雑草も爪も放置すると大変なことになる!
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:吉田 真子(ライティング・ゼミ日曜コース)
「あー、痛い痛い痛い! そこ、すっごく痛い!」
彼女は涙目になりそうな状態で私の施術に耐えていた。
「こんなに痛いなんて。病院でも一緒だったよね。怖くて行けなかったからこんなになったのは私のせいなんだけど。でもやっぱり痛いのは痛い。なんでこんなに。巻き爪でこんなに苦労するなんて思わなかった」
そう言いながら再び痛みをこらえようとしていた。
「ここまで放置したら病院でも間違いなく爪はバッサリ切られる。何をどうしても痛い思いはする。なぜこんなになる前にお手入れに来なかったのだろう。それよりもよくこの痛さのまま普通の生活を送れたものだ」
そう思いながら私は彼女の足の爪の施術をしていた。
彼女は母の友達。
普段からマニキュアをよくしている。
仕事を定年してからは毎日のように爪にマニキュアを塗っている。
だが一つだけ彼女には欠点がある。
かなりの天然さんでガサツなところもある。
依然母から彼女の武勇伝話をよく聞かされた。
運転で道を通り過ぎたと思ったらハンドルを180度一気に切って車をスピンさせた話。
雨の日ワイパーが動かないと窓を開け自分でワイパーを動かした話。
聞いているときりがない程だった。
それでも女性は女性。
おしゃれには人一倍気にするのだ。
ネイルに関しての完成度は想像にお任せする。
手の爪も足の爪も普段からよく気にかけて長くなると切ってはいたみたいだが切りっぱなしと言うのはいつものことだ。
足の爪になると老眼も入ってか切るのがおっくうになってきているとも言っていた。
巻き爪ならなおさら。
切りたいところも見えず、仮に見えたとしても痛くて自分で切る勇気がなく気づいたらづ目を長め長めに切っていたとも言っていた。
巻き爪になる原因はここにあった。
彼女もわかっていたはずだ。
家の庭に例えるとそれはまるで雑草だ。
梅雨に入る前は定期的に雑草を抜いていた。
だが梅雨に入り雨が降り、夏になり外の気温が熱くが熱く外に出るのがおっくうになる。
仮に晴れた日に除草剤を撒いたとしても庭のお手入れは終わりではない。
そのまま月日が過ぎて数か月後庭を見てみると梅雨前に見ていた庭とはまるで別物。
庭と言うよりジャングル。
このジャングルを庭の姿に戻すにはどのくらいの時間がかかるだろうか。
巻き爪もこれと同じようなことが言える。
巻き爪になり始めの頃はあまり気づかない。
爪が巻くことによって爪の形がちょっときれいに見えてしまうからむしろいいことのように感じてしまうことさえある。
また足の巻き爪だと爪の角にゴミが入るのを気にしてあえて角まで落とし白い部分がなくなるまでキレイにカットしたりもする。
そしてそれが衛生的に見えるのだ。
だがその切り方を続けるとどうなるだろう。
巻き始めだった爪はさらに巻いていく。
巻くとどうなるか。
そう、先ほどの皮膚に食い込んで激しい痛みに襲われる日々が待っているのだ。
その状態になってしまっていたのが彼女だったのだ。
施術には耐えてもらうしかなかった。
「ずっと痛いままでいるのと、今の痛みを頑張って耐えるのはどっちがいいですか?」
しぶしぶ彼女は今の痛みを耐えるほうを選択した。
「足の巻き爪はまずこの皮膚に食い込んでいるところを取り除きますね。痛いのは分かっていますがこらえてください。食い込んでいる部分が取り除けたら形を整えるためにヤスリで爪を削りますね」
彼女は耐えた。
「次に今巻いていた部分はほぼ取り除けたので次に今から伸びても巻き爪に戻らないために爪に人工爪をのせて爪自体を補強しますね」
何をされているのかあまり分かってはいなさそうだったが爪の感覚が違うことには気づき始めていたらしい。
全ての施術が終わった。
「痛くない。触っているのに。当たっても痛くない! すごい!」
表情は一気に満面の笑みになった。
それから1ヶ月半後、再び彼女は私のもとに訪ねてきた。
「あれから全く痛くないよ! 全然!」
そう言って嬉しそうに爪を見せてくれた。
案の定爪は伸びたままだった。
ただ一つ大きな変化があった。
「本当に爪巻いていたのがウソみたいですね! 前回爪が食い込んで炎症を起こしていた部分もキレイになっている!」
巻き爪の食い込みはしっかりと抑えられていた。
爪の巻き具合としてはまだまだ強いほうだったのでこの日も必要なお手入れと人工爪の載せ替えを行った。
「今まで見たいに爪の伸ばしすぎはしないでくださいね。それともし良かったら足の爪用にヤスリを購入されませんか? ネット販売のものでもドン・キホーテなどに売ってあるものでもいいですよ。出来るだけ薄めのやすりを買ってください」
「やすりでは爪を切った後に断面をやすり掛けしてください。あと爪の角についてですが爪切りで切り落とさずにやすりを爪を上から見て平行に当てて爪と皮膚の間にいれるような感じでやすりを入れ込みその時にあたる爪を削ってください。それが巻きて来た時に痛みの原因を作る箇所なので」
それを聞いて彼女は早速インターネットでやすりを購入していた。
その施術からまた1ヶ月が経とうとしている。
そろそろ彼女が訪ねてくるころだ。
爪がどのようになっていっているのか見るのが楽しみだ。
私は自宅でネイルサロンをしている。
ネイルサロンで足を見せるのは恥ずかしいという人もいる。
でも巻き爪に悩んでいる人がいるのであれば私のところでお手入れを受けてほしい。
きっとその悩みは一時の間で終わるだろう。
***
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