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癒し上手な福岡美人、それは高嶺の花なのだろうか


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記事:小堺ラム(ライティング・ラボ)

 

「何ね、この店は! 女ばっかりやないね~!」

え~ 東京天狼院のコアなお客様の中で、博多弁がよくわからない方のために標準誤訳すると「全く、どうしっちゃったのよ!! このお店! 女性ばかりいるじゃないの!!」
という、率直に驚嘆を表したセリフなのである。

今日は福岡市の西の方にある日本そばを洋のテイストで食べさせるコンセプトのお店に来ているが、まあ~、店内は女子率98パーセントなのである。
そして、何もこの店に限った事話ではない。
最近定番になりつつある、熟成肉のお店、玄界灘のぷりっぷりであまーい新鮮な海の幸をこれまでかというほど安価で食べさせるお店、乙女心をくすぐってくる盛り付けとワインの揃えが抜群なフレンチなどなど……
感度が高いだけではなく、新鮮で素材も良く、値段もかわいらしい、そんなお店を見つけ、さも自分だけの隠れ家のつもりでいざ扉を開けると……
美しい女子で埋め尽くされているのである。
実に実に見事な、華やかな光景である。
日本10大絶景というものがあるとしたら、一つ新たに「福岡にあるいい感じの飲食店の扉を開けた時の風景」を加えたらどうかと思うほどの絶景なのである。
そのための署名運動を、独りひそかに繰り広げようかと思う位見事な絶景なのである。
この美女ぞろいの絶景は、この本を読んでいる皆様にぜひ、体感してもらいたいものだ。
このように、狙って行った飲食店の扉を開けた瞬間に美女ぞろいの絶景を見せつけられた私は「この良い店を自分だけの隠れ家のようにして使おうと思っていたのに~」と、なんだかよくわからない悔しさを感じながらも、内心は安心していた。
あ、この店、当たりなんだ!! 客が美しい女子ばかりの店は大当たりだから、よかった~と。

しかし、なんでまあ、こんなに美しい女子たちが女子だけで寄り合っているんだろうか……
一種の偏りに異様さを感じずにはいられない。
一体、男たちはどこに行ったんだろう。
ま、まさか……
福岡の女達のその美しさの秘訣は、お、男の生血をすすることで保たれているとか…
女たちが男を食ってしまうから、福岡には男が見当たらないのか。
いやいや そんなはずはない。

そんな疑問を抱えながら、春画浮世絵展を一人で観に行った福岡市美術館からの帰り、大濠公園を歩きながら帰っていると、美しいコスモスが群をなして咲き誇っているのを見た。

手入れされたであろう土壌に、たおやかに、しかし、しっかりと根をはやし、空気を吸って咲き誇っている。
実にみずみずしく、生き生きと咲いているのだ。
あーー、きれいだなあ~!!
今、コスモスは旬だし!!
悠々と咲いているコスモスを見て、私はどんどん癒されていくのを感じた。
と同時に、このコスモス達が、感度が高いセンス抜群の飲食店に寄り合って談笑している美人福岡女子群に見えてきたのであった…

福岡女子は、「福岡」という食も文化もお洒落スポットも十分に感度が高いものに関われて、家賃も物価もそれほど高くないという、女子が非常に生息しやすい「福岡という土地」にどっしりと根を生やし、お祭り好きなエネルギッシュさと、とりあえず気軽に隣の人に話しかけてみて誰でも受け入れようとする懐の深さを兼ね備えたこの「福岡の空気」を吸い、何の根拠もないけど最終的には飲めばわかりあえるという絶対的な確信のもと、〆で「福岡の焼酎」を「水」のように飲みまくり、結局人生のどの瞬間においても幸せを感じて生きているのである。
しっかりと自立して自分自身を養い、しかも自分で自分を癒すことができているのだ。
福岡女子は自分癒し上手なのだ。
しかも、福岡女子は、ことごとく美しく華やかなのである。
そんな私達の存在は、自然と周りの男たちも癒していくのであった。
天狼院書店店主が東京池袋だけでなく、福岡に出店した理由の一つが「福岡女子が美しすぎるから」というものであったという噂を聞いたことがあるけど、出張や転勤で東京などから福岡に来た男性達は、福岡女子の美しさをこぞって絶賛しているらしい。
このように、自分癒し上手な福岡女子の存在は、自然と男性の心にも、妙なはなやぎを与えているらしいのだ。

根を生やした大地から養分を吸い、空気から酸素を取り入れ、水を吸収し、太陽の光を浴びて体内で光合成し、自分自身でエネルギーを作り出して美しく咲き誇っている花々。
そんな花の美しさを見て、癒される人々……
福岡女子の存在って、美しく咲き誇る花に似てるんじゃないだろうか。
そう思わずにいられなかった。

最後に、男性のみなさん!! お願いがあります!
花は、大地に根を生やしてこそ美しく咲き誇れるものであることは、ご存じでしょう。
そう、福岡女子は福岡という土地を動けないの。
福岡が素敵すぎるから、福岡から出れないの。
これはほんとに、もう、呪縛がかかっているかのように、みんな福岡から出られないの。
だから、美しい花に吸い寄せられて飛んでくる蜂のように、どうか私たちを見つけて、飛んできてね!

福岡、よかとこやけん、待っとるけんね~。
 

***
この記事は、ライティングラボにご参加いただいたお客様に書いていただいております。
ライティング・ラボのメンバーになり直近のイベントに参加していただくか、年間パスポートをお持ちであれば、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

 

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