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「またバルセロナに行くの?」


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記事:フジタシン(ライティング・ゼミ5月開講通信限定コース)
 
 
僕はバルセロナという街が大好きだ。
 
2009年に初めて訪れて以来、10年間で合計6回、累計にして2か月近くも旅行者として滞在している。
長期休暇を作っては旅行に行き、全ての旅行の行程にバルセロナをねじ込むのだ。
 
「そんなに同じ街ばっかり行って、もったいなくない?」
 
近くの国々であれば、2、3回と同じ街を訪れる人は多い。しかし、片道10時間以上かかるヨーロッパの街をここまでリピート観光する人は、超まれのようだ。
 
「何回目だよ!?」
「せっかくなら、知らない国や街に行けばいいのに……」
 
親しい友人たちにはそう言われてしまっているが、それでも僕は行き続けるだろう。
 
なぜ僕がバルセロナに行き続けるのか、その理由を3つ紹介したい。
 
1つ目は、何度でも行きたいショーが待っているからだ。
 
僕はサッカーが好きで、バルセロナのスタジアム「カンプノウ」に行くのが昔からの夢だった。実際に行ってみると、独特の雰囲気と圧力がホームチームのバルセロナを後押しし、試合結果に限らず、面白いショーを見た気分になる。
 
何が独特かというと、バルセロナ市民が醸し出す「ここは俺たちの居場所だ!」という何とも言い難い“縄張り感”みたいなものだと思う。
 
最近も独立運動で世界を賑わせたように、今もスペインという国への帰属意識が薄い。その理由の1つに、1979年にスペインが民主化されるまで、この地方は中央政府から弾圧を受けていたという歴史がある。
当時から、政府への怒りを声援に変え、バルセロナを代表する選手たちを応援していたという。これが、今でも独特なスタジアムの雰囲気を作り出しているのだ。
 
サッカーが好きでなくても、その街の歴史が醸し出すショーやアートは、劇場や美術館など至るところで感じることができる。行けば行くほど理解が深まり、楽しめるはずだ。街が持つ独特の歴史が生み出す魅力を感じるには、一度行くだけでは物足りないのである。
 
2つ目は、毎年変わる景色があるからだ。
 
バルセロナと言えば、有名な建築である「サグラダ・ファミリア」がある。着工から100年以上が経過してもまだ完成していない教会として知られている。ここ数年はIT技術を駆使して建設がどんどん進んでいて、中に入ると毎年雰囲気が変わっていく。
 
サグラダ・ファミリアはバルセロナが持つ特殊な例だが、どんな街でも雰囲気は季節や時期によっても違うし、経済や政治の状況によっても変化する。これが以前行った街に再訪するからこそ分かる、街の面白さなのかもしれない。
 
3つ目は、「パン・コン・トマテ」を食べるためだ。
 
みなさんはこの料理をご存じだろうか。日本語にすると「パンとトマト」である。
トマトを半分に切り、トーストされたパンに擦り付ける。オリーブオイルと塩で味付したら出来上がり。カタルーニャ州の伝統料理で、レストランやバルに行けば必ずある、簡単な料理だ。
 
「そんな簡単な料理、日本のスペインバルでもあるだろうし、わざわざバルセロナに行くほどでもないんじゃないの?」
 
と、思うだろう。そんなことはないのである。
バルセロナに行く機会があれば是非食べに行ってほしい。しかもいくつか違うレストランをはしごしてほしい。こんな奥深い料理があるのかと思うだろう。
 
伝統料理ではあるが、それぞれのレストランで材料や作り方がやや違う(基本形は上述の通り)。そのレストランが追及しているパン・コン・トマテは、そのレストランでしか食べられないのだ。
 
私のオススメは、Cerveceria Catalanaというお店の、ガーリックの利いたカリカリなパン・コン・トマテ。El Mercader de l’Eixampleというお店のオリーブオイルがたっぷりかかったものもいいかも。
 
私が次の旅行で狙っているのは、La Ventaというお店だ。2019年にdanchuの編集長である植野さんがTV番組「another sky」でここのパン・コン・トマテを「最後の晩餐で食べたいもの」として紹介したのだ。まだ行ったことがないので次回必ず行きたい。
 
いかがだっただろうか。これを読んで、次回の旅行先にバルセロナを検討いただいたら幸いである。
 
でも実は、私が伝えたいことはバルセロナの魅力ではない。
みなさんの住む地域にも同じような魅力が無いか、すこし考えてみてほしい。
 
「街の歴史が醸し出す文化」「発展していく街の過程」「街に根付いた食」というコンテンツは、一度ハマれば何度も来たくなる中毒性を持っているのだ。
 
私はたまたまバルセロナでそれを感じてしまったが、パリやニューヨークで感じる人もいるだろうし、東京や大阪で感じる外国人もいるはずだ。
 
日本に来た外国人のうち、2回以上に来たことがあるというリピーターは60%もいる。しかし、そのうち9割が韓国・台湾・香港・中国という近隣諸国からの観光客で占められている。
 
つまり、欧米や少し離れた国からの訪日観光客は、これっきりになることが多いのである。彼らに「また来たい!」と思わせるような体験をしてもらうことで、もっと日本を好きになってもらう人を増やせるのではないだろうか。
 
来年は東京オリンピックである。コロナ禍が収まれば、様々な国の人が東京にやってくるはずだ。
これをきっかけに日本へのリピート観光客が増えるよう、私も地元がもつ可能性について考えてみようと思う。
そして、こんなことを言われる外国人を増やせればいいなと思っている。
 
「また東京に行くの?」
 
 
 
 
***
 
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2020-07-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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