ただ、10代の頃に反抗期が必ずしも起こるという訳ではない。
そもそも子供側が「あれ?」という違和感のようなものを、親との関係性の中で感じなければ反抗期を迎えることはない。
 
反抗期がないなんて、それで悩み抜いている方々からみたら羨ましい限りかもしれない。ただ、10代の反抗期が先述の意図をもつならば、それは一生の内の何処かのタイミングで訪れる可能性はとても高い。
 
中年以降、急にライフスタイルを変える人、人間関係の断捨離をする人、想定外の大人の反抗期のようなものかもしれない。人間はどこかで「本当の自分で生きること」に憧れ、そんな生き方を手に入れたいと思っているものだ。しかしながら思春期の反抗期と違い親は確実に老いていく。子供は社会的に自立する力は持っているだろう。双方譲れない事ばかり、意地の張り合いで“沼”にハマってしまうようだ。それはそれで難しい側面を持っている大人の反抗期だ。
 
そして「イモムシ問題」の彼について余談を記す。
反抗期卒業と同時に彼の弟が中学生になり反抗期の嵐に突入したそうだ。ご両親も兄である彼も「あえてそっとしている」静観状態をキープする作戦。
「俺はあんな悪魔みたいなことしてたんだな」と結構冷静に観ている。
でも、弟に自分の経験談を伝えるつもりはないみたい。イモムシの件も親に話したことはないそうだ。
 
何故ならそれは「人から聞いて分かることじゃない」
彼の言葉は何気に深い真理をついている。
 
 
 
 
***
 
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2020-07-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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