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VOCALOIDという名の全国ご当地物産展

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記事:苫米地真乃(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
VOCALOID(ボーカロイド)というものを知っているだろうか。
もしかして、今更説明などしなくても大半の人が知っているものなのかもしれない。
 
簡単に説明しておくと、VOCALOIDとは「ボーカル」と「アンドロイド」をくっつけて作られた造語であり、ヤマハが開発した音声合成技術、及びその応用製品の総称を指す。そして今や、「ボカロ」は音楽の1ジャンルとしても扱われる単語となっている。
日本のポップアイコンとしても有名な初音ミクがその代表格であり、国内外を問わず、若者を中心に絶大な人気を誇る。
 
……とまぁ堅苦しい説明をするとこんな感じになる。もっとライトな説明をすると、「ボカロ」という音声合成ソフトによる機械音がまるで人間のように歌を歌う。そして人間には出せないような高音、信じられないほどの早口、曲作成の手軽さなどから日々の愚痴を歌にした「ネタ曲」といったものが話題を呼び、新しい音楽の可能性を切り開いていっているのだ。
ちなみに米津玄師やヨルシカといった若者に人気のアーティストも、もとはボカロで曲を作っていた、超人気のプロデューサーであった。
以前はボカロを聞く=オタクというような悪しきイメージもあったものの、今はそんなことは誰も言えないだろう。
 
私にとってボカロは、様々な音楽に出会わせてくれる大きな入り口であった。ボカロが歌っている曲、というだけで興味を持ち、私にいろいろな曲を教えてくれた。
それはまるで、デパートでたまに開催される全国ご当地物産展のような。
各地の食べ物が一堂に会するその場で、出逢ったことのないグルメを知り、自分の食の好みが広がったような経験はないだろうか。ボカロはまるで、そんな体験を音楽でさせてくれる。
 
私がボカロに出会ったのは、小学5年生の時だった。
当時はまだまだボカロは黎明期にあり、同世代で知っている人はごくわずか。ボカロを好き、というだけで話が弾み、交友関係が広がるきっかけでもあった。
 
ボカロの一体何がすごいというのか。その魅力は多岐にわたり、この2,000字程度の文章では書ききることができないが、その一つを紹介したいと思う。
それは、「ボカロは音楽ジャンルであり音楽ジャンルではない」ということだ。
「ボカロが歌っている曲」というだけでカラオケのジャンルには「VOCALOID」として分類されてある。だが、ボカロは演歌も、ジャズも、ポップも、ロックも歌うのだ。
 
当時、ボカロに出会ったばかりの私は好奇心の赴くままにボカロの曲を聴き漁り、様々なジャンルの音楽に出会った。大昔の人気曲をボカロでリメイクしたものだったり、歌詞のないインスト曲だったり、複数の曲で一つの物語になっている連作だったり……
私にとっては発見の連続だった。
音楽番組で流れているような曲しか知識がなかった私にとって、それらはただの音楽という枠には収まりきらないコンテンツだった。
 
ボカロ、というだけでその音楽に対する敷居がぐんと下がる。聞いてみようかなとクリックすると、そこから先にはもっと大きな音楽の世界が広がっていたりする。
例えば私は、ボカロを通してダンスミュージックというジャンルを知った。そこから巡り巡って様々なアーティストを経て、今はサカナクションの大ファンをやっている。ボカロがきっかけで、様々な世界へ連れて行ってもらえたのだ。
 
各地の食べ物が集まる物産展、というだけでなんとなく気になってしまう。足を運んでみると、旅行先には選んだことのないような県の特産品やご当地グルメが並ぶ。いろんなものを試食したり、手に取って見ているうちに、興味のなかったものをいつの間にか購入してしまったり、果てにはそのグルメの大ファンになってしまったり。もしかしたら、そのあとに実際に現地に足を運んで食べてみたりもするかもしれない。
そういうことが、ボカロの界隈でも起こっているのだ。
特産品を食べるだけでまるで旅行に行ったような気分になり、新しい世界の扉が開くような。
一つのボカロ曲を知るだけで、全く聞いたことのない新しい音楽の扉を開くきっかけになるような。
 
ボカロは、音楽の世界をぎゅっと凝縮してくれて、そして私たちの音楽の世界をどこまでも広げてくれる。
 
ちなみにボカロは初音ミクだけじゃない。鏡音リン・レン、巡音ルカ、KAITO、MEIKO、IAやGUMI、たくさんのボカロがいる。ぜひ自分好みの声を見つけて、あなたの音楽の幅を広げてみてほしい。
 
 
 
 
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2020-09-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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