僕はやっぱりネズミ花火でありたい、線香花火になってみてわかった事
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:くろだ しゅんすけ (ライティング・ゼミ日曜コース)
僕はADHDという脳の障害を持っている。
これは病気ではなく発達障害の一種で
注意欠陥、多動性障害を一言にしたものである。
「やる気」のもとである、脳のドーパミンという神経伝達物質が
常に平均よりはるかに少なく、例えると常に鬱のような状態に近い。
注意力が散漫なため、話していても相手から聴いていないように思われたり、
衝動性という特性が感情をめまぐるしく動かし、実際に聴くことが難しいケースも多い。
集中力がとても低く、どうでもいいミスを繰り返してしまったり
忘れないように注意する事自体を忘れてしまって、忘れ物をしたり
予定をすっぽかしてしまったりする事もある。
また、稀にとても興味をひかれるものがあれば
過集中といって時間を忘れ、一日中没頭してしまったりする特徴もある。
何より、周りからは見た目で判断する事ができないため
生きていて人間関係がこじれることは多くなかなか生きにくい。
治る事はないが、症状をコントロールする薬は数種類ある。
以前、ストラテラというADHDに効果的な薬の力をかりてみた。
服用した個人の感想として、無限に途切れない注意力を手に入れた感覚に
やり手のスナイパーかのように研ぎ澄まされた冷静さと集中力
世の中がスローモーションに見えて、喜怒哀楽を一つずつ優雅に選択できてしまったり
将棋の名人を彷彿とさせるような、はるか先をよんだ段取りを組めたりした。
ADHDの特性を大きく三つに分けると
年齢や発達に見合わない「不注意さ」
落ち着けずじっとしていられない「多動性」
制御が難しく突発的に行動してしまう「衝動性」のいずれかを
同じADHDでも、様々なバランスで持ち合わせている。
五感は休む事なく周囲に反応し続けており、常に頭の中がお祭り騒ぎなのだ。
僕は、その中でも圧倒的に衝動性を強く持つタイプ。
元々、幼少期から忘れ物は多く、段取りも非常に苦手だったのだが
たくさんの失敗と訓練を独自の研究と挑戦を繰り返すなか、あらゆる術を体得し
不注意に関しては、無意識から意識できるレベルまでコントロールできるようになった自負がある。
超ド理系だと勝手に思い込み、文章や言葉から無意識に逃げて生きてきた37年だったが
気づけばこのライティングゼミに申し込んでいた。
これに関しては、たまには衝動性も役に立つものだと思った。
ADHDの薬を服用していた時期は日常生活が「何の問題もなく」進んでいた。
冒頭に書いたような世界になるため
日常が全てスローモーションのようで、冷静に無難な選択が可能だった。
ただ、僕にとっては「こちらの方が人生最大の問題」に感じる結果となった。
喜怒哀楽を失ったような感覚とともに、生きている心地がしなかったのだ。
僕の感情は、静かに燃える線香花火のように儚く燃え尽きた
そしてあくる日、すべての薬を処分した。
僕はやっぱりネズミ花火のように激しく動きまわる方が性に合うみたいだ。
その日から、改めてネズミ花火として生きる決意をした。
とは言えど、どうしてもこの衝動性だけはコントロールが難しい。
突発的に、考えるより先に動いてしまい余計なことをズバッと言ってしまったり
争わなくてよいところで戦闘モードに入って争ってしまったり。
気がついた頃には、いつも後の祭りである。
取り返しのつかない失敗も数知れず
その都度、自分を責め続けては諦めずに食らいつく事を繰り返していた。
そしてついに今!
生まれてはじめて現在進行形で前進しているかのような手応えを感じている。
「距離感」
まさに、これが大切だと気づかされる出来事が続いているのだ。
結論から言うと、人が立て続けに僕から去っていったのである。
ネズミ花火は火がつくと危険。
火がつく前に距離を保つことが大切なのだと客観的に観る事ができたのだ。
そこに、今になってようやく気づきはじめたのだ。
そしてひたすら危険な状況を紙に書き出し考えた。
自分がどんな状況で発火する傾向が強いのか
また、なぜ発火するのか
そして、そもそも発火すべきだったのか
見えてきた傾向から、発火しがちな状況を明らかにして察知したらこう対処するのだ。
その場から退散!
そうすると、万が一発火しても周囲に危害を与えにくいという秘策を
ようやく発見したのだ。
僕はとても寂しがり屋である事を知った。
人が離れていくのはこわかった、だがそれ以前に近くでの過ごし方がとても下手だったのだ。
独りで過ごす時間の中で、少しずつ自分と冷静に向き合えるようになってきた。
脳内環境を意識的に整える運動や訓練方法を勉強し行動し
今では、意図して神経伝達物質を出せている実感まで得れている。
不思議なものだ。
独りは心細く寂しく感じる時も多々あるが
逃げずに一つ一つの出来事の根底に丁寧に向き合えば、次なる道を照らしてくれる。
気づけばその経験に対して感謝の気持ちが生まれ
その感謝の気持ちが憂鬱な気持ちを吹き飛ばし、僕を行動に駆り立てる。
そうして今では「やる気」に自ら火をつける術となっている。
***
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