メディアグランプリ

ショートショート創作体験記(コトバというタマゴの発見)


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:みつしまひかる(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
皆さんは物語を作ったことがあるだろうか?
 
物語を作れる人にこれまでずっと憧れがあったものの、生後36年、僕は物語を作ったことがなかった。
でも、ようやくそんな流れにピリオドを打つことができた。
 
そのきっかけが、先週の土曜日受講した「超ショートショート講座」である。
ショートショート作家の田丸雅智先生が講師を務める講座である。
ここで、ショートショートとは、田丸先生の言葉を借りると、「短くて不思議な物語」。もっと言うと「アイデアと、それを活かした印象的な結末のある物語」だ。
 
ショートショートについて一番有名な作家は星新一だと思う。
僕も中学生の時に何冊か読み、短い話の中に面白いアイデアが盛り込まれており、感激した覚えがある。もしショートショートという言葉や星新一の名前を知らなければ、ドラえもんに近い話だと考えてもらえば良い。不思議な道具や人がでてきて、それに応じたオチがつくイメージだ。ドラえもんだと便利な道具をもらって、最後にのび太がずるいことを考えて失敗する。
 
創作への憧れと、アイデアの質は問われても、文章力は問われないだろうという勝手な期待から、僕は本講座に申し込み、生まれて初めて物語を作ることになった。
 
大まかなステップは以下の通りである。
ステップ1: 不思議なコトバをつくる
ステップ2: 不思議なコトバから想像を広げていく
ステップ3: 想像したことを短い物語にまとめる
 
各ステップのタイトルだけ聞いてもイメージはつきにくいが、それを具体化する田丸式メソッドを教えてもらうことができた。
内容を明かしてしまうと営業妨害になるので、詳しくは超ショートショート講座を受講していただくか、田丸先生の著書「たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座」をご参照いただきたい。
僕はそのメソッドが非常に賢い方法と感じた。
「新しいアイデアは既存の2つのものの新しい組み合わせ」と言われるが、まさにそれを踏襲したメソッドである。
 
さて結果はどうだったのかというと、40分ほどのワーク(講義時間除く)で、僕も無事1つの話を作ることができた。
繰り返すが、僕は創作初体験だ。四本足のハイハイすらままならない身である。
それでもステップ1にて「ワンタッチ開閉タマゴ」というコトバが生まれ、このコトバにうまく引っ張られて、ステップ2・3を経て、無事、タマゴと小さな女の子の話ができた。
 
このことが、僕は思った以上にうれしかった。
創作の世界へ一歩踏み出せた、ハイハイでいうと一手前に出せたこと、はもちろん喜ばしい。何しろ長年の憧れだったのだ。
 
けれど、それ以上にうれしかったことが2つある。
創作の作業が単純にとても楽しかったこと、そして自分で作ったその話をとても気に入ってしまったことだった。
純粋にこのタマゴに好奇心を持ち、どんなタマゴなんだろうとあれこれワクワクしながら考えていったのだが、それを手にした少女が、作者の意図を超えてどんどん成長したのだ。
ハイハイをしている僕でもそんなことが起こったのである。
僕が二本足で立ち上がるまで、さらに二足歩行するまで、さらなる時間を要するだろう。モデル歩きするプロとは大きな差だ。
それでも、創作の楽しさと、出来上がった物語に自分が楽しませてもらえるという実感が得られて興奮した。
さらに、描いた世界が思いのほか優しく、自分がそんな気持ちをもっていることに、素直に驚いた。
書いて自分を知るというのはとても新鮮な発見だった。
 
おまけだが、時間制限があったことも大きい。強制的にサクサク進めていかざるを得なかったため、必死で頭を回転させ、全部のステップを順番通りに実行した。
せっかくだから良いものを、と思って時間無制限にしてしまうと確実に疲れ、挫折してしまっただろう。
実は、僕は先に挙げた本を3年ほど前に一通り読んだのだが、結局創作はしなかった。
今回はその挫折に対する挑戦だった。結果、大正解だった。
 
さて、「ワンタッチ開閉タマゴ」とはどんな話だったのか、気になった方もいらっしゃるかもしれない。
その方には申し訳ないが、「第17回坊ちゃん文学賞」に応募することにしたため、開示は控えさせていただきたい。
講座の終わりに、是非皆さん賞に応募してください、と先生がおっしゃったので、それに乗ってみようと思った。
創作に40分しかかけてないし、ハイハイすらままならない自覚はあれど、ウチの子がいちばんカワイイ、という親バカな心境である。
 
僕の作った話の中身はさておき、物語を作ったことのない方は、同じようにショートショート創作をオススメする。
きっと日常を楽しくする良いきっかけになるだろう。
また、田丸先生は他の受講生の作品や、自分の作品へのコメントも大変刺激になるとおっしゃっていた。実際に、講座で投稿された作品も面白いものが色々あった。
着眼点などの感性は人それぞれ。だからこそ、知ることで自分の世界が広がる、カラを破るきっかけになる。
お互いの話を見せ合いっこする機会があれば、とてもうれしい。
 
今回の体験から、「不思議なコトバ」が見つかるかどうかが、最大の関門と直感した。見つからなければそこで試合終了だ。
「不思議なコトバ」はタマゴだ。その中に可能性が詰まっている。
核となる「不思議なコトバ」がイマイチな場合、その物語はイマイチなものになるだろう。しかも今の僕にはうまく話を膨らませる技量がないのでなおさらだ。
普段から言葉に対する感度を上げ、「ワンタッチ開閉タマゴ」に並ぶ「不思議なコトバ」を見つけ、その可能性を損なわずしっかり孵化させてあげたい。
 
皆さんもご一緒にどうでしょうか?
 
***
 
 
 
 
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2020-09-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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