起業をすると決めたら、周囲に相談するのはやめよう。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:KTanaka (ライティング・ゼミ通信限定コース)
20年弱続けたサラリーマンを辞めて起業してから、かれこれもう2年。まだまだ新米経営者で偉そうなことを言える立場ではありませんが、起業直後に何を感じ・どのようなことが起きるのか、経験したからこそわかる学びを持論として語らせて頂きたいと思います。起業を検討している皆さんが、その一歩を踏み出す際の参考になれば幸いです。
なお、ここでは私と同じ様にサラリーマンからの起業を想定していますが、必ずしもそうでない場合も参考になると思います。
以下が、私が自らの経験から得た起業に関するいくつかの学びです。
周りの理解は必要ない。
友達が減るけど気にしなくてよい。
今までの仕事に対する考えは入れ替えることになる。
とにかく不安。だけど、それが正しい。
さて、一つ一つ見ていきましょう。
まず1つ目。起業をする際に周りの理解は必要ありません。
理由は簡単です。周りの理解を得てから起業しようとすると、起業ができなくなるからです。本当に起業したいなら、周囲の理解を求めるのは諦めましょう。
私は両親に報告をしましたときの反応が顕著でした。サラリーマンと専業主婦という昭和の典型的な家庭を維持してきた二人。丁寧に説明しても、「お前のことが心配で死ぬに死ねない」と体を悪くしている父に言われる始末。「死ねないなら、親孝行だね。長生きしてね」という私の言葉で会話は終了。微妙な空気が流れたままでしたが、親は子供が安心・安全に生きてほしいと願うのだから、しょうがない。
結局、あなたのことを大切に想う人ほど、心配して反対します。気持ちはすれ違っても、「あなたのことが心配だ」という相手の思い遣りだと受け止めてあげましょう。その思い遣りの念だけは受け止めて、反対という言葉はニッコリ笑顔のまま受け流しましょう。
そして次、起業すると友達が一気に減ります。ですが気にしなくていいです。
想像に固くなりと思うのですが、起業直後はお金も時間も足りない状況がしばらく続くので、飲み会などの付き合いに顔を出せなくなるから。ただし、事業が軌道に乗れば、また接触機会が増えて自然と戻るので心配ありません。これは一時的に我慢が必要です。
ただ、それ以上に大きな理由がもう一つあります。それは友達と会話が合わなくなるという現象です。起業すると、以前は自分もしていた、上司や仕事の愚痴が本当にどうでもよく聞こえ、会話に参加できなくなるのです。意識が高い云々の問題ではなく、自分の生活や人生がかかっている仕事になると、失礼ながら、その手の会話が耳障りになります。他にも所属していない職場の誰々さんの昇進やらの噂話などは、“どうでもいい”ことになります。
会話の中身も合わなくなれば、当然友達は減ります。ですが、これはまったく問題はありません。仲良くなる友達のタイプが変わり、新しい出会いから、自然と気の合う仲間との和が広がって行くからです。“友達の入れ替え”が起こるのです。
さらに、今までの仕事に対する考え方の多くを捨てることになります。
例えば、今まで仕事を失敗しないように注意してきませんでしたか? ミスを防ぐのは大切ですが、起業後は失敗の連続が当たり前。組織に属し指示通りにやるのが仕事なので、失敗はNGでしたが、起業後はビジネスの形を自分で探ります。試して・失敗して・改善して・これを繰り返してナンボ。だから気にしていられません。反省だけして直ぐに次に挑戦です。一番のNGは、何もしないこと。時間も限られるから、改善ポイントをすぐに探して、失敗を悔やむのは後回しです。怒ってくる上司もいません。
また、ほかにも、お金に対する考え方も驚くほど変わります。お金を貯めたかったら、どうしますか? 節約しますか? 残念ながら、節約すると逆にお金は貯まりません。ゆっくりと無くなるだけです。定額収入が無いからです。考え方が逆なのです。お金はビジネスになるところに使いに行き、売上を作らなければいけません。投資して初めて回収です。最近はコロナで難しいかもしれませんが、仕事になりそうな方々と食事を共にし、ビジネスとして貢献できることは何かを探しましょう。そこで飲食代は積極的に払いましょう。良いサポートをしてくれる人に報酬をちゃんとお支払いしましょう。節約という縮小均衡はNGなのです。
今までの考え方の延長線上では全く立ち行かない世界です。
そして、起業直後はとにかく不安になります。
ですが、その感覚は正しいのです。これまでに書きましたが、基本的に周りの理解は得られないし、友達は一気に減るし、仕事のやり方も変えなければいけません。今までつちかった価値観や生き方を根底から書き換える必要があり、過去の延長線上にない人生を進むことになります。そんなときに感じる強い不安こそが、自分のやり方を変えている証拠であり、新しい環境における道標のような役割を果たします。その不安と向き合い続けることが、起業後に直ぐにやってくる苦難に乗り越えることに必要なのです。
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