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SOGIという、日本人に最も必要で重要なもの

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記事:にじの青(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「SOGIって、何?」
先日、ネットでふと目を留めて、知った言葉です。
私と同じように「なにそれ?」と思われた方は多いと思います。
 
Sexual Orientation & Gender Identity という英単語の頭文字をつなげた略語で、「性的志向と性自認」と訳されることが多い性科学用語です。
 
それって、どういうこと? と再び疑問に思われた方は多いでしょう。何故なら、日本では一番蔑ろにされている性に関する分野が、「性自認」という感覚だからです。
LGBTという同性愛や性同一障害とされる人たちを表す言葉は、ようやく浸透しました。企業や行政においても、セクシャルマイノリティという存在への配慮が徐々にされるようになりました。
でも、皆さん、こう思われていませんか?
 
「本当に、LGBTの人って居るの?」って。
 
私は、サピオセクシャルでパンセクシャル、そしてフェムドムというセクシャリティを持つ、LGBTでは無いセクシャルマイノリティです。
 
カタカナ語が並ぶと呪文のようで、何を言ってるのか、よく分からないと思います。
日本語で書くと、知性愛と全性愛の恋愛スイッチ、しかも女性上位主義という性的志向をもつ性的少数派、となります。漢字で書いても、若干、理解しにくい部分もあると思います。
 
知識欲、賢さ最優先。年齢や身体の性別は関係なく、その人の知的個性にときめく。
性愛や日常生活全般で自分が主導権を持ちたい、相手の面倒を見たい男性脳が優位な女性。
 
これが、私の性的志向と性的自認です。
 
「自分の恋愛とか性愛について、動機とかタイプとかそんなこと考えたことなかった!」
 
そう思われることでしょう。しかし、子どもの頃から自分と周りとの性的自認の違いで悩んできたのが、LGBTをはじめとする、わたしたちセクシャルマイノリティなのです。
 
「自分は、皆と違う。違うという事を知られると、誰かに否定されるかもしれない」
 
小学1年生の時に、自分のセクシャリティがどうやら一般的でないと自覚してから、ずっとそう思ってきました。10代、20代と恋愛経験を積み重ねていくうちに、その恐れは大きく膨らんでいきました。サピオセクシャルという、自分を一言で説明できる言葉に出会い、生まれて30年以上経って初めて、性的自認することが出来ました。
 
他人と違う自分であることを恐れなくなったのです。
 
自分と言う存在に、心から「YES」と言えるようになったから、こうしてセクシャルマイノリティであることを発信できるようになりました。取り越し苦労、と言われればそうでしょう。でも、皆さんも不用意に他人から嫌われたくはないでしょう? 私も、皆から嫌われることが怖かったのです。
 
だから、LGBTの人はよほどの覚悟が無い限り、「私はLGBTです」とは主張しません。まだまだ今の社会では、自分のセクシャリティを主張しても、メリットがほぼ無いからです。
そのくらい、日本は、性科学と言う分野に関する情報や認知がヨーロッパやアメリカよりも遅れています。性に関することを話すことが、タブーという暗黙の了解があるからでしょう。なので、性に関する用語は、全て英語メインになり、無理矢理日本語に訳すと、妙に硬い漢字の羅列になってしまうのです。
 
LGBTではなく、LGBTQやLGBTsという表記があること。
セクシャリティとジェンダーの違い。
 
これらを分かり易く説明できる人は少ないと思います。また、一度説明を聞いたくらいでは、なかなか理解しにくいとも思います。
 
性的自認、つまり、自分が今の肉体の性別を持つことに、心から「YES」と言えるか。
そして、どんな相手に魅かれ、何を重視した恋愛関係、性愛を求めているのか。
 
ここを理解し受け入れられたら、他人と必要以上に比べてネガティブになることも、他人と違う自分、親や社会の求める一般的な性的志向と違う自分を必要以上に責める人は減ります。
 
生き物としては、異性愛、つまり男女間の性愛が、子孫繁栄には必然です。でも、大脳が発達した私たち人間には、肉体の性別だけでなく、心の性別、左右の脳の働きなどによって、生殖すら生きる上で不要不急な活動になりつつあります。それが、日本の少子化という現象の裏側に少なからずあると思います。
 
女性に生まれたことを心から「YES」と言える女性が多かったら。
妊娠出産、毎月の月経がどれだけ素晴らしい事なのか、女性も男性も理解していたら。
男性が、男性として正しく成熟していれば。
「男らしさ」「女らしさ」という本来の意味を社会全体が理解していれば。
 
これらは、すべて「性的自認」に関わることです。
そして、少子化を生み出している社会の裏側にある、「たられば」でもあります。
 
私の目標は、「誰もが性的自認出来る社会をつくる」ことです。
性別は自分の個性そのもの。一人でも多くの人に「性的自認」の重要さと、自分と言う唯一無二の個性を大事にして欲しいと考えています。
 
性的自認が自己肯定にどれだけ大きな意味を持つのか。
自分の身体の性別と心の性別の違いに悩み、自分になかなか自信を持てなかった私だからこそ、断言できます。
 
最後に、1つだけお願いがあります。
 
どうか、LGBTをはじめ、自分とは違う相手の事を「そういうひともいるよね」と当たり前のように受け流してください。
 
「わかるわかる」という共感はできなくても、「そうなんだね」と、相手と自分には違いがあることを認める。
違いを攻撃する正義ではなく、違いを受け入れる無条件の愛を。
 
それが、平和な世界をつくる最も大切な、他人への思いやりだからです。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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