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就活やプレゼンに使える「自信を持って話す」ための簡単で効果的な方法


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記事:過客(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
また、失注してしまった。
 
入社二年目の秋、私は三度連続の失注に、心が折れかけていた。失注とは「クライアントにアプローチをしたけれど、商談成立には至らなかった」ということだ。つまり、私は三度連続で、クライアントに選んでもらえなかったのである。
 
私の名刺に書かれた仕事の肩書は「Webコンサルタント」だ。
簡単に説明すると、ホームページ運営で抱える悩みをヒアリングし、課題を洗い出して解決策を提示し、デザイナー・エンジニアをアサインして実行に移す……という仕事をしている。
この「解決策を提示する」までが営業段階にあたる。提案書を携えて、クライアントにプレゼンをし、その価値を見出してもらって初めて受注となるのだ。
 
「提案書はよくできてるし、説明も分かりやすいよ」
三度目の失注時、どうしたものか、何が悪いのかと上司に相談すると、上司はまず励ましてくれた。
「クライアントもそこは評価してもらえるんです。でも、最終的に選んでもらえなくて」
私が泣き言を漏らすと、上司はやはり何度も励まし、そしてこうアドバイスをしてくれた。
「そうだね、強いていうなら、あなたはもう少し自信を持った方がいいと思う。そうしたら、きっと受注が取れるようになるよ」
 
恥ずかしながら、私はその時泣いてしまったのだが、上司の気持ちは嬉しかったものの、悩みは更に深くなってしまった。
自信を持つなんて、具体的にどうすればいいのだろう?
失注続きでへこんでいるのに、自信を持つことなんてできるのだろうか?
 
私は、まずはどうして自信を持てないのか考えることにした。
そもそも自信がないから自信を持てない。
なぜ自信がないのかいうと、自分の中にある目標値に、未だ達していないからである。今回の私の例で言うと、「受注をとれない」「クライアントに選んでもらえない」だ。ならば、「受注を取る」という目標に到達すれば自信を持つことができるはずだ。
ではどうやったら目標を達成できるか、受注をとれるかというと……「自信を持つ」必要がある。最初に戻ってきてしまった。
 
自信を持てない→受注をとれない→さらに自信がなくなる。
この負のスパイラルを断ち切らなければならない。一体どうすればいいのだろう。
 
そこで、ふと思いついた。「自信がなくても、自信を持っている風にみせかければ、受注がとれるのではないか?」
 
どうせ自信は湧いてこないし、受注しないと自信が持てない。ならば、自信を持っているように見せかけて、なんでもいいからとにかく受注を取ればいいのだ。
 
私は「自信があるように見える人」について調べてみた。それを真似すれば、自信があるっぽく見えるはずだと考えたからだ。そして自信があるように見える人の共通点を洗い出し、これなら真似ができるという方法を見つけた。
だれでも実践でき、簡単で、すぐ試すことができて、しかし意識しないと絶対できないことだ。
 
自信があるように見せかけるための簡単な方法、それは、「ゆっくりと話すこと」だ。
 
ゆっくりと話す、というのも体感的には「ゆっ……くりと話す」ぐらいまでスピードを落とす。
自分の中で遅すぎる、と思うぐらいが人が聞いた時にちょうどいい。たったこれだけで、自信を持っている風に見せかけることができるのだ。
 
なぜ、ゆっくり話すと自信を持っているように見えるのか。それには二つの理由があった。
 
まず、ゆっくり話す人は落ち着いて見える。せかせかしている人より、どっしりと構えていて、安心感があるように感じられる。また、話すスピードを遅くすると、多くの人は自然と声が低くなる。これも相手に安定感・任せられそうな雰囲気、すなわち「自信を持っている風に見える」という印象を与えることができる。
これらはまさに、「自信を持っている風に見せかける」方法だ。ゆっくりと話すだけで、頼りがいがある、安心できる、この人は自信を持っていると他人に思わせることができるのである。
ゆっくり話す特訓として、私は本の朗読を始めた。噛まずに滑らかに読もうと思うと、おのずと話すスピードは落ちる。その時のスピード感を体に馴染ませるまで行った。特訓を初めて、自分がかなり早口で喋っていたことにも気づくことができた。
 
自信を持っている風に見えるスピード感を掴んだところで、実際のクライアントへの提案の現場での実践に移してみた。
この時、ゆっくり話すと自信を持っているように見える、二つ目の理由に気がついた。
 
ゆっくり話すと、自然と自分の考えにも自信を持つことができるのだ。
 
ゆっくり話すと考える時間が増える。増えるというより、「稼げる」と言った方がいいかもしれない。
相手の質問に即座に打ち返すのではなく、ゆっくり話し、じっくり考える。すると、自分の考えも明確化され、頭の中でしっかり理論立てながら話をすることができる。まさに自信を持って、相手に言葉を返せるのだ。
さらに、ゆっくり話すことで思考の時間が稼げるので、「えーっと」や「あのー」といった場つなぎ言葉も無くせる。やたらと場つなぎ言葉を繰り返す人は自信なさげに見えるが、それを回避することもできるのだ。
 
ゆっくり話すように意識し始めて、すぐに効果は現れた。
入社二年目の秋が終わり、年の瀬が近づいた頃には、嬉しいことに一つ受注を獲得できていた。
それからは明らかに調子がよくなり、入社三年目となった今では、提案回数八回のうち受注した数は六回、受注率は七割を超えている。三回連続で失注した時と比べれば、それなりの成長だと自分では思う。
それはもちろん、失注が続いていながらも支えてくれた周りのサポートと、巡り合わせたクライアントと相性のよさという時の運も大きく絡んでいる。が、やはり一番の要素は「ゆっくり話して、自信を持っている風に見せかけることができた」だと思う。
 
一度受注を取り、味をしめればこっちのものだ。こうして私は、負のスパイラルを断ち切り、「自信がないから受注が取れない」を「自信があるから受注できる」に変えることができたのだった。
 
私がこの「ゆっくり話す」戦法を教えたい相手がいるとしたら、それは就活をしている時の自分だ。面接官とうまく会話が続かず、何度も選考に落ちたあの頃は、思えば自信もなく、焦りのせいで余裕もなかった。
今就活をしている人、クライアントに提案する機会がある人、自信を持っている風に見せかけなければならない人は、ぜひこの「ゆっくり喋る」戦法を試してみてほしい。私はこの戦法を、はまさしく言葉通、「自信を持って」おすすめする。
 
 
 
 
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2020-09-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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