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メディアグランプリ

朝日が昇らない。そんな日を考えて思うこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:森本雄大(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
ジリリリリ……
 
目覚ましが鳴り響き、今日も僕は目を覚ました。
これからベッドを出て、朝食を食べて、着替える。
そんな当たり前の休日のスタートだ。
 
けれども今日は、それより先に思い浮かぶことがあった。
 
「お疲れ! 見込み大変だよな。俺も全く終わらなかったわ!」
 
僕はスマホを開くと、SNSで会社の同期にメッセージを送っていた。
なんだか無性に連絡が取りたくなったのだ。
 
前までは当たり前だったやり取り、そんな些細なこともコロナが蔓延してから影を潜めた。
関係が切れてしまうのではないか不安があったのか、SNSから連絡を取ってみることにした。
 
返信が待ち遠しいような、怖いような、そんな気持ちが入り混じる。
恋人と連絡を取っているわけでもないのに、不思議な感覚だ。
しばらくすると、画面に通知が来た。
 
「全然終わらなかったわぁ」
 
なんてことのない、普通のやり取りだ。
いつもなら、また飲み行こうぜ!というトークが始まるところだが、今日はそのやり取りはない。
自分が以前に断ったことを気にしたのか、コロナを気にしたのか。
変わってしまった日常を再確認するようで、「頑張ろうな!」 と返信をするしかなかった。
 
週5日会社に通って、金曜は飲みに行って、土曜は昼まで寝る。
少し痛い頭をさすりながら、昨晩の自分を少し叱りたくなる。
 
貯めたお金で旅行に行って、友達と周りを気にせず爆笑する。
 
そんな日常が、やっぱりどこか恋しい。
幸せは、決して当たり前のことじゃない。
そんな簡単なことをコロナが蔓延してから再確認させられた。
変わらないことって、思いのほか難しいみたいだ。
僕は支度をし、いつも通りの日常を始めた。
どうにか気持ちを平常に近づけたい。
 
家事を終え、パソコンで文章を書き始める。最近の休みの過ごし方の一つだ。
前とは違った日常だけど、最近やっと板についてきた。
 
「今日はなかなか思いつかないなぁ」
同期とのやり取りがどこか頭に残り、冴えない頭で思案にふけってしまう。
 
前の日常と新しい日常。
そんな狭間で、僕はもがいているように思えた。
 
日常という窓から吹き込む、新しい風を探し続ける。
何か新しい日常に吹っ切れるような、そんな出来事を望んでいたのかもしれない。
 
そんな堂々巡りの思考を、聞きなれた音が遮断する。
 
ピロロン!
 
友達からのLINEが届いたみたいだった。
スマホを確認すると、見慣れたアイコンがこちらを見ている。
 
「雄大、地元帰るから今日夕飯行こうぜ!」
僕の頬はつい緩んだ。
 
「おう! もちろん行こう!」
 
誘ってくれる友人とは、もう10年来の付き合いだ。
高校を卒業してからも、最初は向こうから連絡を取ってくれていた。
一緒にいろんなところに行ったり、悩みを共有したり、笑ったりした。
 
友人と過ごす時間は、やっぱりこの上なく楽しい。
 
大戸屋の定食を頬張りながら、近況を報告しあう。
そんな中で、幸せをかみしめているようにも思えた。
 
もし明日、友人と会えなくなったら、僕は今日の自分を後悔せずにいられるだろうか。
 
目の前の相手を、時間を心から大切にできていただろうか。
そう思うと、何かしたいという気持ちになった。
なんだか改まるけど、何か口に出して言ってみようか。
「なんか、こうやって会えるのって、幸せなことだよなぁ」
 
実際に何をしたわけでもない。でも、それでいい気がした。
今だから感じたことを、伝えてみよう。
 
「せやなぁ、実際マジそれよな!」
何気ない相槌が返ってくる。
そんな会話のやり取りが、幸せだと思った。
 
変化の時代の中でも変わらないもの。
見落としがちな当たり前を見直してみよう。ふと考えこみ、思考を巡らせる。
 
「もし、明日朝が来なかったら何をするか」
 
友達と連絡を取ろう。
どこどこに行ってみよう。
上司にお礼してみよう。
親にいつもありがとうとか言ってみようか。
 
もっと、車を買おうとか、海外に行こうとか、大きなことがでてくるかと思ってた。
だけど出てくるのは、当り前のことばかり。
 
本当に大事なことって、当り前だと思ってることなのかもしれない。
それがいつでもできる今を、大切にしていこう。
 
暗い夜にベッドに入って、朝日で目を覚ます。そんな奇跡の繰り返しを僕は生きている。
当たり前は、あっという間に当り前じゃなくなる。
 
そんな瞬間がまた来た時、僕は何をしておきたかったと思うのだろう。
 
考えた感じだと、当り前のことなのかもしれない。
でもそれなら、今から全力でやっておこうか。
 
これからベッドに入り、眠りにつく。
目を覚ませた瞬間、また一日を始められる。その奇跡に一歩踏み出そう。
 
よし、明日は起きるのが楽しみになりそうだ。
 
 
 
 
***

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2020-10-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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