メディアグランプリ

策士とは、かわいくないくまモンである


策士とは

記事:Tomo San(ライティング・ラボ)

 

私はサラリーマンをしている女だが、「男ってすげーな」と思うことが多々ある。それは一言でいうと、策士ってこと。たとえば、策士力がある身近なゆるキャラと言えばくまモンだ。そう、策士的男性は、「かわいくない」くまモンなのである。

見た目に反した、あのキレのある動き。他のゆるキャラとは一線を画した、仕事に命をかけていると感じざるを得ないリアクションの数々。かぶりものの構造も、自らの動きを最大限に生かせるよう、したたかに工夫をほどこしているのかもしれない(推測)。

たとえば仕事において、自分がどうしてもやりたいタスクがあって、人とかぶりそうなとき、策士的男性はかならず下準備から入る。数段階にわけて、話題をふりつつ、根回しをぜったいに欠かさない。次に、「このタスクを自分にしてもらいたいよね、そっちのが助かるよね」的なオーラをばんばん出しまくる。本音はただやりたいだけ。でも、理由を他者にスライドさせていく。

最終的に、相手が得したような印象を与えて終わり。実際、相手は得した気分になるから不思議だ。

これってくまモン的。どんな商品にもうっすら顔を出しながら、最終的にそれが当たり前のように持っていく「ずうずうしさ」が共通点。でも、男性はくまモンほどかわいくはない。フォルムは似てるけど。

先日、(ほんとかどうかは知らないが)ナレーターという職業を持つ男性がいた。弾丸のようにしゃべりまくる(推定45歳の)彼への感想として、
① 人を飽きさせない。2時間以上をもたせる会話力。
② とにかく「自分すごい話」が多い。
③ 30分くらいで、その自慢が妙に説得力を帯びる瞬間がきて、
④ 最終的に、「このひとすげー」に変化し、
⑤ 根拠のない説得力を生む(=ついていきたいと思わせる魔法をかける)
が、挙げられる。ちなみに彼は、アンチエイジングが一番熱いとのことで、サーチュイン遺伝子について熱弁していた。

一つひとつを分析すると、彼の話には完璧に嘘がある。あるのだけれど、大事なのはそれを聴衆に感じさせないことと、話としておもしろくしてしまう技術があるってこと。でもきっと、それでいいのだ。というか、本質はそれしかないんだし、とも思う。

個人的見解としては、人前に立つ男性が女性よりも圧倒的におもしろい確率が高くて、理由は、仕掛けが多いから(話のうまい女性もたまーにいて、先日会った方は、仁王立ちで電気ビルのホールで講演なさっていましたが)。男性の方が遺伝子的に女性より弱いはずなのに、最終的に上に立つのは男性。まあ、男女について語るのは無駄なので控えるが、女性はかわいくないくまモンだけは目指さない、男性は努力してかわいくないくまモンになる、ということ。

天狼院の店主さんも、スキンヘッド+ひげ+体格がっちり=風情から「日本版マフィア」と完全な前ふりをかます。そこから、やわらかい物腰と圧倒的なトーク力を持って、ポジティブメッセージ連呼。リアクションに乏しい客席なんかに一切頼ることなく、美人店長の合いの手をがんがん挟み込む。説得力を増すスパイラルで、会場を沸かせまくっていた。

ゆえに思う。

「完璧なる策士。ここにみたり」

タイムリーな別の話題ではずす、論理的に語る、特別感を演出する、簡単だと相手に思わせる、自分は本質を判ってる感も演出しちゃう、弱みもみせる(説得力さらに加速)。

これらを無意識にやっていたとしたら天才だけど、意識しているのであればそうとうな策士。そして、この策士に凡人が簡単にはなれないのも事実。セミナーに出ても圧倒的な敗北感を感じて終わるだけじゃ悔しいから、彼の技術じゃなくて、彼のスタンスそのものを飲み込もうとしていた私。かなわないのは、判っているので。

三浦氏はプロデューサーだと思う。プロデューサーは秋元康さんのように、計画を練りに練って、理論的に根拠をもって仕掛け、駒を動かし続け、ニュートラルに楽しめるごく一部の策士のことを言う(秋元さんっていつも半笑いの印象だなあ)。

策士の戦略をかいまみたい方、天狼院をこっそり覗きましょう。あ、でも、魔法をかけられないように注意してください。ほんとに。

 

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この記事は、ライティングラボにご参加いただいたお客様に書いていただいております。
ライティング・ラボのメンバーになり直近のイベントに参加していただくか、年間パスポートをお持ちであれば、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

 

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2015-11-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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